カズレーザー 初回から3年…最終回でついにがん治療研究の権威が登場 人は130年生きられる? 専門家の語る未来への希望

カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』の最終回が9月2日に放送された。今回は『人類の夢!不老不死SP』というテーマだが、不老不死は約3年前に放送された番組初回でも取り上げた。これまでの放送は多忙ゆえにVTR、中継出演となったがん治療研究の権威、小林久隆氏(アメリカ国立衛生研究所)が、今回はスタジオに登場し最新の研究成果を披露した。

小林氏が30年近く研究を続ける『光(ひかり)免疫療法』は、点滴で投与した薬が、がん特有のタンパク質に付着し、そこに特殊な光を照射することでがん細胞のみを破裂させる画期的な治療法。保険適用は現在、進行・再発した頭頸(とうけい)部がんに限られるが、食道がんや胃がん、子宮頸(しきゅうけい)がんなど他のがんにも応用するための治験が進んでいるという。
この3年間で国内の光免疫療法を行う治療施設は62施設(2022年10月時点)から180か所以上と約3倍に増加し、治療実績も3年前は40回と紹介したが、現在は1000回を超えた。効果も飛躍的に向上し、治療を受けた人の35%以上でがんが完全消滅、7割以上の縮小を含めると60%に効果があったとするデータも。
さらに小林氏は、5年相対生存率が極めて低いすい臓がんに挑む研究を進行中で、長年すい臓がんの治療を困難にしていた2つの厄介な特性について、解決の兆しが見えてきたと解説を始めた。
すい臓がんの治療を難しくしている要因として、小林氏はまず“線維芽(せんいが)細胞”の存在を指摘。線維芽細胞はがんの中で増殖してがんを硬くする性質があり、硬くなったがんには薬が浸透しづらくなったり、免疫細胞の効果も減ってしまう。
もう1つの要因として挙げたのは“がん幹細胞”で、これはがんの親玉ともいうべき存在だという。がん細胞の増殖の根源であり、この細胞を排除しないとがんは増殖を繰り返してしまう。がん幹細胞は、乳がんのがん幹細胞、大腸のがん幹細胞といったように、がんができる体の部位ごとに特徴があり研究が進められているが、すい臓がんのがん幹細胞は分裂しないという特徴はあるものの、見た目が他の増殖するがん細胞と変わらないため、特定し排除するのが困難であるという。