映画『笑えない世界でも』映画の内容からは想像できないぐらい仲良く撮影できた【彩香・谷藤海咲・野村啓介・岡本充史監督インタビュー】

2025.10.22 18:15
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岡本充史、彩香、谷藤海咲、野村啓介の写真

俳優の彩香(さやか)と谷藤海咲(たにふじ みさき)がW主演を務める映画『笑えない世界でも』が現在、池袋HUMAXシネマズにて公開中。本作は、ドラマ『あいつが上手で下手が僕で シーズン1/2/3』(日本テレビ)、『⺠宿のかくし味』(CBC)などの演出も務めた、岡本充史監督が監督・脚本・撮影・編集を務めた映画。今回entaxではW主演の2人と、共演の野村啓介、岡本監督にインタビューを行った。

【『笑えない世界でも』あらすじ】
いじめの被害者から一転、ある事故で加害者となり、家族から見放され鬱々とした気持ちで町工場で働いている“ぼっち”の川本優花(彩香)は、ある日、“ぼっち”になってしまった水川凛(谷藤海咲)と出会う。
理不尽でどうしようもなくて逃げ場がない日々が続く中、優花と凛の静かな会話とともに 二人の距離は近くなり、諦めから希望に向かって少しずつ動きだしていく―――。

《彩香&岡本監督 2Sインタビューはこちらから》

――彩香さんには別のインタビューでもお聞きしましたが、本作のオファーが来た時の率直な感想を教えてください。

谷藤:岡本監督は別の作品でご一緒してからの付き合いなので、岡本さんが撮られる大事な作品に声をかけていただいたのがすごくうれしくて、私を必要としてくれてるんだなと感じました。どんな作品になるんだろうっていうワクワクもあって、すぐに「やりたい」とお返事しました!(私自身とは性格が)全然違う役がきたなと思ったんですけど、(脚本を)読んで凛のことを考えていくうちに、「結構強い子だな」って感じることが多かったです。優花より強いんじゃないかなと思って、自分の秘めた思いがある子なので、「だから私なんだな」と自分がやる役として、優花ではなく凛が選ばれた理由を読んでいて感じました。

――岡本監督的にはそのあたりはいかがですか?

岡本監督: 確かに凛は芯が強くて熱い方なので、(谷藤さんが)二つ返事で「やりたい」って言ってくださったので、やっぱりそうやって乗っかってきてくださる方とやるべきなんだろうなと思いました。

谷藤海咲

――野村さんはオファーが来た時、率直にどのように感じましたか?

野村:僕は福田雄一監督がやっているブラボーカンパニーという劇団にいて、別で舞台もしているんですけど、毎回岡本さんが観に来てくれているので、長いお付き合いになります。でも、なかなかお仕事をご一緒する機会がなかったんですけど、僕がWebドラマをつくった時に、最終話の監督を岡本さんにお願いして撮影してもらいました。その時に初めてお仕事したんですけど、僕もやりやすくて、良かったなって思っていました。そんな中、翌年ぐらいにこの話をいただきました。一緒に作品をつくってもらった監督に呼ばれることはすごくうれしかったし、やっぱり岡本監督にとって初の長編映画をやるって時に、仲間として呼んでくれたことはうれしいことだったので、僕も何も迷わず、「ぜひお願いします」ってお答えしたのを覚えています。

――今回、優花と凛が働く工場の工場長・寺田の役でしたが、役柄についてはどう思いましたか?

野村:最初脚本を読んだ時は正直「なんで僕なんだろう」と思いました(笑)。こんなに(人として)良くない役というか…。脚本をいただいて監督と話した時、僕の中で(役に対して)愛せる部分が欲しくて、ただのクズ人間をやりたいわけじゃないので、(工場長の)生い立ちとか、今までの環境、作品の中で描かれてない部分の話をさせてもらいました。僕の中で愛せる部分を見つけつつ、でもやっぱり「こういう人も絶対いるよな」っていうことを認識するようにしました。

野村啓介

――野村さんにオファーした理由を教えてください。

岡本監督:野村さんに関してはご一緒したいっていう気持ちと、「野村さんは台本を選ばないだろうな」っていう気持ちがありました。キャラクターをお伝えしたら、いい人も、いい人じゃない人も野村さんはできるだろうなって思ってたので、不安は一切なかったです。

――(彩花さんと谷藤さんは)今回W主演になりますが、それぞれの印象は?

彩香:台本を読んでて、(凛は)大人しいキャラクターだったので、そのイメージをしてたんですけど、ごあいさつした時に「めっちゃ元気な女の子だ」と思って!(役柄的には)私がお姉ちゃんだけど、ぜんぜん海咲さんの方が頼れるお姉さんっていうイメージが強かったです(笑)

谷藤:実年齢は私の方が上ですし、私も彩香ちゃんのSNSを見てて「かわいいな」って思いながらも、それこそ(優花のように)強い方というイメージだったので、それとは真逆で、フワフワされてる方だなって思いました。「あれ?すごいフワフワした子が来た」ってお互いギャップに驚きました(笑)でも1回カメラ回ったら逆に感じられるんですよ。(優花には)めっちゃ甘えたくなるし、「ついていきます!」っていう気持ちになれたので、そこの切り替えはすごいなって思っています。

彩香

――お互いに演技面で助けられたことはありますか?

彩香:絶対的に目です。(凛は)目が強いから、目だけでスッと言葉を言ってるみたいに入ってくるので、凛の目が私はとても好きでした。

谷藤:私は声のトーンが、落ち着きや守ってくれる安心感があるなと感じていました。役でも(凛は優花を)だんだん頼りにしていくんですけど、今まで「助けて」って言うこともできなかった凛が、「この人になら助けてもらいたいし、助けてあげたい」って思う、包み込んでくれるような優しいトーンで喋ってくれるんです。工場長の時とは(話し方が)全然違うから、凛に対してだけ優しいのが見てもらえれば分かると思うんですけど、それが伝わってきて愛を感じてました。

――野村さんはお二人の演技はどんな印象でしたか?

野村:2人との共演が初めてで、なおかつ僕のキャラクターが、暴力的な言動が多い役なので、心配はありました。工場長はこういうことをするだろうってことをやってみて、それを2人が受け入れられるものなのかとか…。例えば予告編でも流れてくる、(優花と)洋服投げ合うシーンは、最初に撮影したシーンなんですけど、本気で投げ合ってるんです。そのシーンで「この人やってくる。これはいける」って思いました!映画の中ではギクシャクした関係ですけど、こじんまりとした現場だったので、スタッフさんも含めて、映画の内容からは想像できないぐらい仲良く撮影させてもらったので、良い作品にできたんじゃないかって改めて思います。年齢は一番上ですけど、主演の2人のお芝居に僕も引き上げられたな、引っ張ってもらったなとすごく感じます。

映画『笑えない世界でも』場面写真
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