創業119年の東京・神保町『揚子江菜館』が作る“日本初の冷やし中華”は、富士山と日本の四季を表現していた!

ヒロミと小泉孝太郎の2人がMCを務める『オー!マイゴッド!私だけの神様、教えます』が8月30日に放送。日本で初めて作られた冷やし中華を紹介した。
道行く人に、その人にとっての神様のような人を聞き、実際に会いに行くこの番組。東京・駒沢オリンピック公園で声をかけた男性の神は、神保町にある『揚子江菜館(ようすこうさいかん)』の冷やし中華。昭和8 年から、日本で初めて冷やし中華を出した店だという。時代小説家・池波正太郎も通ったという店に行ってみると、迎えてくれたのは上海出身の4 代目店主・沈松偉(ちん しょうい)さん。

創業119 年、神保町の中華料理屋で最も古い店と言われる『揚子江菜館』。5フロアに全170 席ある店内では、きゅうりやさつまいもを使った酢豚や甘酢餡(あん)がたっぷりかかったカニ玉など、メニューは100種類以上も。

日本初という冷やし中華は、涼しげに拌(ま)ぜて食べる麺という意味の『五色涼拌麺(ごしょくりゃんばんめん)』という名前。具材が多く目にも鮮やかだ。今から92 年前の昭和8 年に誕生し、沈さんの親戚にあたる2代目の周子儀(しゅうしぎ)さんが明治17 年から続く神田の老舗そば屋『神田まつや』
のざるそばをヒントに、中国にもなかった五色涼拌麺を考案したのだという。形は当時店から見えていた富士山をイメージし、具材は四季を表しその数10種類。

たとえばチャーシューは春の大地、きゅうりは夏の緑、煮込んだタケノコは秋の落ち葉、糸寒天は冬の雪と、富士山の四季を具材で表現している。上に乗る錦糸卵は富士山の雲、さらに錦糸卵の下には、うずらの卵2個と肉団子2個。並べるところがないので、お客さんを驚かせる遊び心で隠したのだそう。

作り方は、コシが強い細めの卵麺を茹(ゆ)でて冷水でしっかりと洗う。こうすることでぬめりを取り、喉越しをよくするのだという。全10 種類の具材を麺の上に盛り付け、しょう油ベースのタレをかけて完成。少し甘めのタレだが、食べているうちにさっぱりしてくるように作られている。「砂糖と酢の調合が非常に大事。だから実際の比例配分は200回以上研究して、やっとこの形が完成したんで、2年がかりで開発した秘伝のタレですね」と沈さん。夏だけではなく通年食べられるという。

冷やし中華もさることながら、創業当時からの人気商品『上海式 肉焼きそば』。119年前から変わらない味の上海焼きそばの作り方は、まず冷やし中華と同様に茹でた麺をしっかり洗い、水気を切り最短2時間寝かせる。これによって麺に粘りがつき食感が良くなり、味が入りやすくなる。それをしょう油と塩などの調味料と混ぜ合わせ焼き、麺に味を染み込ませ、再び寝かす。そして注文を受けてから再度焼き、焦げ目をつけるようにじっくり焼き上げる。5種類の具材は麺とは別に炒(いた)め、味付けはしょう油・塩。強火で一気に炒めることで、食感を残しながら野菜の甘みを引き出している。それを麺の上に乗せれば完成だ。

来年は創業120年という揚子江菜館。今後の夢を沈さんに聞くと、「まあ目標も夢というか、将来よりも着実に今日明日のことをしっかりとやっていく。それが次々につながると信じていますので!」と語った。
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