【年間130万人以上が来園】北海道・旭川の神様は、動物のありのままの姿を展示する『行動展示』を最初に始めた旭山動物園のレジェンド

2025.8.28 13:15
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下から見えるカバの足はまるで豚足のよう!?

続いて神に案内してもらったのがかば館。やって来ると、想像以上にカバが動き回っており、驚くスタッフ。これが野生のカバ本来の姿なのだという。実はカバのいる水槽には、より野生のカバ本来の動きを見せるための工夫が施されている。元々カバはスロープを歩いて水中に入る展示だったが、スロープをやめて2段の段差があるプールを作ることで、水中に飛び込みダイナミックに泳ぐ姿が見られるように。こうして動物本来の姿にこだわったことでもう一つ実を結んだのが、オスの百吉(モモキチ)とメスの旭子(アサコ)の間に新たな命が宿ったこと。

そして2020年1月に出産。凪子(ナギコ)と名づけられ園内の人気者に。さらに坂東さんは、生まれてからの飼育環境にもこだわっている。子育てしやすいようにバックヤードに親子でいられる多目的室を作り、父親・百吉の個室と凪子が大きくなった時のための子ども部屋まで用意している。ありのままのリアルな生態を見せる“行動展示”の精神は、飼育員が手を貸すことなく、母親が自ら子育てできる環境作りにもつながっていった。動物本来の出産、育児環境を整えることで旭山動物園では100種類いる動物の9割以上の繁殖を成功させている。

2020年に生まれた凪子は園内の人気者!

そして、旭山動物園の名を全国に知らしめた象徴ともいえる“行動展示”がペンギン。「パッと見た時に青空が見えて、水中でペンギンが飛んでいるっていうのを、円柱のアクリルで表現できないんだろうかというところからスタートした」と、語る坂東さん。

水中を飛ぶように泳ぐペンギンたち

今では多くの水族館で取り入れられている水中トンネルだが、当時は日本初の試み。そう簡単には作れなかった。そこで坂東さんは、温度変化があっても伸縮するシリコーン素材の接着剤によるコーティングを提案し、見事成功!そんな画期的な水槽を生んだ経験からもう一つ生まれた水槽が、あざらし館の直径1.5mの円柱水槽。このあざらし館の展示を始めた2004年、瞬く間に話題となりこの年の7月と8月の来園者数は、東京の上野動物園を抑え、全国1位を記録したのだという。

垂直に降りて垂直に上がるアザラシの生態を活かした“行動展示”

今後目指すことを坂東さんに聞いてみると、「昔は動物を見られれば、楽しければいいじゃんだった。それぞれの自然環境の中で本来いるわけで、環境問題とリンクするような何かにつながるような動物園でありたい」と語った。

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写真提供:(C)日テレ

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