【今なら“新章”間に合います】 アニメ『葬送のフリーレン』振り返り記事 10分で分かる「金ロー初回2時間SP 〜旅立ちの章〜」

2023.10.20 18:00

現在放送中のアニメ『葬送のフリーレン』は10月20日の第7話「おとぎ話のようなもの」から新章「アウラ編」がスタート。これを機にentaxでは、これまでのフリーレンたちの冒険を一挙振り返り!金曜ロードショーの初回2時間スペシャル「〜旅立ちの章〜」(9月29日)を見逃してしまった方でも、この記事を読めば「勇者ヒンメルたちの存在」や「魔法使いフェルンとの出会い」、「フリーレンの旅の目的」など、これまでのストーリーが丸っとわかります。

◆「冒険の終わり」から始まる物語

人気のない街道を下る馬車と、遠くに見える王都。4人の勇者一行、ヒンメル、アイゼン、ハイター、フリーレンは魔王を倒して王都へ凱旋(がいせん)していた。「帰ったら仕事を探さないとな…」とつぶやくヒンメル。その様子を不思議そうに見つめるフリーレン。

ヒンメルは「大事なことさ。(魔王を倒した)この先の人生の方が長いんだ」「君のこの先の人生は僕達には想像もできないほど長いものになるんだろうね」とフリーレンに話題を振るが、返ってきたのは「そうかもね」というそっけない一言。彼女は人間の100倍以上の時間を生きる、長寿の種族“エルフ”の魔法使いだ。

勇者一行の4人 (左から)フリーレン、ヒンメル、ハイター、アイゼン

街の人々が祝杯を挙げ平和に酔いしれるなか、夜空には“50年に1度”現れるエーラ流星。フリーレンは「50年後、もっときれいに見える場所あるから案内するよ」と3人に提案。「そうだな、皆で見よう」とヒンメルは笑った。夜が明けると一人、フリーレンは魔法収集の旅に出る。勇者一行の冒険が終わった。

街に建てられた勇者一行の銅像

…それから50年。フリーレンは久方ぶりにヒンメルを訪ね王都へ。街には勇者一行を称える銅像が建てられていた。様変わりした景色に戸惑いつつ、ふと懐かしい声に振り返ると、そこには老いぼれたヒンメルの姿。髪型はすっかりと変わり、つえをつき、背も縮んでいた。その後アイゼンとハイターにも合流し、一行は50年ぶりのエーラ流星を見るために束の間の旅へ。「懐かしいよ。こうしているとあの時に戻ったかのようだ」「美しい思い出の中にはいつも君達がいた」と、ヒンメルはかつての冒険を振り返る。目的地に到着し、満点の夜空に降りそそぐ流星を見たヒンメルは、「僕はね、全員がそろうこの日を待ち望んでいた」「君のおかげで最後にとても楽しい冒険ができた」と、フリーレンに感謝を伝えるのだった。

ヒンメルの葬儀に参列する勇者一行の3人

ヒンメルは寿命をまっとうした。葬儀に参列したフリーレンは共に過ごした数々の思い出を振り返りながら、「人間の寿命は短いってわかっていたのに」「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…」とせきを切ったように涙を流してしまう。ヒンメルを見送った後、残った勇者一行の3人はそれぞれの途に就く。一人旅立つフリーレンに、アイゼンは「魔法収集の旅か?」とその目的を尋ねた。「それもあるけど・・・」と少し口ごもったフリーレンは、「私はもっと人間を知ろうと思う」と、新たな旅を決意していた。

◆フェルンとの出会い、ハイターとの別れ

ヒンメルの死去から20年。聖都での僧侶職をやめ郊外の森で生活していたハイターのもとへ、フリーレンが訪れる。「たくさん借りがあるから、返しに来た」と話す彼女に、ハイターは2つのお願いをする。それは“とある魔導書の解読”と、自身が面倒を見ている少女・フェルンに“魔法を教える”というもの。

フェルンとフリーレン

3人での生活が始まった。フリーレンは順調に魔導書の解読を進め、フェルンは遠くに見える巨大岩を長距離魔法で打ち抜くことを目標に修行を続ける。しかし4年の月日が経ったある日、突然ハイターが倒れてしまう。フリーレンは「傍にいてやってくれ」とフェルンに修行の中止を告げるが、彼女はやめようとしない。

幼いころハイターに命を救われた経験のあるフェルンが「あの方は正しいことをしたのです。救ったことを後悔してほしくない」「1人で生きていく術を身に着けることが私の恩返しなのです」と決意を秘めた目で語りかけるのを見て、フリーレンは修行を続けることを黙認する。

「フェルンを頼みましたよ…」と力なく告げるハイターに、「お前がやるべきことは、あの子にしっかりと別れを告げて、なるべくたくさんの思い出を作ってやることだ」と涙ながらに訴えるフリーレン。「あなたはやはり優しい子です」と微笑んだハイターは、数少ない最後の時間をフェルンと過ごし、やがて旅立った。

遠くに見える巨大岩は、見事に魔法で撃ち抜かれていた。悲壮感なく十分な言葉を交わして世を立ったハイターの墓に、フリーレンは生前の約束通り酒をジャバジャバとかけた後、振り返ってフェルンとの冒険に出発するのだった。

勇者一行との旅でフリーレンが使った「花畑を出す魔法」

◆“変な魔法”を集める、“くだらない理由”

勇者ヒンメルの死から26年後、フリーレンとフェルンは旅を続けながら“「変な魔法」”ばかりを集めていた。「温かいお茶が出てくる魔法」「銅像の錆(さび)を綺麗(きれい)に取る魔法」「甘い葡萄(ぶどう)を酸っぱい葡萄(ぶどう)に変える魔法」 これらは全てフリーレンの「趣味」だと言う。

道中2人は山間にある小さな集落にてある薬草家と出会う。案内された先には、さびて薄汚れた勇者ヒンメルの銅像。フリーレンは薬草家から銅像の修繕を依頼され、さっそく「銅像の錆(さび)を綺麗(きれい)に取る魔法」が活躍したが、一つ新たな問題が発生する。

ヒンメルの銅像の周りに、彼の故郷の花である“蒼月草(そうげつそう)”を植えることを考えたフリーレンだったが、薬草家から「絶滅したのよ。この大陸での目撃例はもう何十年もないわ」と聞かされてしまう。

それから半年が経過しても、2人は蒼月草(そうげつそう)を見つけられずにいた。「このままでは何年でも何十年でも探し続けてしまう」と心配するフェルン。しかしフリーレンは一向にあきらめようとしない。その理由を「私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ」とはるか昔の思い出を振り返りながら明かす。

勇者ヒンメル

執念が実を結び、フリーレンはとうとう蒼月草(そうげつそう)の群生地にたどり着く。「遅くなったね、ヒンメル。これで蒼月草(そうげつそう)の魔法が作れるよ」と、どこか勇者の髪色に似た青紫の花弁を優しく撫でた。ヒンメルの銅像の周りに花を咲かせると得意げな顔をするフリーレン。「これならきっとこの像も忘れられずに済むわ」と薬草家の感謝をあとに、再び旅に出た。

◆蝶々(ちょうちょう)の髪飾り

勇者ヒンメルの死去から27年後、2人が訪れたのは水平線に美しい朝陽が昇る交易都市。旅の必需品を手分けして探そうとフリーレンが提案するが、その怪しげな表情を見たフェルンは「これ、私に何か隠しているときの顔だ」「こういうときはロクなことがない」「決まって余計なものを買ってくるんだ」と尾行をすることに。

アクセサリーショップで豪勢な買い物をするばかりか、おいしいスイーツの店まで探し始めるフリーレンを見て、「さすがにそれはズルすぎるでしょ」と陰からうらやむフェルン。しかし意外なことに、宿で合流したフリーレンから発せられたのは「たまには甘いものでも食べに行こうか」という、まさかのお誘いの言葉だった。

海が一望できるカフェテラスへ連れてこられたフェルンは、これまでのフリーレンの怪しい行動が全て自分の誕生日のためのサプライズだったことに気つく。「フェルン、ごめん」「私はフェルンのこと何もわからない」「どんなものが好きなのかわからなくて…」と自信がなさそうに「髪飾り」の誕生日プレゼントを渡すフリーレン。そんな彼女を見てフェルンは「あなたが私を知ろうとしてくれたことがたまらなくうれしいのです」と微笑んだ。

クヴァールと戦うフリーレンとフェルン

◆「人間」の時間

フリーレンとフェルンは、かつての勇者一行が“強すぎて倒せなかった”という魔物『腐敗の賢老クヴァール』が封印された村を訪れる。クヴァールの封印状態が不安定になっている様子を見たフリーレンはその封印をあえて解き、討伐することを決意する。石化から解放されたクヴァールに、フリーレンはすでに魔王を倒したことを告げるも、敵は気にもとめない様子で「そうか。では敵撃ちといこうかのう」と手のひらを突き出し、「ゾルトラーク」と唱えた。

クヴァールが開発した史上初の貫通魔法「ゾルトラーク」。人類の防御魔法はもちろん、装備の魔法耐性さえも貫通し人体を直接破壊する魔法。この地方では冒険者の4割、魔法使いにいたっては7割が「ゾルトラーク」によって命を落としたと言われている。

絶体絶命かと思われたが、意外にもフェルンが展開した防御魔法はこれをなんなく防ぎきる。「…フリーレン様、これはどういうことですか?」「今のは“一般攻撃魔法”です」と動揺するフェルンに、フリーレンが落ち着いた口調で説明する。

実はクヴァールが開発した「ゾルトラーク」は、自身が封印されていた80年のなかで人間によって研究開発され、一般的な攻撃魔法になりさがったのだという。「80年は人間にとって相当長い時間らしい」と、そう言い放ったフリーレンは抵抗するクヴァールにつえを向け「ゾルトラーク」と唱えた。自身が開発した魔法によって、クヴァールは敗れ去るのだった。

かつて魔王を討伐した勇者一行

◆再び始まる「10年の旅」

勇者ヒンメルの死から28年後、フリーレンはかつての冒険仲間・アイゼンのもとを訪ねる。エルフほどではないが、ドワーフ族もまた長寿の種族だ。ハイターの時と同じように手伝って欲しいことはないかと尋ねたフリーレンは、アイゼンが「大魔法使い・フランメの手記」を探していることを知る。

ハイターと長年文通をしながら、共にその手記の手がかりを探っていたと言うのだ。その理由をフリーレンは何気なく聞いた。「お前とヒンメルがかわいそうだと思ったんだ」と、アイゼンは返した。

「30年前のあの日、お前はヒンメルを知っておけばと口にした。あの言葉はヒンメルに、直接伝えてやるべきなのだ。大魔法使い・フランメの手記には死者と対話したという記録が残っているとされている。ヒンメルのことを知りたいんだろう?だからハイターと相談した。お前はきっと後悔しているだろうから、手助けしたかったんだ」

3人は大樹に覆われた古い遺跡にたどり着く。「1000年も前のことなのに・・・」、そう口にしたフリーレンが大樹の根元に触れると、まぶしい光と共に遺跡への入り口が開かれた。そこにあった、一冊の書物。偽物が多いとうわさされる「フランメの手記」だが、手に取ったフリーレンは「本物だ」と確信を持つ。

実はフリーレンは、大魔法使い・フランメの一番弟子だったのだ。手記にはこうあった。【大陸のはるか北の果て。この世界の人々が天国と呼ぶ場所。魂の眠る地(オレオール)にたどり着いた。そこは多くの魂が集まる場所で、私はかつての戦友たちと対話した】

魂の眠る地(オレオール)があるとされる「北の果て」は、かつてフリーレンたち勇者一行も訪れた「魔王城」と同じ場所を示していた。アイゼンはフリーレンに告げる。「オレオールを探して、ヒンメルと話すんだ。俺を手伝ってくれるんだろう?」 フリーレンは笑って、「悪知恵をつけたね」と返す。

出発の時が来た。アイゼンが「すまんな、長い旅路になる。俺たちは10年かかった」と声をかけると、フェルンははっとする。「そうか、ヒンメル様たちが魔王城を目指した道のりと同じなんですね」、そうつぶやくフェルンに、フリーレンは笑みを浮かべる。「そうだね、たった10年の冒険だよ」

北へと旅だったフリーレンとフェルン。アイゼンの弟子・シュタルクと出会う第5話、第6話の振り返り記事はこちらから。
 第5話「死者の幻影」
 第6話「村の英雄」 

アニメ『葬送のフリーレン』第7話「おとぎ話のようなもの」は、10月20日(金)よる11時「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」にて放送(全国30局ネット)にて放送予定。

©山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

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