NHK夜ドラ『いつか、無重力の宙(そら)で』森田望智「4人のシーンを撮っているとき、私は『素』でいられる」仲良しな天文部4人による座談会が公開

2025.10.27 16:30
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――それぞれ自分の役をどういう人物だと思いますか?
【木竜】
いちばん最初に南野プロデューサーや演出部の皆さんと話していて印象的だったのが、「飛鳥は『誰か拾ってくれないかな』ってみんなが思っているルーズボールを拾い続ける人」という言葉で。私も演じてみてそれはすごく思ったし、「誰かが笑っていない」とか「誰かに何かありそう」ということがすごく気になるし、気をつかう人だなという印象。そこは少し自分自身と近いところでもあって、最終的に役を捉えるときに意識していたかな。

【森田】
飛鳥は何にいちばん気をつかっていたんだろう?

【木竜】
たぶん、人といる空間において、「自分がどの立ち位置にはまればいいか」とか、「どうしたら今この場が円滑に進むだろう」みたいなバランスを常に考えている人だなって。

【森田】
それって麻生ちゃんだ。

【伊藤】
そうだよね。重なるよね。みんなは?

【森田】
ひかりは、台本に「太陽みたいな人」って書いてあって、人の「ここまでしかできない」とか「これ以上は無理」っていう想像の域をポンッて飛び越えられちゃう人なんじゃないかと思って。周りの人たちを巻き込んで、相手の可能性を広げることのできる人。でも、ひかりはみんなに可能性を広げてもらったって意識があるから。それは演じながら発見したことで、すごく面白かった。

森田望智の写真

【片山】
周は、人に甘えられるところとか、自分と似ているところがあるなと思った。演じるうえでいちばん気をつけたのは、喜怒哀楽を強く出したいということ。怒るときはすごく怒るし、悲しいときは一緒に泣くし。特に「泣こう」と思ってなくても、自然に出てくるものがあったりして。「あ、これはきっと周の自由なところが表現できたな」なんて思いながら。

片山友希の写真

【森田】
気持ちが豊かだったよね。ひかりがいろいろと話すとき、周の顔を見たときにぐっと心が揺さぶられたよ。

【伊藤】
晴子は、大人になった天文部の仲間に入ったのは最後だけど、行動するのはいちばん最初だったんだよね。プロジェクトに入ってから、すごく生き生きしてくる。シングルマザーの晴子は、言ってみれば他の3人とは違って、そういう「夢」みたいな場所からいちばん最初に離脱した人。だから、一度やると決めたら、高校生のときから持ち合わせていた「猪(ちょ)突猛進」の部分が出てくる感じ。

伊藤万理華の写真

――あなたにとって天文部とは?
【森田】
4人のシーンを撮っているとき、私は「素」でいられるんだよね。その状態が「好きなことに対して細かいことを一旦何も考えず、夢に向かって一直線に進む飛鳥、ひかり、周、晴子」と似ているなと思って。素でいられる瞬間と、脇目もふらずに好きなものを目指す瞬間って、リンクする気がする。

【伊藤】
大人になると「そのままでいられる場所」ってあまりなくなってくる。でも、同じ年代の4人で同じ年代の役をやってみて、この年齢になって、それぞれがいろいろ体験してきたからこそ、話せることがあるんだなってすごく思った。

【片山】
仲良くなれてよかったよね。

【木竜】
自分が自分のままでいられる4人って感じ。それが天文部なのかな。

【伊藤】
控え室からずっとしゃべっていたもんね。

【森田】
カメラが回る直前までだいたい友希ちゃんがしゃべっている。「あんな〜」って(笑)。

【片山】
めっちゃかわいいやん(笑)。

【木竜】
「ただ話す」ってことが新鮮だった。友希ちゃんが「何気ない話」をたくさんしてくれるんだよね。私が肩が凝ってると言ったらマッサージしてくれて、「このマッサージオイルがいいらしいよ」とか教えてくれた。たぶん私みたいなタイプが4人いたらこんなに仲良くなれなかったと思う。「何気ない話」を発信してくれる人がいて、乗っかってくれる人がいて。だからこんなに仲良くなれたと思う。

【森田】
カメラが回っても、控え室での会話の延長みたいな感じだったよね。だから自分の気持ちがうそをついてない。どのシーンでもうそなく居られて、お芝居みたいな気持ちがしないまま、ひかりのままでいられた。

【伊藤】
たしかに。私もこの4人でいると自然と晴子になってる。立ち位置が、もうそこになっているっていうか。

木竜麻生、森田望智、片山友希、伊藤万理華の写真

【木竜】
すごい仲良しじゃん。

【森田】
そうだよ。大好きじゃん、私たち(笑)。

【片山】
うん。

【伊藤】
というか、対談始まってから友希ちゃんがずっと静かだけど。

【片山】
苦手なんやもん、こういうの(※取材時は番宣番組用のカメラが回っていた)。

【森田】
友希ちゃんがふだんいちばんおしゃべりで面白いのに(笑)。

【片山】
みんなしっかり話してくれているから、私しゃべらんでいいなと思って。

【木竜】
しかも最後の最後に「しゃべらんでいいな」って。

【伊藤】
それが友希ちゃん。

【全員】
(笑)

【木竜】
4人でこんな感じで仲良くしながら、でもお互いちょっとずつ譲れないところは譲らずに気持ちを持ち寄って、たくさん話しながら撮影した作品だった。それぞれ抱える背景も違うので、4人誰かの思いに共感して「ああ自分もこう思うなぁ」と思いを馳(は)せてもらいながら、『いつか、無重力の宙で』を楽しんでいただけたらうれしいですね。

NHK夜ドラ『いつか、無重力の宙(そら)で』
2025年9月8日(月)~10月30日(木)
※毎週月~木(総合)よる10時45分 各話15分 <全32回/8週>

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