飲食店の謎…“元祖”を名乗るお店がいくつもあるのは一体なぜ?東京と大阪のオムライスの超名店でまさかの争いが勃発?

10月21日に放送された『X秒後の新世界』では、飲食店の看板や店名によく見られる“元祖”の謎に迫った。
本番組は日常の中に潜む見逃しがちな謎や不思議な現象を新しい視点で解明・検証し、X秒後に視聴者を新世界へと誘う新感覚バラエティー。今回の放送では、街に乱立する“元祖”を名乗る飲食店について、なぜ本来1つであるはずの“元祖”が複数存在しているのか、真相を追った。
ラーメン、から揚げ、串カツなど、店名や屋号に元祖の文字が刻まれた店は多い。調査のため番組は片っ端から連絡してみるものの、なにか事情があるのか、協力してくれる店はなかなか見つからない。企画が出だしでストップしそうなとき、快く申し出てくれたのは、オムライスの名店だった。
取材を許可してくれたのは、東京・銀座にある煉瓦亭(1895年創業)と、大阪・心斎橋にある北極星(1922年創業)のみ。どちらも古くから愛される老舗洋食店だが、看板メニューであるオムライスについて見てみると、双方とも『オムライス発祥の店』を自称していた。
東と西、名店同士のプライドをかけた検証に、スタジオの熱が高まる。まず東から、煉瓦亭4代目店主の木田浩一朗さんに話を聞いてみると、「煉瓦亭がオムライスを考案しました」と一言。「一番最初はオムレツの練習に卵を使ってたんですけども、そのオムレツの中に自分たちで食べるご飯を混ぜて焼き上げたところ、お茶碗を洗う手間も省けて…」と説明を始めた。いわく、明治33年頃(1900年)に店の料理人が練習でオムレツにご飯を混ぜるようになったことがきっかけだとのこと。番組が調査を進めると、明治36年に発刊されたグルメ小説『食道楽』に“お米のオムレツ”という、似た料理が掲載されていた。
つづいて西、北極星の2代目店主、北橋茂登志さんに話を聞きに行くと、「元祖オムライスで間違いありません」といい、こちらも譲りそうな気配はない。元祖を名乗る理由について聞いてみると、「(むかし)胃の悪い小高さんという雨具屋さんが毎日オムレツとホワイトライスを食べに来られた…」と話し始めた。いわく、オムレツとライスしか食べられない常連を気の毒に思った料理人が、ケチャップライスを卵で巻いて出したことが始まりで、オムレツとライスを足した料理であるから、“オムライス”と命名したという。大正14年(1925年)のことだという。