飲食店の謎…“元祖”を名乗るお店がいくつもあるのは一体なぜ?東京と大阪のオムライスの超名店でまさかの争いが勃発?

2025.10.23 11:00
  • Twitter
  • Facebook
  • Line

年表だけみれば、銀座の煉瓦亭の方が先にオムライスの原型を開発したということになる。しかし北極星の北橋さんは「煉瓦亭さんが最初に作ったのは、オムライスじゃなくてライスオムレツ」と反論。卵がけご飯をオムレツ状にしたものは別の料理だろうという考えを述べた。

これをふまえ、再び煉瓦亭の木田さんに話を聞くと、「ライスオムレツ自体はほとんど表に出ることはなかった」と語る。明治33年の練習用のライスオムレツができた年、銀座のシェフが集まる会合があり、その場でオムライスも同時に生まれていたと主張。明治33年から今のオムライスと同じかたちで提供していたと話した。

議論が平行線となったところで、番組は日本洋食協会会長の岩本忠さんにも話を聞くことに。白黒はっきりするかと思われたが、岩本さんの話した内容は意外なものだった。「今みたいにインターネットがある時代ではないので、それぞれの店で作っていくと、その近辺では元祖。どちらも元祖になりうる」といい、煉瓦亭と北極星、どちらも発祥の店ということができるという。

というのも、こうした現象は“同時発明”とよばれ、科学の世界などでは珍しくもないのだとか。世界のどこかで新しいものが生まれたとき、ほぼ同時期に他の誰かも同じ答えにたどり着く。例えば電話機の発明で有名なアレクサンダー・グラハム・ベルだが、ベルが電話機を開発したのと同じ年、イライシャ・グレイという人物も電話機を開発し、特許を申請していた。ある意味よくあることであり、白黒をはっきりさせようとする番組スタッフについて岩本さんは「考えてもしょうがない…」とコメントをした。

企画の最後、今回取材に協力してくれた2つの店の責任者がオンラインで顔を合わせた。煉瓦亭の木田さんは、昭和10年生まれの北橋さんを見ると、昭和9年生まれで今年亡くなったという先代のことを思い出す。90歳で亡くなったという先代煉瓦亭の主人について、北橋さんは、「店にずっと座っていらしたのを思い出した。お店大事にしてるのをひしひしと感じました」と、以前に煉瓦亭を訪れた際を想起。互いにオムライスや料理を愛する者同士、穏やかな時間がながれ、スタジオでは藤井貴彦が「プロフェッショナル同士リスペクトがありましたよね。これがすごく美しかった」とコメント。感嘆した様子を見せた。

【TVer】最新話を無料配信中!
【Hulu】最新〜過去話配信中!

写真提供:(C)日テレ

1 2

クオカードプレゼントキャンペーン2024

関連記事

おすすめ記事

ジャンル