1万6500円の超高級線香花火!日本でわずかしかいない、花火職人が織りなす起承転結のストーリーにヒロミ「素晴らしい!」と感嘆の声

ヒロミと小泉孝太郎の2人がMCを務める『オー!マイゴッド!私だけの神様、教えます』が9月13日に放送。線香花火の神が作る手作りの花火を紹介した。
道行く人に、その人にとっての神様のような人を聞き、実際に会いに行くこの番組。東京・蔵前で声をかけた創業して40年の玩具花火専門店の店主の神は、線香花火職人の筒井良太さん。筒井さんが作る線香花火の中には1万円を超えるものもあるのだという。創業40年以上の花火屋さんが「あれを超える花火はない」と絶賛。早速神に会うために、工場のある福岡県みやま市を訪れた。
『筒井時正玩具花火製造所』という看板を見つけ、スタッフが中に入っていくと、線香花火の神・筒井良太さんの姿が。作業場を見せてもらうと、中には電気がなく薄暗い。火薬を扱っているため、電気がスパークして事故になるのを防ぐため、明かりやエアコンなどの電源を必要とするものは一切使用しないのだという。そのため真夏の40度を超える温度の中で作業を行っている。

そもそも花火には2種類あり、夏祭りの定番・花火大会の打ち上げ花火。そして、私たちが買って楽しむ玩具花火。手持ち花火や線香花火もその一種。しかし、実は玩具花火の国内製造はわずか10%で、神・筒井さんは貴重な玩具花火職人の1人なのだ。1929 年に神の祖父が創業した『筒井時正玩具花火製造所』。筒井さんは高校卒業後、自動車製造会社に就職したが、「この花火の伝統を絶やしたくない」と祖父や父から技術を継承し、13 年前にこの会社を引き継いだのだという。

筒井さんの手掛ける花火はおよそ50種類。その中でおすすめが『九州炭火』という国内の玩具花火の出来栄えを競う『おもちゃ花火コンテスト』で優勝に輝いた花火。火の粉が使われており、橙(だいだい)色の火花がでるのが特徴の花火。他にも富士山をモチーフにした『花富士』や、原料に様々な金属を添加し、火花の大きさや独特な音を生み出す『金属花火』などがある。そんな中で神の真骨頂が『線香花火』。

そもそも線香花火は、江戸時代初期、京都や大阪など西日本で広まった。当時は香炉に立てる線香に似ている形をしていたことから『線香花火』と名付けられた。その名残から西の線香花火は火花を上に向けて楽しみ、東の線香花火は火薬の部分を下に向けるのだという。東の線香花火を国内で作れるのは神を含めてたった3社で、そして西の線香花火を作れるのは日本で唯一、筒井さんのみだという。

筒井さんの作る西の線香花火は、上に向けて持つのがポイント。さらに少し風があったほうが、火球の温度が上がって火花がでるため、よりきれいだという。西の線香花火がなぜ風に強いのか、東の線香花火は紙で作っているが、西の線香花火は“藁(わら)”で作っているから。しかも筒井さんは藁を確保するために、新規就農して米作りを始めたという。米は藁の副産物みたいなものだと語る筒井さん。田んぼは約4反(4000平方メートル)ほどあり、収穫の仕方は、一般的には収穫しながら藁を粉砕していくが、筒井さんは米を取った後はそのまま長藁で落とし、長いままの状態で立てて2週間ほど乾燥して取り込む。さらにそこから“節”を取りだすために、1本ずつ手作業で抜いていくのだという。

手作業で整えた藁に、にかわ(動物性の接着剤)を煮詰めて固まったものを水に溶かして、火薬と練り合わせてドロドロにした火薬に、藁の先端をつけると出来上がり。火薬から練り火薬にしてつけるまで全て手作業。繊細で難しい作業が必要な花火は、日本全国で手作りできる職人は筒井さんただ1人!

もちろん東の線香花火も全て手作り。包む紙を裁断、染めるところから全て筒井さんが手作業で行っている。和紙に包むのは神が独自で配合した火薬。30年以上寝かせた宮崎県産の松から取った松煙と硫黄などを混ぜて作っている。重いと火球がすぐ落ちてしまうため、火薬の量は0.08グラムに決まっている。

巻き方のコツはしっかり空気を押し出し、固く縒る、特に火薬の部分は硬く固く縒る。空気が入ると一気に火がその中で回って、球ができずに煤(すす)になってしまう。しっかりゆっくり燃えていくためには、固く空気をしっかり抜いて作ることが大事なのだという。

神・筒井さんの作る手作りの線香花火は、なんと年間20万本以上売れている。そしてインタビューで花火屋さんが話していた線香花火が、税込み1万6500円の『花々』。花の形をした日本一高価な線香花火だが、その理由は、地元の本当にいいものだけで作ったため。紙は八女の手漉き和紙を使って、草木染で染めている。花びらの部分が手持ち部分になっており、1枚の花びらが1本の線香花火になるのだという。桐(きり)箱は2段になっており、近くの大川木工のろうそく立てと、九州産のハゼの実からできた和ろうそくもセットになっている。

神がこだわり抜いた和紙で作る『花々』は、4段階に変化する起承転結のストーリーを楽しむことができる。起が蕾(つぼみ)、承が牡丹(ぼたん)、転が松葉、結が散り菊。そして燃え尽きた後も美しい。

スタジオのヒロミは「素晴らしい」と、職人が織りなす唯一無二の線香花火に感嘆の声を漏らす。西と東で線香花火に違いがあることを知らなかったヒロミと孝太郎。「買ってきてくれてるんでしょ?ね?ですよね?こういうの見せるんだから」とスタッフに聞くが、残念ながらスタジオで楽しむことはできなかった。
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