14年間支えたLinQのセンター髙木悠未卒業ツアーの涙の理由…新体制初日の想いとは「加入10年目にして“本当に新しいLinQ”が始まる」【1万文字ロングインタビュー】

福岡を拠点に活動するアイドルグループ『LinQ』。14年間“LinQ一筋”で走り、センターとして支え続けた一期生の髙木悠未が8月9日、自身の卒業ツアー『YOU~END~ME』の最終公演@ベスト電器天神eホールにて、“14年のアイドル人生”に幕を下ろした。その翌日、“新体制LinQ”となった初日に、メンバーの海月らな、黒田れい、有村南海、森斗咲羽、華山あかり、橘杏來、織多莉鈴に独占インタビュー。卒業ツアーで髙木から学んだことや自身のハイライト、さらに、それぞれの涙の理由とは──。そしてついに動き出す“新体制LinQ”としての目標を語る。
━━『髙木悠未卒業ツアー』で感じたこと・学んだことは?(卒業ツアーライブレポートはこちら)
織多莉鈴:今回のツアーで、悠未さんの想いを知ることができました。悠未さんが描いたLinQの未来を私が受け継ぐという気持ちを学びました。私は、初めて披露する曲も多かったので、“魅せ方”も大事にしているんだなって…本当に学ぶことが多かったです。そういうところ含めて、改めて悠未さんがチャンスをくれているんだなって深く思えたツアーでした。
━━髙木さんのメンバーカラー・パッションピンクになりたいと仰っていましたが…今日の私服もピンクですね
黒田れい:それ“さくらピンク”じゃない?(笑)
海月らな:誠意がまだまだ足りん!(笑)
織多:やばい!徐々に濃くなっていきたいと思います(笑)

橘杏來:私は、悠未さんの卒業ツアーを通して本当に悠未さんの偉大さを感じました。他のメンバーよりも悠未さんと過ごす時間は少なかったけど、この期間でぎゅっと濃く学ばせていただいたので、これからの“新体制LinQ”で活動していく中での、自分の糧になりました。一期生というLinQの創設メンバーがいなくなってしまったけど、いい意味で“違うLinQ”“新しいLinQ”になるんじゃないかなと思っています。
━━横浜公演では、髙木さんの言葉に思わず涙が…
橘:私は泣いたら言葉が出なくなるので、今まで人前では泣きたくないって我慢していたんですけど…あの悠未さんからのメッセージは…やっぱりだめでした(笑)昨日もMCで悠未さんに話す時間があったので、めっちゃこらえてたんですけど…やっぱりだめでした(笑)
黒田:裏にはけて替え玉コール(アンコール)がきた時、杏來(橘)が角で泣いていて「今!?我慢してたんやね」って(笑)
橘:みんな泣き終わった後だったのに、一人でめっちゃ泣いてました(笑)

華山あかり:私は今回のツアーで、悠未さんには“悠未さんだからこその素敵な景色”を見させてもらったなと思っています。練習の時も悠未さんの“14年間の背中”を感じられました。悠未さんからもらった“次に受け継ぐという想い”をしっかり受け継いで、新体制のLinQでもファンの方に素敵な景色を見せられるよう、このツアーで学んだことを活かしていきたいです。
━━髙木さんが華山さんによくかける言葉「自信を持って」。最後は「自信を持つことも大事」と背中を押す“最後の教え”のように感じました
華山:悠未さんにもファンの方にも「あかりちゃんは自信を持っていればもっと強いよ」って言われることが多くなりました。自分でも「めちゃくちゃ自信をつけたら、もっと変わるんだろうなぁ」って思うんですけど、いろんなことを考えてしまうんです…。でも、自信がないことで自分の長所を下げているとも思っているので、ちょっと時間はかかるけど、もっとポジティブに、いい考えをできるようになって…新体制では“自信をつけた華山あかり”を見せられるように頑張りたいです!

森斗咲羽:私は「最後のツアーだから、アイドル姿の悠未さんを目に焼きつけておきたい」っていう気持ちがありました。例えば、ライブ中の立ち位置で悠未さんが前に来た時に見ていることが多かったんですけど、改めて悠未さんを近くで見ると「表現力が全然違うな、やっぱりすごいな」「こんなふうに体を使ってるんだ」と思うところがたくさん見つかりました。
Zepp公演に向けてOGの方が集まったんですけど、“LinQの歴史”を近くで感じられました。遠い存在で、“偉大な過去のLinQ”みたいなイメージがすごくあったんですけど、改めて見ると「これが本当のLinQだったんだなぁ」という気持ちになりました。このツアー、そして悠未さんを通して本当にたくさんのことを学びました。
━━ 髙木さんの表現力で一番学んだ楽曲は?
森斗:『絶対Alright!』の最後「キミが好きだよ Alright!」の後「Hey!」のところに合わせて、悠未さんが(肩と首を動かしながら)「Hey!」ってしていて!(悠未さんは“音はめ”を意識しているから)「そこも音取るんや!」って…
海月:そこ!?(笑)
全員:(笑)
森斗:レッスンで「音をよく聴いて」ってめっちゃ言われてたんですよ。でも「Hey!」までは考えてなくて…「なるほど、ここもか」ってわかった気がします!

有村南海:私がLinQに入った当初、正直悠未さんがLinQをこんなに続けてくれるとは思っていませんでした。卒業ツアーという悠未さんの最後の大切な時間を一緒に回って、悠未さんのいろんな気持ちや、たくさんの人に尊敬されているのを知れました。OGの方々が集合した時、悠未さんを悪く言う人が一人もいなかったんです。悠未さんが見えていないところでも、尊敬できる部分がもっと増えました。悠未さんの気持ちも受け継いで、これからのLinQに活かしていきたいと思いました。
でも「これからはそんな偉大な一期生の方がいなくなるんだ」ということもたくさん考えてしまったツアーでした。
━━最終公演ではこれまで以上に感情があふれていましたね
有村:10期生はまだまだ新人だったんですけど、最近は後輩も増えたので、そういう面でだんだん悠未さんに近い存在になっていった時「ちゃんとしなきゃ」っていう気持ちがすごく芽生えていて。だから、ずっと涙を我慢していたんです。
悠未さんとご飯に行く時も、悠未さんの顔を見て話すと涙が止まらなくなるんですけど…昨日はそんな時のことやこれまでのことを思い出したりして…いろんな感情が混ざって、声と共にすごく涙が出ちゃいました(照れ笑い)

黒田:私は、悠未さんの卒業ツアーを通して「悠未さんはやっぱりLinQに欠かせない存在だな」って改めて気づかされました。悠未さんがいるだけで空気が変わるというか…やっぱり一期生・大先輩というのもあって、練習でもライブでも、悠未さんが存在するだけで雰囲気や空気感が違うんですよね。「こんなに近くに、こんなにも愛があってすごい人がいるんだ」っていうのを、頭で考えるというよりは身に感じたツアーでした。
これから悠未さんがいなくなった分、どう補えるか、どう超えていくかを考えていかないと、LinQは続かないと思っています。みんなそれぞれ違う角度から悠未さんを見て学んだことがあると思うので、絶対新体制に活かしていきます。

━━昨日のMCで“髙木さんとのすれ違い”が「悔しかった」と仰っていましたが、その言葉や想いからリーダーらしさを感じました
黒田:みんなツアーへの気持ちはすごくあったんですよね。悠未さんの卒業を絶対に成功させたいし、先輩方も集まってくださったりしていたので。そのLinQへの愛、想いを届けたいのに、なんか変に空回りしちゃって、気持ちが届かなくて…みたいなことが、特に遠征の時に多かったんです。悠未さんとの気持ちのすれ違い、練習でも会えない時のすれ違いが起きて、最終的に悩ませちゃってたなって考えたら…リーダーとして悔しい気持ちでした。
━━7月30日のAKIBAカルチャーズ劇場でのオープニングアクトでは、皆さんの熱い想いを感じました
有村:あの時は、普段のライブとは全然気持ちが違いました。最後に悠未さんがあれだけたくさんの人を集めて、そのオープニングアクトとして出演させていただけることのありがたさでいっぱいでしたし、みんな普段より緊張もしていました。
実は前日…悠未さんに気持ちが伝わらなくてちょっと涙したところも…正直ありました。ライブ前も「私たちは気持ちを伝えられてない」ってことに改めて気づかされた時間だったんです。本当にもうラストなのに、あの瞬間「すごく悔しい」って気持ちになりました。でも、あの時間があったから、最後に悠未さんが伝えてくれた気持ちがあったからこそ、最後の8月9日は今まで以上の気持ちで臨めたと思っています。

海月:私は、今回の卒業ツアーで「これがLinQのセンターだ」という背中をはっきりと見せつけられたツアーでした。IQプロジェクトは代々、卒業されるメンバーに『感謝状』が送られるんです。そこに「センター」の言葉が入っているのは私自身初めて体験しました。

海月:今この体制になって“LinQのセンター”は作っていなかったけど、二期生の伊藤麻希さんがZeppに立つ時「髙木悠未の卒業だから立つ」っていうポストをされていて、その言葉に響いたファンの方も多かったように、私も「見えないセンターでいてくれたな」というのをすごく感じました。だからこそ、いつもみんな悠未さんについて行った。それはリーダーではない何か違うもので引っ張ってくれていたのが、その“見えないセンター”だったんだなって改めて実感しました。
悠未さんが卒業した今、悠未さんの分をメンバーそれぞれが2.5倍ずつ頑張れば補えると思うんです。センターでいてくれた悠未さんの分を、みんなが取り合ってほしい。私は永遠の端で支えさせていただくので…その山笠の上に誰か乗ってほしいです(笑)
━━最終公演で「最年長引き継ぎます」という言葉が出ていましたが、最年長としての想いを教えてください。
海月:私はIQプロジェクトのグループ『Hello Youth』や『MAGICAL SPEC』、研究生などの先生もしていたことがあって、そこで私がいつも注意したり大事にしていることは「ここは学校じゃないよ」。私自身、同期が数か月で辞めてしまった経験もあって「仲良しこよし」でLinQをやってきたことはないんです。ずっと仕事だと思って活動してきました。先輩といる時間は、楽だけでは無いかもしれないけど、それ以上に得るものがすごく多いんです。それをこの事務所で12年間学ばせてもらったので、みんなにも伝えていきたいです。
