14年のアイドル人生に終幕…LinQのセンター髙木悠未、活躍と苦労を知る家族の手紙&メンバーへのサプライズに涙

LinQ・髙木悠未の卒業ツアー「YOU~END~ME」の最終公演が9日、髙木にとって思い出深い会場『ベスト電器天神eホール』(福岡)で行われ、14年にわたるアイドル人生に幕を下ろした。終演後のオフィシャルインタビューも掲載。
2011年4月のLinQ結成と同時に一期生としてデビューした髙木。この日までの5229日間で立ったステージは実に延べ2202回。一年前の卒業発表からも全国を駆け巡った彼女が最後に選んだステージは、結成当時から毎週末延べ1000回以上の定期公演を行っていて、髙木としては今回で通算652回目となる福岡の中心部にある天神ベストホール(当時)こと、ベスト電器天神eホール(数字は全て事務所調べ)。そんなLinQ、そして髙木悠未自身にとって思い出の場所での開催とあってチケットは“即完売”。会場は開演前から、卒業公演の淋しさを上回る熱気に包まれていた。
天井からのスポットライトに一人、照らされたセンターの髙木がゆっくり腕を上げ、出だしから一気に盛り上げる初期の代表曲『シアワセのエナジー』から始まったライブは、4月に発売された最新アルバム『TO YOU~LinQ 第五楽章~』に収録されている『FANTASTIC WORLD』、髙木作詞の『おべんとう』、そして同アルバムのリードトラック『TO YOU〜にゅーあらいばるはーと♡〜』と、通称“令和LinQ”らしさ全開のパフォーマンスを見せつけた。


この日の特別衣装に身を包んだ髙木は、卒業公演にこの地を選んだ理由にLinQとして1000回以上公演を重ね、またLinQとしてではなくIQプロジェクト研究生やLinQ KIDSとしてステージに立ったメンバーがいるなど、現メンバー、そしてファンにとっても思い出の場所と説明。「いろんなユニット曲をどうぞ」と髙木の曲紹介に続いてQty曲『telephone』『LaLaLa -Qty version-』、Lady曲『My Letter』『No Lady,No Life』を披露、LadyとQtyの曲を織り交ぜる、当時のベストホールの定期公演を彷彿とさせる構成で新旧のファンを楽しませた。
続く「カラフルデイズ」の後で髙木と海月らなが二人きりになると、ここで髙木へのサプライズとして家族からの手紙を海月が代読。特に、モーニング娘。の9期生オーディションの最終審査を通過できず、それがきっかけで東京ではなく福岡でオーディションを受けてLinQに入った過程、そしてその後の活躍と苦労を目の当たりにしてきた母からの手紙には、時折涙も見せるなど、髙木も感無量の面持ちだった。

その流れでステージに一人になった髙木は、最後のソロMCで最初に家族への感謝を述べると「学校で過ごしていたら出会えなかった素敵な方たちにたくさん出会えました」「すごく宝物だったなっていう思い出がいっぱいあります」「本当にこれがラストのステージということで、最後はこの今日集まってくださった濃いLinQファンの皆さんに届くよう歌います」と会場のファンに向けて語り、今回の卒業ソングである「タカラモノ」を独唱。二番からは他のメンバーも登場して、卒業を惜しむかのように全員で熱唱した。

「FRONTIER」に続いて流れた「未来日記」の二番で、今度は髙木からメンバーへのサプライズとしてそれぞれのメンバーに向けたメッセージが流れると、ステージ上で号泣するなどメンバーは感激。その後の本編最後のMCでは、メンバーの髙木への思いを皆涙ながらに語る一方で織多莉鈴が「いつか絶対にパッションピンク(髙木のメンバーカラー)になります!」と宣言するなど、LinQらしく笑いも交えていた。また四代目リーダーの黒田れいは、今回の卒業公演ツアーで高木を悩ませてしまってことへの悔しさを語る一方で、「言葉の大切さだったり、人との関わり方だったり教えてもらったことがいっぱいあるから、これからのLinQに活かして8月24日の(新体制)初ワンマンライブを頑張りたいと思います」と、明日から新体制となるLinQを引っ張る意気込みを、力強く語った。

「これからのLinQ、期待できそうですね!」と髙木が締めくくり本編は終了したが、ファンからの替え玉コールが場内に響くとメンバーが再び登場。2019年に行われたセンター争奪戦を勝ち抜いて返り咲きを果たした、髙木にとって思い出の曲『LOVEBOMB』に続いてこちらも2019年の楽曲『絶対Alright!』、最後は“令和LinQ”の代表曲『お知らせします、君を好きになりました』で会場を一気に盛り上げた。
ここでLinQの卒業公演恒例のセレモニーがスタート。ファンからのプレゼントに続いて、メンバーからは髙木仕様にアレンジされたマイクと、今日の高木の一日限定の衣装と同じ素材がカバーになったアルバムがプレゼントされたが、あまりの出来栄えに本人も驚いた。
続いて初代リーダー上原あさみ、二代目の天野なつ、三代目の吉川千愛をはじめとしたOGたちが登場。代表して天野が「私たちもすごい思い入れのあるホーム、ベストホールで最後の悠未が見れてよかったです。OGはそれぞれいろんな活動をしていますが、やっぱり原点はこのLinQなので、14年間も続いているのは本当に悠未のおかげだと思ってます。今日まで本当にお疲れさまでした。ありがとうございました」と挨拶を述べ、卒業ソング「タカラモノ」を使った特製のオルゴールをプレゼントした。
セレモニーの最後はおなじみ、事務所スタッフからの感謝状と花束の贈呈。「一期生のアンカーとして、歴代67名のメンバーとともに今日まで懸命に走ってきてくれました」「あなたは、いつしかグループのセンターというだけでなくメンバー、ファン、スタッフ、関係者、LinQに関わる全ての人の笑顔の中心、センターになっていました」「LinQレジェンドセンターとFamiLinQ国宝として勝手に名を残し続けるとともに、LinQから福岡のセンターを取るべく本日よりタレントとして活動することを命じます」といった最後の一期生となった髙木への長文の感謝状がスタッフから読み上げられた。

最後のMCで髙木は「卒業を発表した9月からこれまで、枯れるぐらい絞り出した言葉をいっぱい出したのでもう出てこないと思ったけど、会場で皆さんの顔を見ると溢れ出る言葉がいっぱいありました。それはやっぱり一年の中で私なりにいろんな経験があって、伝えたい思いとかがどんどん溢れてきたんだなと思いました。本当に今日のこの景色を見て、そしてこのメンバーを見て、大切な仲間ができたことが私にとって人生の宝物になりました。今日は皆さん、本当にありがとうございました」と笑顔で締めくくった。

しかし別れを惜しむ、本人がピンクマンと呼ぶ髙木悠未ファン名称を中心に再び替え玉コールが場内から沸き起こり、メンバーが再度登場すると最後はLinQの定番でもありおそらく髙木が一番披露したであろう『for you』で会場を再び盛り上げ、最後のライブを締めくくった。LinQ、そしてアイドルとして最後の曲を終えた高木は「『for you』ってちょっと長いと思っていたけれど(笑)、今までで一番早い『for you』だった」と最後まで会場を笑いに包んで、2時間を超えた卒業公演は笑いで幕を閉じた。


LinQは15周年ライブとして来年4月25日に福岡市民ホールでの公演を発表済み。また「キャパ2,000人完売を目指して“2,000の輪”を繋ぐ定期公演、始まります」と題した定期公演を今月24日からスタートするなど、新体制のLinQの活動にも注目。
一方の髙木は既に100円ショップ「DAISO」でお馴染みの大創産業、そして福岡を代表する名店「博多華味鳥」のアンバサダー就任に加え、9月に行われる「宮地嶽神社秋季大祭」に第52代祭王としての出演も発表されるなど、早くも今後のタレント活動が続々と決まっている。
自身がよく口にする「終われば始まる」の言葉通り、LinQを卒業した今日この日から、“LinQのセンター”から“福岡のセンター”を目指す髙木悠未の新たな挑戦が始まる━━
