堂安律 「俺って商品なんや…」高額移籍金で交渉決裂に落胆と怒りの過去を告白もチームの愛情に感謝
2025.8.4 11:00「ヨーロッパ来て思ったのは、俺って商品なんや、みたいな。一人一人の選手に価値が付けられて」と話す堂安。そう気づいたのはFCフローニンゲンに移籍して2年目に、ロシアの強豪クラブ・CSKAモスクワからの移籍オファーが届いたことがきっかけだった。堂安は乗り気であったというが、フローニンゲンは1200万ユーロ、現在の価値で約20億円という高額な移籍金を提示し、交渉を決裂させた。チームの方針から自分の思いが通らず、今度は移籍の話が完全になくなってしまったことに当時の堂安は「ふざけんな、お前らが行かせたくないだけやろ」と、落胆と怒りの感情を抑えられなかったという。

プロサッカーはビジネスであり、この決定にはチームの経営的なもくろみはもちろんのこと、個人の希望が簡単に通る世界ではない。ただ、それだけではなかった。堂安は交渉決裂後、一時期はチームに反発的な態度をとるようになり、精彩を欠いたプレーをしていたというが、そんな自分をチームは見限らなかった。当時の監督、ダニー・バイス氏からは「まずは頭の中を整えろ。移籍のことを考えすぎのは良くないし、それがプレーにも影響してしまう」というアドバイスもおくられ、チームは根気強く堂安が立ち直るのを見守ってくれた。
自暴自棄になった自分を見捨てず、将来のことも考えてくれるチームを見て、堂安はFCフローニンゲンが、ビジネスだけでなく、選手のことも最大限に考えてくれていることに気づいたそう。「僕のために(チームが)決断したところも正直あったと思うし、FCフローニンゲンからしたらロシアに行くよりもオランダから5大リーグに行く方が絶対に良いと思ってた。フローニンゲンが愛情くれてたにもかかわらず、僕はそれを分からず、ただただ拒否したって受け取っちゃってて」と、当時の自分の振る舞いを反省するように語った。
その後、「自分の価値を上げるためには結果を残さないと」、そうした思いから徹底的にゴールにこだわるようになったという。シュート力の向上に励み、フローニンゲン時代はゴール数だけで見ればそれほど多くないが、“ゴラッソ”と称されるようなスーパーゴールをいくつも決め、ファンたちを熱狂させた。
街中を歩いていると、堂安に気づいて地元のサポーターたちが声をかけてくれ、堂安の存在がファンの記憶に強く刻まれていることがうかがえる。堂安は「ヨーロッパのサッカービジネスで“堂安律”を確立させていくのが固まった感じがあった。僕が今ここにいるのは、フローニンゲンで戦ったから」と、改めて自分を成長させてくれたフローニンゲンへ感謝の言葉を口にする。そして最後には「ブレずに僕は、自分の夢に向かって、いい意味でわがままに突き進んでいきたい」と、意気込みを新たにした。
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