カズレーザー 試験管で作られた脳を移植できる時代に? 医学に革命をもたらす、人口脳みそ『脳オルガノイド』とは

2024.5.8 10:15

カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が5月7日に放送された。今回は『不老不死研究の最前線』をテーマに、『老いた脳を入れ替える!? iPS細胞で作る脳オルガノイド』という講義で、関西医科大学医学部・六車恵子教授が、現在の医療では再生不可能とされる脳ついて、機能を失った脳を復活させられる可能性がある、最新研究を紹介した。

六車教授は、はじめに『脳オルガノイド』について、「試験管の中で育てられた脳」と簡潔に紹介した。“オルガノイド”という語は、英語で臓器を示す“オルガン”(organs)と、「~のようなもの」という意味の“オイド”(oid)を合わせた造語だといい、つまり、人工の臓器を意味する。脳に限らず他の臓器もあるそうで、例えば腸のオルガノイドは、潰瘍性大腸炎に対する治療として、人に移植された例もあるのだとか。ただ脳の移植となると話は違う。コットンの西村が「脳の移植は不可能なんじゃないですか」と思わず質問すると、六車教授も同意。「今のところ全く不可能」と断言する。しかし2022年、スタンフォードの研究者たちが、驚きの研究を発表したのだという。

その研究とは、ネズミの脳の中に人間の脳オルガノイドを移植したというもの。新生児の段階で移植し、特に異常な行動も示さず成長。やがて脳全体の6分の1程度の大きさにまでなり、ネズミの頭の中で問題なくネットワークを構築したと紹介した。六車教授によればこの研究は、脳オルガノイドを使えば、脳のダメージを受けた部分を置き換えることができる可能性を示すものだという。

脳オルガノイドはiPS細胞のような、あらゆる細胞になれる万能な細胞、多能性幹細胞によって作成され、また培養条件を変えることによって、大脳や海馬など、さまざまな部位を作ることができる。六車教授いわく、胎児の時に脳は前方から形成されるため、小脳や脊髄など、後ろに位置する部位を安定的に作ることは現在ではまだ難しいとのこと。しかし実用化されれば、傷ついた部分への移植のほかにも、人の体で臨床実験を行うことがまだ難しい薬の効果を試すことが可能になるとし、新薬の開発や病態の解明など、医療が飛躍的に進むことが予想されると話した。

実際、すでに脳オルガノイドを用いた研究は様々な場所で行われており、慶應義塾大学の研究チームは2022年、脳オルガノイドの脳の神経のつながりを壊すことでアルツハイマー病の症状を引き起こす因子を発見。またアメリカ・インディアナ大学の研究チームは、脳オルガノイドとコンピューターを接続し、日本語の音声認識に成功したという。ヒトの脳は、コンピューターより少ないエネルギーでより複雑な情報を処理できる。そのためこうした研究の結果を受け、処理速度もエネルギー効率も異次元のスペックを持つ“バイオ・コンピューター”の実現も期待されているという。

講義を終え、カズレーザーは番組を総括。「1個1個なんか、不老不死に近づいてるのは体感できた」とし、「老化を抑えられて、脳みそをある程度悪くなった分、取っ替えていけるんだったら、なんか簡単に第二の人生味わえそうでいいですね」と日々進む研究に期待のコメントを寄せた。

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写真提供:(C)日テレ

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