紅ゆずるが宝塚入学試験での俳句にちなんだ秘話を語る~新ドラマ『俳句先輩』記者会見で一句、原作者も絶賛!

2023.5.26 12:00

元宝塚トップスターの紅ゆずるが主演する日テレプラス・ひかりTV共同制作のオリジナルドラマ『俳句先輩』が5月27日(土)よる10時から一挙放送される。放送を記念して先日、記者会見が行われ、共演する寺坂頼我、原作の俳人・堀本裕樹とともにイベントに出席した。さらにentax取材班は主人公の『俳句先輩』を演じる紅ゆずるに独自にインタビュー。ドラマの見所や共演者とのエピソード、実は宝塚音楽学校の入学試験でも披露していた縁のある俳句への思いなどについて聞いた。

■紅ゆずるがドラマ『俳句先輩』に込めた思い

『俳句先輩』というドラマは、春夏秋冬、季節をとても大切にしております。このご時世、パソコン、携帯、いろんなデジタル機器がいっぱいあって、皆さんブルーライトと会話しているんじゃないかと、電車に乗ってもみんな携帯を見ているし。そんな世の中だけれど、山を見たり空を見たり、空を見て美しいなと思える心がないと演技はできないと宝塚のときに学んでまいりました。ささいなことに気づける気持ち、感情、そこに気持ちを持っていけることが人としてとても大切だと強く感じております。

主人公『俳句先輩』を演じる紅ゆずる

ドラマ『俳句先輩』は「暦とともに生きている」が口癖の区役所の特命リーダーが、俳句で重要な季語をキーワードに、日本の美しさや暮らし、文化を再発見していく物語。重要な役どころとなる“猫”を俳人でもある俳優の小倉蒼蛙(小倉一郎)さんが演じ、俳句好きも満足する解説を披露する。

■紅ゆずる「純粋な恋がしたい」という思いを込めて

イベントでは、紅ゆずるが春の季語『猫の恋』を使い、即興で俳句を披露。

「猫になる いつか私も 猫の恋」 猫の恋は猫自体が恋をしているじゃないですか。だから私もいつか猫のような純粋な恋がしたいなという思いで詠みました。

紅ゆずるの俳句について、同席したドラマの原作の俳人・堀本裕樹は「特選!」と太鼓判を押した。

実は宝塚の入学試験でも俳句を詠んでいた

■紅ゆずる×entax独自インタビュー

――『俳句先輩』はどんなドラマなのか、主人公の俳句先輩を演じたお気持ちは?

ドラマは『俳句先輩』というだけ俳句のドラマなんですけど、俳句を本当にご存じの方、ご趣味にされていらっしゃる方、または全く俳句に興味のない方、ものすごく興味ないという今まで俳句とは無縁の生活を送ってこられた方にも絶対楽しんでいただけるドラマなんですよ。俳句先輩という役は「暦とともに生きている」という決めゼリフがあるぐらい季語、今回春なので春の季語以外のものは口にしない、言わない、聞かない、見ないというぐらい暦とともにそのままその通り生きているんですね。とてもクレイジーなぶっ飛んだ先輩なんですけど、その中でぶっ飛んでいるからこそ空回って自分でセーブがきかないというか、俳句への熱が。セーブがきかないまま突っ込んじゃったり、急に引いたりというのがある人なので、かなりコメディーなんですけど、先輩の気持ちもわかっていただけるドラマになっているんじゃないかなと思います。

――俳句先輩はご自身と近いキャラクターですか、それとも…

近いところと、もちろん似ていないところもありますね。近いところで言えば、私も、めっちゃハマるとハマるんですよ、何かにハマると。例えば新撰組に一時期めちゃくちゃハマって、そのときは新撰組の屯所に休演日ごとに行くとか、新撰組の法被を着るとか、かなり新撰組づいていたときもあったりとか、ハマったらズドンといくんですけど。似ていないところは、人に対して強要する。先輩は俳句を、暦とともに生きているので近くにいる男子くん(寺坂頼我さん)に春の季語以外のものを食べるなとか、そういうことを圧で強要するんですよね。それは私はしないかなというところで、大いに勧めはしますけど、強要はしないです(笑)

――実は、宝塚音楽学校の入学試験で自作の俳句を詠んだそうですね?

宝塚をなんとしてでも、私高校2年修了で受けているんですけど、この一発合格を狙っていたんですよ。この1回しか受けられなかったんです私。なので、この1回で受かるためには要は3次試験、1次2次3次とあり3次試験に面接のみなんですね。このときに試験官の先生方がいろんな質問をしてくださる。このときにすごく私に対しての関心と印象を持ってもらおうという策略だったんです。なんて簡単な策略(笑)だけどすごく難しいと思うんですけど、3次までいかないと意味がなく。3次試験の前日に、明日印象的なこと何かないかなとずっと考えたところ、「あっ! 俳句や」ってなぜか俳句にいってしまって。私の父親がすごく俳句に興味があるんですね。五七五の響きは自分の中でずっとあったんでしょうね。それで俳句を詠もうと思いまして、もちろん学生時代に俳句は季語が必要なんだと習っていたんですけど、そんなことはどっかに行っちゃっていたんでしょうね。五七五で今の自分の気持ちを先生方に言おうと思って、実際言おうとしたときに忘れちゃって。「なんだったっけな…」ってずっと考え、「もう忘れちゃったかな」と先生方もおっしゃっていたんですけど「忘れるわけないじゃないですか! 昨日考えたんですよ! 絶対思い出しますから!」って踏ん張り、なんとか言ったんですねという、とんでもないエピソードがありまして、その次の年から宝塚の受験は特技という欄が増えました(笑)今もあるそうです。

宝塚音楽学校の入試から俳句には縁があった

――宝塚音楽学校の面接で披露した俳句とは?

「明日の朝 うれし涙か 悲し泣き」です。季語全然ないでしょ。いいこと考えたと思って、あれで突っ込もうと思った自分の心情をもう一回聞いてみたいですね。

――当時の俳句を今採点するなら何点?

俳句のレベルとしては全く季語も入っていないし、たぶん下の下の下だと思うんですけど、私の中では宝塚に受かっても落ちていても、もちろん受かりましたけど、落ちていたとしても私の人生の中では最大のターニングポイントだったと思うんですよ。入団したときのきっかけの試験、もし失敗していたとしても、あれだけの緊張感の中、あれだけの人数の中17歳の女の子がそれを言うのはすごい勇気がいることなんですよね。どうせ宝塚難しいし落ちてしまう世界なんだから、思いっきり派手にやって落ちようと思ったんですよ。絶対受かるってどこかで信じながら、もしかしたらという思いがあり、なんだか後悔したくなくて、やってしまえ! という精神で投げやりではなく自分の情熱を持ってやったものなので、俳句としては私は100点かな。17歳の子が考えた、しぼり出し勇気を持った俳句かなと思います。

――『俳句先輩』を演じる上でこだわっている点は?

俳句の話なので、とても説明ゼリフがめちゃくちゃ多いんですよ。要はこの俳句はこういう意味で誰が詠んだとか、言ってみると“うんちく”ですよね。すごく多いんですけど、これをすらすら何となく言ってしまうと聞いていて「ふーん」という感じだと思うんですね。いかに自分に酔いしれるかというところがポイントだったんですよ。情熱的に語るだけではなくて、俳句先輩という役は自分が俳句に没頭してハマっている自分がものすごく好きなんですよ。説明をしているときによくわからない優越感に浸ったりとか、先輩の心情、役が最大に見せられるところがそこかなと感じたので、人と違う観点を持っているというか、緩急の一つとして、とても優越感を感じているときの俳句先輩を重点的に考えたところからの足し算引き算をしながらの役作りでした。

初共演の俳優・寺坂頼我さんとは息ピッタリ

――『男子くん』役の寺坂頼我さんと初共演して

本当に恵まれました、私がとても。演者としても実力もおありですし、現場の雰囲気作りとか人に対する思いやりとか気遣いが本当に素晴らしい方なので、とても自分自身にも、すごく年下の方ではありますけど、すごく勉強になりますし、自分が演じる上でも「私こういうふうにやってみようと思うねんけどここ」って言って、台本でミーティングを勝手にしたりとか、休憩時間に「私こういうふうに言ってみるわ」とか言ったりしても「ぜひぜひ!」とか「僕じゃここ変えてもいいんですか?」ということをちょこちょこしながら監督にも聞きながらできたので、自分の中でもんもんと考えている時間はなくて、セッションをすごくできたということは本当に感謝しています。

――撮影中や合間の印象的なエピソードは?

実際芸能活動をなぜし始めたのかとか、これからどういうふうになっていきたいのかとかをお互い話したりとか、初対面の人に話す内容じゃないなという話をガッツリしているんですよ(笑)彼のどうせ無理だと思うんですけどと言うんじゃなくて、「僕こうなりたいです!」と言い切れる真っすぐな気持ちがとても心地いい。それだけ情熱を持っていることって、自分もそれに近いものが宝塚に入りたいときとか宝塚中とか、今もそういうものはありますけど、すごく重なる部分があるので「わかる、わかる」ってお話を聞いて、高め合っていける人やなって思いました。

【紅ゆずる Profile】
8月17日 大阪府出身 2000年 宝塚音楽学校入学
2002年 宝塚歌劇団に第88期生として入団・初舞台。星組に配属。
2016年 星組トップスターに就任
2019年 『GOD OF STARS-食聖-』『Éclair Brillant(エクレールブリアン)』東京宝塚劇場千穐楽をもって退団
2019年 松竹エンタテインメント所属  現在、舞台やテレビ、CMなどで幅広く活躍中。

©entax

     

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