声優・早見沙織&櫻井孝宏が朗読!湊かなえ最新作『暁星』は全てを知ると“景色”が変わる? 2回以上必聴必読のオーディオファースト作品に【独自インタビュー】

2025.11.20 17:00
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湊かなえ、早見沙織、櫻井孝宏の写真

湊かなえ29作目となる最新作『暁星(あけぼし)』が11月11日(火)より、Audible「オーディオファースト作品」として配信中。前後半で描かれる濃密な物語を、『鬼滅の刃』胡蝶しのぶ役、『SPY×FAMILY』ヨル・フォージャー役などで知られる人気声優・早見沙織と、同じく『鬼滅の刃』冨岡義勇、『呪術廻戦』夏油傑の声で知られる人気声優・櫻井孝宏が朗読。 この度、entaxは3人に独自インタビュー。湊からの熱烈なラブコールで実現したという配役の裏話や、声優陣の確かな実力が見えてくる“余白を残す”朗読術、そして湊自身が「ぜひ2回聴いてほしい」と語る本作の見どころなどを教えてもらった。

Audible「オーディオファースト作品」とは、第一線で活躍中の作家がAudibleのために書き下ろしたオリジナル新作。文章よりも先に「音声」で楽しむことができる、Audibleならではの特別な体験。湊自身も「29作目にして、私はこの作品が一番好きだと断言できます」と自信を見せる本作『暁星』では、前半パートを櫻井が、後半パートを早見が担当。11月27日(木)書籍化(双葉社)も予定している。

<『暁星』あらすじ>
現役の文部科学大臣で文壇の大御所作家でもある清水義之が全国高校生総合文化祭の式典の最中、舞台袖から飛び出してきた男に刺されて死亡する事件がおきた。逮捕された男の名前は永瀬暁(あかつき)、37歳。永瀬は逮捕されたのち、週刊誌に手記を発表しはじめる。そこには、清水が深く関わっているとされる新興宗教に対する恨みが綴(つづ)られていた。また、式典に出席していた作家は、永瀬の事件を小説として描く。ノンフィクションとフィクション、ふたつの物語が合わさったとき見える景色とは──!?

|別録りでも息ピッタリ! 早見&櫻井の朗読術に、いちファンの湊も驚き

──今回、早見さんと櫻井さんが朗読を担当されるのは湊さんからのご指名だったそうですね。まずは、お二人を選んだ理由やきっかけをお聞かせください。

 指名というよりは、懇願でした(笑) これまでAudible化していただいた作品は、すでに映像化された小説がほとんどでしたので、作品全体の世界観を知ってらっしゃる“映像作品に出られた方”がいいなと思って役者の方に読んでもらっていたんですけど、今回は”オーディオファースト作品”ということで、初めて物語に触れる方たちばかりなので、いわゆる“顔の浮かんでこないお仕事”である声優の方にお願いしたいなと思いました。

 その際、誰の声で聞きたいかとなった時に、これはもう本当にただのオタク精神と言いますか、ファン精神と言いますか…(笑) 私、今は『呪術廻戦』が一番好きなんですけども、これまで見てきた作品の中で、私の好きな役をそれぞれ担当されている方が櫻井さんと早見さんだったんですね。

早見 ありがたいです。

櫻井 本当に光栄ですね。

湊かなえ

 櫻井さんの一番好きな役は『鉄血のオルフェンズ』のマクギリス(『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』マクギリス・ファリド)で、『呪術廻戦』の夏油(夏油 傑/げとうすぐる)も大好きですし、櫻井さんの声で「暁」を聞きたいなと思ったんです。どこか陰(かげ)があったり、内に秘めた野望があったり──そういった声を櫻井さんの声で聞きたいなと。

 そして今回とても贅沢なことに、一作をおひとりではなく、それぞれのパートでおふたりに読んでいただけるということでしたので、後半パートを読んでいただく方も、絶対に一本、筋の通った登場人物を表現していただける方にお願いしたいなと思いまして、やっぱり早見さんしかいない──と!

 もともと私は『はいからさんが通る』が大好きで、その中で早見さんが、トラブルメーカーになりそうでありながら一本強い意思を持っているところが応援したくなる女性を演じられていたんです(『劇場版 はいからさんが通る』花村紅緒 役)。それを見て、「絶対、早見さんに読んでもらいたい」と感じました。

──すごく愛が溢れているのを感じます。早見さんたちは、そんな湊さんから指名されたと知った時いかがでしたか?

櫻井 目と耳を疑いましたね。もうパソコンのモニターの前で正座してしまうくらいでした(笑)

櫻井 一生に一度もないような機会をいただけたので、プレッシャーがないわけではないのですが、飛び込んでみようと! こんな機会ないだろうということで、快諾させていただきました。

櫻井孝宏

早見 私も、いま櫻井さんがおっしゃったような驚きや責任感を覚えました。私がこの仕事を始めた頃には、すでに湊かなえ先生のお名前は世間的にも知れ渡っておりましたし、私自身も作品に触れたことがありました。そんな湊先生の作品を、自分の声で表現できるということに驚きがありました。

早見 しかし収録が始まり、何度か収録した際に、実は湊先生からのご指名だったと伺いまして、本当に光栄に感じました。

早見沙織

 もうとにかく熱いメッセージを送らせてもらいました(笑) 『この作品のこれが好きで!』っていうのを、ファンレターみたいな感じで書かせてもらったんです。

櫻井 (背筋を伸ばし)我々、もうこうなっちゃいますよ(笑) でも、すごく後押しになりましたね。知っていてくださるのもうれしいですし、そこからのヒントもあるので、そのお手紙と言いましょうか、メッセージはすごくうれしかったです!

早見 それに、櫻井さんが前半パートを担当されると伺った時の安心感もとても大きかったです。自分で前半パートを読んでいる時も、自然に櫻井さんのお声が脳内で再生されていました。

 その脳内再生がすごいんですよ! 今回はおふたりが読まれるので、最初のタイトル 「『暁星』 湊かなえ」までは同時に言って、その後それぞれのお名前を言うんですけど──ちょうど、早見さんがそれを録るところを見学させてもらった際に「あ、櫻井さんですね、分かりました」とおっしゃって …。で、今度は櫻井さんの収録に行った時に、おふたりを合わせたタイトルを聞かせてもらったら、もう2人で「せーの」と言ったかのようにピッタリ合っていて、すごいすごい!って。

 なんだか、おふたりがこれまでに築き上げてこられたご関係といいますか、テンポといいますか、そういうものを知り尽くしての朗読だったんだと思い、びっくりしましたね。たぶん、一緒に録って「せーの」とやっても、あんなにピッタリ合うとは思わないです。

早見 うれしいです!

櫻井 ありがとうございます!

──ちなみに早見さんと櫻井さんは、もう何年来ぐらいの仲になりますか?

早見 私がデビューした時には、櫻井さんはすでに長い間活躍されていたので、もう15年以上でしょうか?

櫻井 でも、初めて会った時から目を引くといいますか、「あっ、すごい子いるな!」と思っていましたよ。

早見 いえいえ、恐縮です(笑)

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