突然両足が動かなくなり車いす生活へ…伝説の助っ人・クロマティ(72)を襲った病魔とそれを支える家族に密着
ギラン・バレー症候群発症から2年、クロマティはわらにもすがる思いで、専門医がいる徳島の病院を頼った。そこでの診断の結果、新事実が判明。
足が動かない原因は脊椎がヘルニアや骨の変異で圧迫する『胸椎狭窄症』。脊椎の圧迫によって、頭からの命令が足に届かなくなっていたのだ。担当医の西良教授は、ギラン・バレー症候群によって筋肉が落ち、体幹でバランスを取ろうとした結果、脊椎に無理がかかってしまった可能性があると語った。
ギラン・バレー症候群に併発してしまった胸椎狭窄症によって起こった両足のまひ。しかしクロマティさんにはまだ足の感覚が残っており、それは完全に神経が切れていない証拠だった。神経が残っていれば、脊椎の圧迫を取り除く手術を行うことで歩けるようになる可能性がある。しかし2年近く圧迫された神経が復活する保証はなかった。
それでもわずかな可能性を信じ、手術を受けた結果、一つの奇跡が。2年間ほとんど動かなかった足が、わずかに動かせるようになった。その1か月後からクロマティは「絶対にあきらめない」とリハビリを始めたのだそう。
奥様もチャズくんの育児の傍ら、クロマティのお風呂、トイレ、着替え、家でのリハビリに至るまで献身的にサポート。奥様は「彼の諦めない姿勢って応援したくなるしね、全部自分が責任持ってサポートするから」と、共に病と戦ってきたのだ。
リハビリを続けて2年、医学の常識を超えるほどの回復を見せているクロマティ。「不可能を可能にする勢いを感じます」と担当医の西良教授は語る。
クロマティの諦めない原動力、それは愛する奥様と一人息子のチャズくん。「チャズが僕の全てだ。奥さんが僕の全てだ。僕がもう一度立って歩くためのリハビリのモチベーションになってくれる」と涙ながらに語るクロマティ。「決して諦めないし、諦められないし、諦めるつもりもない。愛する妻と息子のために。人生は楽しい!」と決意を新たにしていた。
そんなクロマティの心が折れそうなときには、奥様がいつもかけている言葉があるという。それは「待ってる人がいる」「あなたを待ってる人がいるから、その人たちのために動かなきゃいけない」という言葉。
「今のウォーレン・クロマティを作ってくださったのは、ファンの声援があるからこそ」という奥様。実際、密着中も彼が接した様々な人から「ファンだったんですよ」「(巨人時代の元)チームメイトはみんな応援してる」と温かい声をかけられていた。再び立ちあがり、現役当時の名物にもなったファンと一緒に行う「バンザーイ!」を行うのが今の目標だというクロマティは、その日を夢見て再びリハビリに励んでいた。










