映画『笑えない世界でも』長野県上田市-7℃の撮影エピソード&サブタイトル「共感する人がいませんように」に込めた思いとは?【彩香&岡本充史監督インタビュー】

――映画の中でよくパンを食べていますが、パンは意識して取り入れていたんですか?
岡本:単純に、優花が朝起きてパン派なんだと思うんですけど(笑)なんで“おにぎり”じゃなかったんだろう…?でも、おにぎりの方がちょっと高いっていう印象が僕に無意識にあるんだと思います。優花たちはいつもいいパンは食べてなくて、118円とかで買えそうな菓子パンを買っていました。。
――凛とパンを分け合うシーンがとても素敵でした!
彩香:あのシーンで「ハーフ&ハーフ」ってセリフを本番で言った時に、初めてNGを出しました(笑)爆笑してフレームアウトしちゃったんですよ!
岡本:あれは何がおもしろかったの?
彩花:優花が「ハーフ&ハーフ」やってる私、可愛いみたいなことを思ってるのかなって(笑)
――思い出深いシーンを教えてください。
彩香:電車のシーンで優花から凛に向かって言った大事なセリフがあるシーンが一番好きです。明るい方向に向かっていくシーンだったので、一番印象に残っています。
――長野での撮影の裏話はありますか?
彩香:とにかく風景がキレイでした。川がキレイで、太陽も眩しくて、ずっとキラキラしてるんです!だから写真をいっぱい撮るのも楽しかったです。寒かったけど、寒いからみんなで部屋の中にギュっと集まっていて、そういうコミュニケーションもすごくいいチームだったなと思います。

――タイトルに込めた思いを教えてください。
岡本:かっこいいこと言いたいですけど…(笑)自分がそう思ってるんだと思います。最近、皆さん絶対笑いたいはずなのに、笑えない人が多くなっているなと思っていて、その中でも伝えたいことは優しいことになるので、それが届け!という思いでつけました。
――サブタイトルの「この映画に共感する人がいませんように」にはどういう意図がありますか?
岡本:宣伝準備の打ち合わせの中で、20代のスタッフさんがポロッと言った言葉だったんですよね。「私はこの映画自体に共感はできないけど、共感できる人がいるとするならば、共感できたらダメなんでしょうね」って言ったのを聞いた流れで、このサブタイトルが出てきました。「これに共感してしまう人は、本当は別に共感したいと思ってないよね」という話でした。共感しない方にもフックになりつつ、共感する方にとっては見終わった時に別の意味を持ってこのサブタイトルが伝わるから、優しくていいなと思いました。
彩香:私は共感できちゃうので、「共感する人がいませんように」って確かにその通りだなと思いますけど、でもみんなちょっとは孤独を感じたことがあると思うので、そういうことを少しでも感じたことある人には意外と刺さるんじゃないかなと思います。
