市原隼人「6時間くらい練習しました」わずかなシーンに懸けた努力とは【映画『おいしい給食 炎の修学旅行』】
田澤は、撮影をふり返り「撮影前に綾部監督から『撮影期間の1か月を意味あるものにしてほしい』という言葉がありまして、(演じる)粒来ケンが甘利田先生に思いを伝えるシーンがあるんですが、悩んで難しいなと思いましたが、みなさんがお力を貸してくださり自分なりの演技できたかなと思います」と力強く語る。劇中で甘利田先生と粒来が卓球に興じるシーンがあるが、市原は「(卓球の)経験がなかったので、東京でプロの方に教えていただき、その後も泰枠の学校の近くまで行って、卓球上で長い日には2人で6時間くらい練習しました」とわずかなシーンに懸ける情熱と努力を明かし、会場は驚きに包まれた。

栄信は本作の撮影の思い出として「(自身が演じる)木戸先生が、ドラマシリーズと映画を通じて初めて、今回は甘利田先生が食事しているシーンで隣にいるんです」と告白。「これまで『おいしい給食』という作品の“根幹”に触れられないまま、いまに至っていたので、本当にうれしかったです」と満面の笑みを浮かべて語った。

給食のおばさんの牧野を演じるいとうは、修学旅行中も学校で留守番ということで「どこにも行かせてもらえなくて、本編をみなさんと同じ気持ちで『うわ、楽しそう!』と見ていました」とちょっぴり寂しそうに語る。一方で「今回、本当に良いセリフがあって、ちょっとつらいことがあって、自信を失くしていたんですが『自信とは自分を信じること』というセリフを読んで、泣いちゃって…。『そっか、信じることなんだ!』と思わせてもらえて、良い作品だったと思います」と語っていた。

六平は、市原をはじめとする共演陣の演技を絶賛!「みんな、上手いのよ!ものすごくシュールない芝居もシリアスな芝居も、いつも『上手いなぁ…』って思って見てました。いま、日本で一番上手い役者が集まったんじゃない? とにかく見ていて飽きない現場でした」と惜しみない称賛の言葉を送る。

小堺も、いとうさんと同じく“留守番組”で「マネージャーから『またお話がありました』と聞いて『修学旅行だ!』と思ったら、行けなくて…。校長先生は行かないかね?行けると思っていたんですけど…」と残念そう。そして「寒い時期の撮影でしたが、僕は寒いと思ったことがなくて、なぜかと言うと座長が熱すぎるから! 『お芝居は相手を見てればできる』と教わったことがありましたが、いつも甘利田先生の顔を見てると、字だったセリフが感情になるんです。人生の先生に会ったような気がします。今日も控室で台本をずっと読んでて、なのに六平に話しかけられると『何ですか?』ってちゃんと返事するんです。サラウンド座長です! こんな方、最近はあまり見ないです」と手放しで市原を大絶賛していた。

綾瀬監督は、初めてドラマの続きではない、独立した劇場版として公開される本作について「初めての修学旅行で、学校の外に出るので、甘利田先生の外食をいかに面白く、楽しくするか? 僕自身も、若い時に東北を1か月くらい旅した経験があって、青森、岩手、函館というラインでロードムービーを撮るのが夢だったんです。まさか『おいしい給食』のみんなで旅行に行けるとは、本当に嬉しくて…。とにかくみんなが修学旅行を懐かしんだり、現役世代の人は楽しみになるような旅の映画にしたいなと思っていました」と思いを語った。

MCからは、早くも次の劇場版を期待する言葉が飛び出し、客席からも「待ってます!」という声と共に大きな拍手が…。綾部監督は熱い期待に感謝を述べつつ「大きなこと言えないですけど…。先々を考え過ぎず、我々はひとつひとつ、次の1本に懸けて全力投球してきました。この作品が公開されて、みなさまの声があれば、再び立ち上がって…次は南の方ですかね(笑)? 着実に一歩一歩、できることからやっていきたいと思います」と語り、会場は再び拍手と歓声に包まれた。