山口智子 ライフワークは民族音楽「宇宙人にも自慢したい」30か国を巡って集めた珠玉の音たち

俳優の山口智子(60)が9月20日放送の『Google Pixel presents ANOTHER SKY(アナザースカイ)』に出演した。日本アカデミー賞の受賞をはじめ、芝居の世界で確固たる地位を築いた山口。しかし俳優業以外にも、世界各地の民族音楽を保存する活動に長年取り組んできた。今回、ハンガリーの首都・ブダペストを訪問すると、音楽への愛、プロジェクトにかける思いを語った。
山口が2010年に立ち上げたプロジェクト『LISTEN.』は、世界各地の民族音楽を後世に残すことを目標に掲げる。特徴的なのは映像で記録するということ。演奏する人々、音楽を生み育んだ地域の記憶も映像に残す。山口自ら世界中を駆け回り、各地の音楽、演奏家を記録してきた。およそ30もの国や地域を巡ってきた山口が話すプロジェクトのテーマは、“地球のタイムカプセル”。「100年後、1000年後に自慢したい、今の音が詰まったタイムカプセルであり、地球外生命体に自慢したい、カッコいい今の地球が入ってる」と誇らしげに語った。
そんな山口のライフワークとも言うべき活動が始まったのは、今回の旅先に選んだブダペストへの訪問がきっかけ。“ドナウの真珠”とも称され、世界一の夜景が見られると名高い街で、山口は風景の中に漂う“闇”に引かれたという。「最初に来た時、なんて闇を大事にしている文化だろうと。そこに“音楽の地“だから、音楽が流れてくるわけですよ。闇の中から耳を傾けると」と、初めて足を運んだ際の感動を口にした。
夜のブダペストでは、古くから残る重厚で豪奢(ごうしゃ)な建築物の数々が街灯に照らされている。同時に、光によって生まれた影が街路樹を包み込み、きらびやかな景色ながらも静けさが漂う。そんな闇夜の中、どこからともなく流れてくる音楽に耳を傾けることで、山口は気付きを得たという。「大事なものこそ実は見えない。空気とか愛とか。でもそこにちゃんと確実にある」と言い、音楽を通じて目には見えない人の営みを保存する『LISTEN.』の活動を開始した経緯を明かした。