カズレーザー 世界中が大注目!日本人研究者の作った、海水でも淡水でもない“魔法の水”が養殖の未来を変える
2025.7.16 10:30
カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が15日に放送。『日本の食卓が激変!?食の大発見SP』というテーマの今回、岡山理科大学准教授の山本俊政氏は、自身が発表し、近年世界から養殖のゲームチェンジャーとして注目を集める魔法の水について解説を行った。
土用の丑の日が近づくなかで、山本氏が出演者たちに語ったのはウナギの話。山本氏らが開発した水で育てたウナギは、養殖物でありながら従来の約2.5倍の速さで成長し、大きさもより肉厚でおいしくなったという。またウナギだけでなく、ベニザケも育てているといい、通常1年3か月で150g程度の大きさに育つところ、山本氏らの方法を用いると、同じ期間で大きさは約7倍以上に。スタジオでは驚きの声があがる。
山本氏は、自身が開発した『好適環境水』について、海水でも淡水でもない、第三の水といって紹介をはじめた。
海水魚の養殖には、これまで当然ながら海水が使用されていた。海水の中には60ほどの成分があるというが、実は海水魚の生育に必要な成分はナトリウム、カリウム、カルシムの3つだけでいいのだという。さらに海水に含まれる塩分についても、魚にとっては本来約1%程度の塩分濃度で十分で、海水の3.5%という塩分濃度は過剰。実は海水魚も海水のなかではストレスを感じていて、エラから塩分を排出するために、成長に回すこともできる余計なエネルギーを消費しているのだという。山本氏らが開発した好適環境水は、海水よりも薄い約4分の1の塩分濃度で、魚の成長に必要な栄養分しか含まないことで、養殖に最適な水になったそう。
市場に出回る魚のうち、およそ6割が養殖モノである現代。一方で養殖には、魚が食べ残したエサなどで赤潮が発生したり、密集飼育で病気が広がるなどといった課題もあった。そこで、いま世界中から注目を集めるのが『閉鎖循環式陸上養殖』。陸上で養殖をすることで、台風や赤潮など海洋の影響を受けず、水質を管理できるために、魚の病気を減らすことができる。
しかしこれまで、内陸や海のない地域での養殖は、海水の移送コストなどをはじめ、ハードルが高かった。好適環境水はそうした問題を解決するものであり、かつさらに短期間で、より多くの魚を出荷することが可能。より低価格で求めやすくなり、実際に2015年から岡山市で販売されている山本氏らの研究施設で育てられたウナギは、天然モノと同じサイズでありながら半額程度の値段なのだとか。

この技術は注目を浴び、世界中からオファーが絶えないというが、好適環境水の開発によって受けられる恩恵はまだあるという。海水を使わないため、寄生虫などの問題によって刺身などでは食べることが難しかったベニザケも生食が可能になるという。これまで一度冷凍され輸入されていたサーモンと別に、ベニザケという選択肢が増え、また寄生虫のリスクが激減したことで冷凍をする必要もなく、より脂ののった、上質な味わいを楽しめるのだとか。
カズレーザーは講義をうけ、「地球の大半、ほぼほぼ海なわけじゃないですか。その海が実は魚にとってそんなにいい環境じゃないっていうのが驚きですね」とまずコメント。つづけて「生き物っていうのは基本的に環境に適応して生き残ってきたと思ってるんですけど、、そこが根本から変わるってのはなんか、誰も確かに思いつきはしなかったなって気がしますね」と、山本氏の研究に感銘を受けていた。
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