イ・ボミ 「感謝を伝えられなかった…」 日本で挑戦する機会をくれた今は亡き大恩人におくりたい言葉
2025.5.12 11:40
女子プロゴルファーのイ・ボミが、10日放送の『Google Pixel presents ANOTHER SKY (アナザースカイ)』に出演した。LPGA (全米女子プロゴルフ協会) の生涯獲得賞金は8億円越えで歴代11位に名をつらね、韓国から日本に渡って活躍した彼女。今回は日本で拠点を置いていた兵庫県を訪問し、挑戦を支えてくれたチームメンバーへの思いを語った。
2023年に惜しまれつつも現役を引退し、現在は故郷の韓国で暮らしているボミ。それでも1か月に2回くらい日本を訪れているという。現役時代を振り返れば、息つく間もない日々。日本のプロゴルフのツアーシーズンは3月から11月末までで、毎週末に行われる試合のために全国を飛び回った。「ずっとずっと目標変えて前見ていくしかなかったから余裕がなくて…」と語り、心が休まる暇などほとんどなかったという。

そんな過酷な環境に身を置きながらも、心の支えになっていたのが、所属していた延田グループの仲間たち。日々の練習や生活を支えてくれるサポートスタッフたちは、まさに第二の家族だった。特に来日して2年目、言葉もわからず文化の違いに戸惑っていた自分を受け入れてくれた延田久弐生前会長のことは、「日本のお父さん」と慕っていたといい、「私は延田会長がチームを作ってくださったから、私の人間ができたと思います」と感謝の言葉を口にした。
しかしそんな延田元会長は5年前に亡くなった。「心が温かい人でした」「皆に優しかった」と故人を偲(しの)ぶと、思わず目に涙が浮かぶ。「あのときは日本語をこのぐらいしゃべれなかったし、“すごく感謝してます”って言えなかったから、それが申し訳ないです」と涙声で話し、しばらくの間、今は亡き大恩人のことを思った。
延田元会長がくれたかけがえのないチームの絆(きずな)。ボミが現役時代に競技に打ち込むうえで、チームメイト、そして応援してくれるファンと喜びを分かち合うことが、最大の活力になっていた。引退を決意したのも、自身のプレーに限界を感じ、これ以上応援してくれる人たちを笑顔にすることが難しいと感じたからだった。
「ファンの皆さんが私のプレーを見て、喜ぶ顔が好き」というボミの気持ちに応えるように、引退試合となった2023年のマスターズGCレディースには、ボミのカラーであるピンクのタオル持ったファンが大勢駆け付けた。試合の会場も兵庫県の延田グループが所有する慣れ親しんだ場所。当時の光景を思い出し、「本当に忘れない。忘れないです」と、繰り返し話した。
