香椎由宇 母親になって「笑顔が多い役が増えてきた」無表情でクールなキャラクターに起きた変化

俳優の香椎由宇が、9日放送の『Google Pixel presents ANOTHER SKY(アナザースカイ)』に出演した。15年ぶりの出演となる今回。前回旅をしたシンガポールを再訪し、自身の変化や成長を語った。
香椎にとってシンガポールは、小学生時代の6年間を過ごした国。思い入れが強い場所であると同時に「私の好きだったシンガポールがどれだけなくなっちゃったんだろう」と、経済発展を遂げ変化し続ける国の訪問に不安もあった。
実際、家族でご飯を食べた屋台はなくなり、街の様子も大きく変わっている。しかし通っていた学校の雰囲気や、一人一人の個性やルーツを尊重する文化は、今も変わらず残っていた。様々な障害に直面しながらも、必要ならば柔軟に変化し、しかし大事なところは残していくシンガポールの姿を、香椎は今の自分に重ねる。
香椎は「最近新しいことを始めるっていう機会がすごく多くて。子育てもひと段落しましたし、久しぶりの映画だったり、そういう時間が取れるようになってきた」と話す。15年前、アナザースカイに出演して間もなく第一子を出産し、母親としても成長し続けてきた。
子育てにやりがいを感じ、母親になれたことに感謝する一方で、「歯がゆい期間はありましたね」と、仕事と両立させることが難しい日々に、葛藤もあったという。「事務所に同い年くらいの俳優さんたちがいて、彼女彼らがCM出てたり、ドラマ出てたりっていうのを目にするたびに、どんどん差が開いていくんだとか、そこに重きをもって考えてしまっていた時期がありました。焦りというか。すごい複雑な15年でしたね」と、これまで抱えていた正直な気持ちを吐露した。
かつての自分ではいられない、思うような活躍もできない、そんな状況で香椎が選択したのは変化することだった。かつての香椎といえば、クールな、どこか無機質なキャラクターを演じることが多かった。「全く笑わない役がすごく多かったんですね、今まで」と振り返り、冷たい印象を与える演技を求められた。
しかし母親になり、育児に力を入れた経験は、香椎に新たな成長の機会を与える。「この歳になると母親役をやったり、割と寄り添う役をやったり、言葉に感情をのせる役を求められる」といい、「笑顔が多い役が増えてきた」とはにかむ。「結婚して、子ども産んで、母親になって、っていう経験がなかったら、知らなかった感情がある。知らない世界もあったし、興味を持ってない世界の方が大きくて、本当に感謝です。色々勉強になりましたね。親にしてもらって」と穏やかな表情で語った。
昔の持ち味を生かしつつも、自分自身の変化や、世間から求められる姿の変化に応じて成長する。このことについて香椎は「本当に難しい。本当に今探っている最中」と話す。ただ、苦悩し悩んでいるようにも見えない。その表情はどこか楽しげで、ワクワクしているようだ。「変わる先ですよね。いい方向に変わってくれればいいけど、全然まだまだ途中。ただこの15年で見えてきたものは、今のところいい方向で進んでいるなって言うのが見えてきてる」といい、「ここからはまたイイ感じに行ける気がする」とほほ笑んだ。
新たなステージの幕は上がったばかり。積み上げてきた歴史に、最先端の自分をのせて、香椎由宇の旅は続いていく。
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