『スター・ウォーズ』のR2-D2にはピンク色バージョンが!?映画本編にも登場した仲間に秘められた感動エピソードとは
2025.5.5 12:30脳腫瘍の位置的に手術が難しく、ケイティちゃんに残されたのは抗がん剤治療のみ。本人の意思を確認するため、アルビンさんは病気のことについて包み隠さずケイティちゃんに伝えると、「私は闘いたい!」と答えたという。
抗がん剤の副作用で顔がパンパンにはれ上がってしまうこともあったが、ケイティちゃんは不満を漏らすこともなく、懸命に病気と戦っていた。そんなある日、アルビンさんと一緒に大好きな『スター・ウォーズ』を見ていると、ひとり眠るアミダラ姫をじっと見守るR2-D2の姿を見たケイティちゃんは「私にも見守ってくれるR2-D2がいたらいいのに…」とつぶやいたのだという。R2-D2に見守られるアミダラ姫を自分に重ね合わせていたのだ。
アルビンさんがその話をケイティちゃんの姉・アリーちゃんにしたところ、「パパ、R2-D2を作る人たちを知ってるじゃん」と言われたのだそう。実は『R2ビルダーズクラブ』というファンコミュニティーがあり、その名の通りR2-D2が大好きすぎて自分たちでR2-D2を作ってしまった人たちの団体だ。
アルビンさんの『第501軍団』とも交流関係にあったことから、早速アルビンさんはこの団体に連絡。ケイティちゃんの大好きなピンク色をあしらい、名前もケイティちゃんにちなんで“R2-KT”にしてドロイドを作ってほしいと依頼したところ、3人のメンバーがこの依頼に快く応じてくれたという。
その1人であるパトリック・コアジューさんに当時のことを聞くと、部品を買ってくるだけで誰にでもすぐ作れるものではなく、部品の調達だけで1年以上かかってしまうという難しい作業。ケイティちゃんに残された時間は長くても1年で、ビルダーズクラブの面々は頭を悩ませたという。彼らにとっては“特別な”ドロイド、妥協はできない。
思うように準備が進まない中、ケイティちゃんの病状は刻一刻と進行していた。残された時間が少なくなる中、ビルダーズクラブの1人、アンディ・シュワルツさんがある決断を下したという。その話を聞くため、スタッフはアメリカ中部のイリノイ州へと飛んだ。
アンディさんによると、当時R2-KTを作るためのパーツを集めてはいたものの、完成までには程遠い状態だったという。そんな中でアルビンさんからケイティちゃんの病状の進行具合を聞いたアンディさんは、自身の持っていたR2-D2を塗りなおしてR2-KTとして生まれ変わらせるという決断をしたのだった。2年がかりで作り上げ、子どものように大切にしていた自分のR2-D2をバラバラに分解し、主要パーツをピンク色に塗りなおす。アンディさんは「ケイティが喜ぶってわかっていたし、心からそうしたいと思ったんだ。だから難しい決断なんてことはまったくなかったよ」と語るが、それがどれだけのことか、同じスター・ウォーズを愛するものとしてアルビンさんには痛いほどその重みが伝わっていた。