板尾創路・伊原六花 未知の世界で「お客さん来るのかな」不安から始まった今年6年目『関西演劇祭』の思いとは【インタビュー前編】

2024.11.8 10:25
板尾創路と伊原六花の写真

今年で6年目を迎える、劇団・お客様・審査員やスタッフなど「参加するすべての人がさまざまな形でつながる演劇祭」としてスタートした『関西演劇祭』。フェスティバル・ディレクターを務める板尾創路と、アンバサダーとして『関西演劇祭2024』を応援する伊原六花にインタビュー。『関西演劇祭』を立ち上げたきっかけや昨年との違い、2人の接点を明かした。【インタビュー前編】

Q:関西演劇祭は今年で6年目。これまでの5年で築き上げてきたことに加え、「ひろがる」というテーマがありますが、今回はどんな演劇祭になりますか?

板尾創路:前回まで「つながる」だったので、「広がる」というテーマが新たに加わったということは…だいぶつながったんでしょうね(笑)つながったのを“次は広がれ!”と思ってもいいかなと(笑)今回の『関西演劇祭』は「ステップアップしていこう」というテーマです。


──昨年と異なるポイントは?

板尾:見せ方としてはそんなに変わらないと思いますが、今年は僕もどうなるか本当にわからない(笑)『関西演劇祭』という名前もだんだん広がってきて、今回は関西だけではなく、関東やいろんな地域の劇団が参加してくださるようになって。出る人もすごい個性的な劇団だったり。多分いろんな噂(うわさ)を聞きつけて、「じゃあ出てみたい」と思って参加していただいている方が多いと思うので、『関西演劇祭』の熱は上がってきてるんじゃないかなと思っています。

板尾創路の写真

Q:伊原さんは、昨年はなかったアンバサダーというポジションに抜擢(ばってき)。オファーがあった時のお気持ちは?

伊原六花:率直にすごくうれしかったです!『関西演劇祭』は“ティーチイン”という制度があって、自分がお芝居をしていても、ティーチインがあったらすごく面白い、素敵な時間だなって思ったのでとても楽しみです!演劇にはティーチインがあること自体新鮮で、今回初めて経験させていただくので、いろいろ疑問に思ったことの答えが返ってくる、観た後すぐに感想が言える、その時間を大切にできたらなと。シンプルにワクワクしています!

伊原六花の写真

Q:2人は大阪府出身という共通点はありますが、これまで接点は?

板尾:どうやらないみたいですね(笑)
伊原:あはは(笑)今回が初めてです
板尾:さっき聞いたら地元が近かった、ほぼ隣ぐらい
伊原:自転車で行ける距離ですね!
板尾:近いよね!…ってぐらいでしたね(笑)
伊原:これからです!(笑)
板尾:空気みたいな…そういう同じ共通点はね…
伊原:空気は似てるかも!(笑)

板尾創路と伊原六花の写真

Q:板尾さんは開始当初からフェスティバル・ディレクターとして関わっています。関西演劇祭を立ち上げたきっかけは?

板尾:最初に「『関西演劇祭』を開催するので、フェスティバル・ディレクターという形でお願いできますか?」という依頼があって。僕も最初は何をやるのかよくわかってなかったです。当然最初は運営側もどんな風にしていけばいいのかわからない、気持ちは一緒なんですけど、「これ大丈夫なのかな」「お客さん来るのかな」「実際45分間の演劇をやってどんな感じになるのかな」っていう不安はありました。全く未知の世界だったので。でもやってみたら1回目から結構面白くて、こういうのは今までなかったから「これは長いこと続けるべきやな。1年2年で終わらせたらもったいないな」と思いましたね。

──フェスティバル・ディレクターとしての役割は?

役者さんたちやそのサポーターの方々は、普段テレビに出たり、どこかでトークをしたり、慣れているわけではないと思うので、そういう意味でもみんなが円滑に回せるように、僕が先陣を切っていろいろ発言しています。

板尾創路の写真

Q:“関西から演劇を発信することに意味がある”とのことですが、こだわりの理由を教えてください。

板尾:やっぱりみんな東京に行ってしまいがちというか。それは僕も大阪から東京に来て仕事をしているからあまり偉そうなことは言えないですけど。関西は小屋が多くなかったり、劇場の問題もあるんです。昔はもうちょっと中ぐらいの劇場が結構あったりしたんですけど、軒並みなくなったりして。小さい劇場から「ちょっとステップアップしたいな」と思ってもやるところがなかったりします。関東とは事情が違って、そういう中で才能が埋もれてしまうともったいないと思うんです。演劇ってなかなかテレビとかメディアに乗りにくいので、そこにスポットを当てて、「こういう人たちもいる」みたいな発信や、そこで頑張っている人に「面白いですよ」「ちゃんと伝わってますよ」とか励ますように伝えないと、やめてしまうんじゃないかなって。ちゃんと「いいものにはいい」って言ってあげる機会があまりないので、そういう場所として『関西演劇祭』はすごく意味があるんじゃないかなと思っています。

板尾創路と伊原六花の写真

──伊原さんも関西出身ですが、関西から発信、関西で何かをすることのこだわり、または今後やりたいことは?

伊原:関西の好きなところはあるんですけど、高校を卒業してから東京に上京したので、まだまだ関西の知らないところがあって。関西の番組で街歩きとかをさせてもらう中で、「このエネルギーって意外と東京にないな」って思うものに出会えたり、小さい劇場にもお邪魔させてもらって、大阪でやっている大衆演劇を観させてもらったり、そういう関西ならではの部分を今回アンバサダーとして、微力ながらですが私からも発信していけたらなと思っています。演劇好きとしても、本当に今回すごく楽しみにしているので、今回のテーマのようにつながって広がっていくようにお手伝いできたらなと思っています。

伊原六花の写真

Q:伊原さんはダンサーから俳優として、今やさまざまな作品にご出演されています。今回は観劇するポジションとして、どのような視点、どんなことに注目していますか?

伊原:私はただただオフの日は劇場に通う!みたいな日々を今も過ごしているので、今回10劇団のどんな作品が観られるのか、シンプルに楽しみです。一つの公演が45分間で、その場所でいろんな劇団を観られる機会ってあまりないと思います。これを機に、普段観に行かない方も観る入り口になるんじゃないかなって私は思っているので、ちょっとの一歩で観に行ける環境がそろっている『関西演劇祭』にぜひ遊びに来てくださったらうれしいです。私はただただ楽しみにしています!

【後編はこちら

『関西演劇祭2024』
<日程>2024年11月16日(土)~24日(日)
※11月19日、20日は休演日※11月16日(土)オープニングセレモニー(セレモニー後に公演あり)
※11月24日(日)表彰式のみ
<場所>COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール(大阪市中央区大阪城3-6)
<参加劇団>暁月-AKATSUKI-、EVKK/エレベーター企画、エンニュイ、劇団☆kocho、劇団さいおうば、
The Stone Ageヘンドリックス、teamキーチェーン、つぼみ大革命、fukui劇、WAO!エンターテイメント
<アンバサダー>伊原六花
<フェスティバル・ディレクター>板尾創路(お笑いコンビ130R・俳優・映画監督)
<公式サイト>

写真:©entax

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