美輪明宏「どうして”貧しい人”の歌は無いんだろう…」差別・偏見と闘いながら書き上げた『ヨイトマケの唄』秘話に大反響「心揺さぶる」

2024.2.27 17:45

美輪明宏が2月24日放送された『世界を変えた20人のアーティスト』に出演。要注意歌謡曲にも指定された“無償の愛”と“思いやり”を歌った『ヨイトマケの唄』への思いを語った。

スタジオに登場した美輪の盟友でもある黒柳徹子から「なんでも相談すると答えてくださって。一番凄かったのは(美輪さんが)シャンソンを舞台でお歌いになって、あまりに良かったから教えてって言ったら、電話でずっとその歌を歌ってくださって」と仲の良いエピソードを披露。

美輪は、歌手に俳優、『もののけ姫』での声優など様々な分野で活躍。16歳でエンタメの世界に飛び込み、苦労を重ね、21歳の時(1957年)に『メケ・メケ』でレコードデビュー。端正なルックスとファッションセンスで“シスターボーイ”と呼ばれ人気歌手に。

しかし、ある日事件が…美輪の友人が同性愛を家族に知られ自殺。当時は性的マイノリティーの理解がまったくなく、風当たりは厳しかった。

そんな世界を変えようと美輪はある決断をした。雑誌のインタビューで「ボクは大体ほれっぽい。でも恋愛は仕事への肥料と思ってます。相手は男性のときもあります」と自身の同性愛を公表。有名人がこういった告白をするのは前代未聞だつた。

MCの小泉孝太郎に、「当時、同性愛を公表するのは、今の僕らには考えられないような勇気が必要だったんじゃないですか?」と聞かれると、「大変でしたよ。5~6人いましたよ、自殺した人。人間同士が愛し合うことに、どこが違うんだ。これは闘わなければいけないと思った」と語った美輪。世間の逆風は壮絶なもので、街中で石を投げつけられたこともあったという。

そして1965年(当時、美輪30歳)に思いを詰め込んだ歌を発表、それが『ヨイトマケの唄』だった。炭鉱の町でコンサートを行った際に、労働者のための歌を歌いたいと美輪が作詞・作曲。当時としては異例の30万枚を超える大ヒットだった。

ところが、タイトルの『ヨイトマケ』(地固めのとき、重い槌(つち)を滑車で上げ下ろしすること。作業を行う人。作業をする時の掛け声)。そして歌詞にでてくる土方というワードが差別的だとされ、テレビで歌う機会はなくなった“

しかし、歌詞を全て聞くとわかる美輪さんの“曲に秘められたメッセージ”。それは、“無償の愛”と“思いやり”。この名曲を後世に残すため、坂本九さんや、桑田佳祐、石川さゆりなどアーティストがカバーしている。

美輪は、「どうして貧しい人の歌はないんだろうと思ったのね。みんなキレイキレイばっかりで、社会派ソング作ってやろうと思って。家へ帰る途中ね、ドッドドンドンドン…音が聞こえてきたの。何だこれはと思って。ピアノでそれ弾いているうちに歌詞が…、2~3時間で曲も詩もできちゃったの。これは“授かった歌”だな」と思ったという。

そして、日本テレビに残された歌唱映像は発表から59年経った今までで一度だけ。番組では伝説のパフォーマンスがノーカットで放送された。それは、初めて見るようなパフォーマンスと歌声、そして心に奥深く刺さるメッセージだった。

この歌唱シーンを見た視聴者のSNSでは、「心を揺さぶるソウル」「泣いてしまいました」「心に響いた」など若い世代にも大反響となった。

写真提供:(C)日テレ

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