柄本時生 「人生で初めててなくらいエゴサしました」大切な仲間とともに手掛けた作品だからこその苦悩
2025.5.26 11:30
俳優として活躍する柄本時生(35)が、24日放送の『Google Pixel presents ANOTHER SKY(アナザースカイ)』に出演した。今回は北海道で、自分にとって転換点となった作品を振り返り、将来の目標を語った。
札幌市内で友人と再会を果たした柄本。「あだ名がファルコンって言って、本名僕知らないんですよ」と言って紹介する。ファルコンさんは特に本名を教えたくないわけでもないというが、本名を知っているかどうかなどは特別問題にならないそう。出会いは2年前とのことで、札幌について色々なことを教えてくれたと言い、今回は一緒にジンギスカンを楽しみながら、会話に花を咲かせた。
ファルコンさんは初めて会った際の柄本の印象ついて「最初は“なんて腰の低い人なんだ”っていう。腰低いどころか、あまりにも自分を卑下しすぎなんじゃないかみたいな。誰が見ても(柄本時生と)わかるじゃないですか。でも“知らないでしょうけど柄本です”みたいな自己紹介の仕方だったので」と話す。これを聞いた柄本は「不安なんですよねきっと。自分の職業だったりに自信がないんで」と、照れくさそうに笑った。その後ファルコンさんから北海道について教えてもらううちに仲良くなっていった2人だが、昨年の夏、柄本が長期間北海道に滞在した際には、柄本の所在ない様子を感じ取っていたという。
その当時、柄本には大きな不安の種があり、自身がプロデュースした連続ドラマ『錦糸町パラダイス』が放送されていた。俳優として芝居一筋だった自分が初めてプロデューサーとしてかかわった作品で、「情報解禁をしてから、人生で初めてなくらいエゴサしました」と、気が気でなかったとのこと。しかしそんな風に不安になっていたのは自分の評判を気にしてのことではなく、協力してくれた仲間を思ってのことだった。
企画から撮影まで2年を要した『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本〜』の制作には、岡田将生、落合モトキ、賀来賢人といったプライベートでも親交のある仲間たちが駆け付けてくれた。「20代のころ4人でよく集まって、こういうことやりたい、ああいうことやりたいなんて話していた夢物語ってのを一回でいいから実現させてみたい」と、そんな思いが出発点だったという。さらに共に作品のプロデュースを手掛けた俳優で舞台演出家の今井隆文とは、何度も作品の方向性について互いの意見を交わした。本気で良い作品にするため、時にはケンカもしながら2人で制作を指揮したという。多くの仲間と作り上げた作品だからこそ、「出来上がったものの評価だったりには実はあんまり興味ないんですよ」と話す柄本が、珍しく作品の評判を気にしていた。「思い出になるものになって欲しい、とにかく。やってよかったとは言ってもらいたいというか。恥かかせちゃいけないからとにかく」と、当時の心境について語った。

結果としてドラマは評判となったが、改めてその制作について振り返ると、「めっちゃくちゃつらかったですね。ただそのつらさがその分楽しかったっていう意味合いになるんですけど」と話す。「僕は1からモノを作ったことがないからなっていう感覚がずっとあって、俳優部は0から1を作ったことがない人間たちなので、誰かに作っていただいた、脚本家に書いていただいた“1”をやる。もうレールが出来上がっているんですよ、終わりまでのレールが。やっと1個だけですど、そういうモノを作ったことによってなんか、ちょっと人間的に自信がつきました」と続け、人生の大きなターニングポイントであったと語った。