30年の冒険が新たな伝説へ──『バレエ・ドラゴンクエスト』、今夏ふたたび降臨

2025.5.23 14:15

1995年に初演された『バレエ・ドラゴンクエスト』は、国民的人気を誇るRPG(ロールプレイングゲーム)とクラシックバレエという異色の融合で、観る者の想像力を鮮やかに刺激してきた。以来50回以上の再演を重ね、唯一無二の舞台芸術として愛され続けている。本作は2025年8月、新国立劇場オペラパレスにて、誕生30周年記念公演として帰ってくる。

8月23日・24日の両日公演では、国内外の第一線で活躍するゲストダンサーが名を連ねる。白の勇者役にはボルドー・オペラ座バレエ団エトワールの太田倫功、黒の勇者には英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団ファースト・ソリストの伊藤陸久、王女役には新国立劇場バレエ団ファースト・ソリストの池田理沙子が登場。世界レベルの舞台表現が期待される顔ぶれである。

今回最大の注目点は、すぎやまこういちの音楽世界を、東京都交響楽団が初めて生演奏で届ける点にある。シリーズⅠ~Ⅵの名曲に書き下ろしを加えた全41曲の構成は、ゲームファンにとっては胸を熱くし、バレエファンにとってはダイナミックなドラマの伴奏として心を揺さぶる。演出・振付を務めるのは鈴木稔。美術家ディック・バードによる舞台美術も、ファンタジーの世界観を一層豊かに演出する。

制作背景には、スターダンサーズ・バレエ団の理念が息づく。創立60周年を目前に控えた同団は、国内外での公演実績に加え、学校巡回や劇場空間での鑑賞に不安がある方のためにアレンジされた「リラックスパフォーマンス」、パーキンソン病患者とのプログラムなど、多様な形で舞台芸術の裾野を広げてきた。本作にもまた、年齢や背景を越えた観客に開かれたバレエの姿勢が貫かれている。

初演時にすぎやまこういちは、こう言葉を寄せている。「作曲家としての私に子供の頃から最も大きな影響を与えたのは 数々のバレエ音楽でした。 バレエと言うのは少年時代からの憧れであり夢だったのです。 この創作バレエ『ドラゴンクエスト』で、 バレエファンの方々は『ドラゴンクエスト』のファンタジックな世界を、 ドラゴンクエストファンの皆さんにはバレエの舞台の素晴らしさを 感じて戴ければ幸せです」。
バレエファンにとっては新たな物語との出会いを、ゲームファンにとっては芸術との架け橋を提示する、唯一無二の体験が待っている。

今夏限りのスペシャル公演。幻想と勇気の世界を、ぜひ劇場で体感してほしい。

≪公演概要≫
スターダンサーズ・バレエ団公演「バレエ・ドラゴンクエスト」全2幕
日時:2025年8月23日(土)/24日(日) 14:00開演 (13:15開場)
場所:新国立劇場 オペラパレス

◆キャスト
白の勇者 太田倫功 (8/23) 林田翔平 (8/24)
黒の勇者 伊藤陸久 (8/23) 池田武志 (8/24)
王女 塩谷綾菜 (8/23) 池田理沙子 (8/24)
魔王 大野大輔
賢者 福原大介
戦士 中川郁
武器商人 鴻巣明史
伝説の勇者 久野直哉
聖母 角屋みづき

◆音楽・スタッフ
音楽 すぎやまこういち
演出/振付 鈴木 稔
舞台美術 ディック・バード
台本 河内連太(堀井雄二原作による)
指揮 田中良和
管弦楽 東京都交響楽団
照明 足立 恒
舞台監督 伴美代子

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