働く世代の5割以上がスポーツ習慣なし…河合純一スポーツ庁長官が職員と「首」「肩甲骨」エクササイズにチャレンジ!可動性の改善に驚き
「肩が重い」「腰が痛い」——デスクワーク中のあなたも、今そう感じていないだろうか。働く世代のスポーツ実施率の低さが課題となっている中、スポーツ庁が自ら職員のスポーツを通じた健康増進に取り組むべく職場エクササイズ講座を開催した。デスクワークによる肩こり・腰痛などの不調の予防・改善につなげる身体診断「セルフチェック」「改善エクササイズ」講座が11月10日(月)に行われ、30名ほどの職員が参加。チェックとエクササイズで30分。特別な器具も着替えも不要の簡単なエクササイズで、体は改善するのか。河合長官をはじめとする職員がチャレンジした「Sport in MEXT」プロジェクトの内容をレポートする。
まずは「首」
パソコンやスマートフォンの長時間使用で筋肉が固くなりやすい首。回旋の動きで可動性をチェックする。
・腰に手を当てまっすぐ立つ
・頭の上から一本自分に線が通っているイメージで
・肩が一緒に開かないようにゆっくりと頭を横に回す
・顔の中心が肩のラインまで向けているかどうか確認
・左右差にも注意

互いに「ビフォー」をチェックしあった後、首の可動性を改善するエクササイズとして紹介されたのは「弓引きの動き」。手と顔の位置を固定したまま身体を回転させることで、首の可動域を広げるのが狙いだ。
①腰を落とした状態で立ち、膝を閉じる
②一方の手を軽く顔の前に出し、手の甲を見る
③出している方の手と反対側に出来るだけ身体を回転させる
④手の甲の位置を固定したままゆっくりと元の位置までもどる。
⑤前に出した手を変えて、それぞれ3~5回、2・3セットを目安に行う

参加者は慣れない動きに戸惑いながらも、教え合ったり笑顔で声を掛け合ったりと楽しんでいる様子。さらにストレッチも行い、再度首の回旋チェックが行われた。
そして「肩甲骨」
可動性が下がっていると、肩だけではなく腰や足への負担にもつながるという「肩甲骨」。
チェック方法は
・親指が前に来るように親指と人差し指で、手と反対側の耳たぶを摘まむ
・耳たぶを摘まんだまま、肘を顔の前から頭の後ろに回し、顔の前まで戻す
というシンプルなものだが、これが難しい。肘が頭の後ろまで回らない、回すときに頭が動く場合は、可動性が十分ではない可能性がある。
河合長官も苦戦するチェックの後に紹介されたエクササイズは壁を使ったもの。

①壁から拳一つ分離れて立つ
②壁に背中全体をつけ、両肘は肩の高さで90度ほど曲げて、肘と手首が壁に着くようにする
③手、肘の位置は変えない
④肘、手、背中が壁から離れない範囲で最大限腰を下ろす
⑤手の位置を変えずに、ゆっくりと元の位置まで戻る
腰をそらさず、腹圧を抜かないままで行う。
エクササイズ後のチェックで河合長官は、事前のチェックで回らなかった肘が後ろまで通って驚きの表情を浮かべていた。

全員で「紙風船をつぶさないようにつぶす」
室伏前長官が考案した「紙風船エクササイズ」の参加者全員協力バージョンが最後の種目。参加者は輪になり、右手で自分の紙風船を持ち、左手で隣の人の紙風船を持つ。講師の指示で右手を伸ばして相手の紙風船を押し、紙風船が潰れないように左手で押し返す動作を交互に繰り返した。

互いの手の間に挟んだ紙風船を潰さない・落とさないように筋肉に力を入れ、重心と共に左右に動かすのはチームワークも必要でなかなか難しい。
「つぶさないようにつぶすつもりで!」と指示が飛ぶと自然と参加者も声を掛け合い、カウントしながら10回成功。

「じんわり汗をかいた」と笑いながら、河合長官が取材に応じてくれた。
「セルフチェック、実際にやってみたら痛かったですね。仕事を頑張りすぎてるのかな(笑)自分の体に向き合うって大切なことなので、今日教えてもらったことを私も活かしながら更に広められるように頑張りたいと思います」

働く世代、企業に向けて気軽に運動ができる環境を整えるスポーツ庁の取り組みについて河合長官は
「現役世代といわれているところのスポーツ実施率が低いというのがデータで明らかになっています。職場でできる、自宅でできる、手軽にというのが1つのキーワードだと思いますので、短時間でも、1人でもできるようなプログラムをしっかり提供していきたいですね。基本はやっぱり楽しくね、スポーツは楽しいのが何よりだと思うんで」
と強調。パラリンピックで計21個のメダルを獲得してきたパラ水泳のレジェンドでもある長官だが、「先月1回泳いだくらい。ときどきパーソナルジムには行くんですが、ちょっと甘えがあるのかな」と苦笑する場面も。「もちろん庁内で積極的に取り組むのと同時に、より社会に広めていく活動を考えています。戦略を練りながら、どう働きかけていくのがいいか検討していますので、皆さんも楽しみにしていてください」と意欲を示した。












