男性は女性の約4倍!長州力も気になる“がんの遺伝”についてと危険信号 「悩みがあれば気軽に受診してほしい」
アストラゼネカ株式会社は10月24日に「あなたにも知ってほしい膀胱がんのこと」と題した市民公開講座を開催。元プロレスラーの長州力と富山大学 学術研究部医学系 腎泌尿器科学 教授の北村寛氏が登壇し、膀胱がんの基礎知識や早期発見の重要性について語った。
膀胱がんは日本で10番目に多いがんで、患者数は約2万3,000人。患者の90%以上が50歳以上で、男性は女性の約4倍の罹患率となっている。血尿をはじめとする症状が特徴だが、早期発見と適切な治療が重要だという。
長州力は「がんは遺伝するのか」と質問すると、北村教授は「遺伝でがんになりやすい家系はあるんですけど、全てのがんのうち遺伝が原因となるのは5%ほど。95%は遺伝に関係なくがんになる」と説明。「うちはがん家系じゃないから大丈夫という考えは危険」と注意を促した。

また今年74歳になる長州は「最近トイレに行く回数が多くなった」と明かすと、北村教授は「年齢とともに前立腺肥大症になる方が多く、頻尿の症状が出ることが多い。ただしそのことがきっかけで膀胱がんや前立腺がんが見つかるケースもあるので、症状改善も含めて一度泌尿器科を受診するといい」とアドバイスした。
泌尿器科への受診について長州は「自分たちの世代は泌尿器科とかに検診に行くのが、ちょっと…どこかでなったらなったらでしょうがないだろうという気持ち…」と本音を吐露。北村教授は「泌尿器科に受診して症状を話すのが恥ずかしいなと思う方もいらっしゃると思うんですけど、我々泌尿器科医はそんなこと思っていない。ちょっとでも悩みがあれば気軽に受診してほしい」と呼びかけた。

膀胱がんの症状について北村教授は「痛くない血尿がやばい」と強調。「肉眼で見えなくても検査で分かる血尿もあるので、年に1回は尿検査を受けることをお勧めします」と話した。女性の場合は月経との区別が難しい場合もあるが、「普段と違うと直感的に感じたら受診を」と促した。
長州は「プロレスの試合後は尿の色が普段と違う」と明かし、北村教授は「激しい運動後は尿が濃縮されて濃い黄色っぽい色になるのは生理的現象。ただ、ピンク色や真っ赤、茶色っぽい色、血の塊が出るなどいつもと違う場合は調べてもらった方がいい」と語った。

治療法については「患者さんから治療法の希望を伝えてもらうことも可能です。医師が一方的に治療法を押し付けるのではなく、患者さん自身の希望や価値観も考慮して治療方針を決めていくのが理想的」と説明。セカンドオピニオンについても「医療界では日常的になっているので、遠慮せずに行ってほしい」とコメント。
膀胱がんの最大の危険因子は喫煙であることが紹介されると、喫煙者である長州も「怖くなった」と発言。「本数を減らしていこうと思います」と禁煙への意欲を見せた場面もあった。
セミナーの最後に長州は「今回お話を聞いて、健康的に長生きしていく間に膀胱がんにならなければいいなと思いましたし、そのためには定期的に健診していかなければと思いました。意識しながら健康を維持していきたいです」と語った。
さらに北村教授は「いつもと違うことが起こったら早めに受診してほしい。我慢していいことは一つもありません」と強調しイベントを締めくくった。











