カズレーザー 1回の対局で数kg痩せるプロ棋士の脳測定…深い眠りに導く“デルタパワー”に驚き!棋士じゃなくてもマネできる方法も紹介

カズレーザーがMCを務める『カズレーザーと学ぶ。』が8月12日に放送された。今回は夏休みにちなんだ特別企画。『研究者がガチでやってみた!真夏の自由研究SP』というテーマで、専門家らが番組支援のもと、好奇心の赴くまま検証を行った。
筑波大学の国際統合睡眠医科学研究機構で機構長を務める柳沢正史氏は、ノーベル賞の有力候補とされる、日本を代表する睡眠研究の権威。そんな柳沢氏が「どうしても昔からやってみたいと思っていた」と話す調査があり、それが『将棋の棋士は深い睡眠をとっているのか?』という疑問の検証。脳の疲労が多ければ多いほど、深い睡眠がとれる傾向があるが、体を動かすわけでもないのに、たった一度の対局で3~4kgの体重が減少することもあるプロの棋士が、どのような睡眠をとっているのか長年気になっていたという。
検証に協力してくれたのは、プロ棋士の久保利明・九段(49)。17歳でプロ入りし、棋王を3回、王将を4回獲得した経験もある。久保九段は対局後の感覚について聞かれると、「疲れるし、やっぱ考えること多いんでその分、めっちゃ疲れます」「ずっと頭使ってるんでなんかこう回転している感じですね」と話し、やはり常人以上の深い睡眠をとっている可能性が高そうだ。
今回の検証にあたって柳沢氏が1つの指標としたのが、『デルタパワー』。デルタパワーとは睡眠の深さを表す指標だといい、デルタパワーがある一定以上の高さになると、ノンレム睡眠の中でも一番深くぐっすり眠っている状態、質の良い睡眠『N3』の状態であるとのこと。デルタパワーが大きければ大きいほど、それだけ脳のリフレッシュや回復が進んでいると判断できるのだという。

久保九段のオフの日の睡眠と、1日中将棋盤に向かっていた日の睡眠を比べると、明らかな違いがあらわれた。オフの日でもある程度のデルタパワーが確認され、深い睡眠をとれていたが、対局を重ねた日の結果を見てみると、それをはるかに上回るデルタパワーが計測された。柳沢氏は「デルタパワーってやっぱり夜の前半で一番高くて、だんだん減っていくんですよね。それはそういうものなんですけれども、その最初のピークがやっぱり高い」と解説し、得られた結果に驚いた様子を見せた。
柳沢氏によると、棋士ほどとはいかずとも、日常生活の中でデルタパワーを高める方法があるという。それが“就寝3時間前のマルチタスク運動”。頭を使う認知活動と体を使う身体活動を同時に行うもので、高齢者向けによく紹介されているという。柳沢氏は「一見、単純そうに見えますが、非常に複雑なステップを覚えて、その通りやらなきゃいけない。これをやった日っていうのはその日の睡眠がより深くなる」と話す。ある研究ではマルチタスク運動によって前頭前野が活性化され、デルタパワーが25%も向上したという。
一般家庭では、たとえば踏み台を上り下りしながら、1人しりとりやグーパー運動など認知活動を15分間行うことで、デルタパワーの増加が期待できるそう。ポイントは、同じ認知活動続けると脳が慣れてしまうため、5種目を3分ずつ、合計で15分間ほど行うのが効果的とされた。
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