普段の買い物や移動がCO₂削減に貢献?森林保全に取り組むソフトバンクが消費者参加型の植樹プログラム「NatureBank」を始動

ソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク」)は7月30日(水)、森林保全支援や脱炭素社会の実現を目的とした新たな森林保全の取り組みを発表。買い物や移動、検索など日常的な行動を通じてCO₂削減に貢献できる仕組みが提供される。
AI(人工知能)と共存する社会の実現を目指し、事業の側面からさまざまな取り組みを行ってきたソフトバンクは、技術開発に伴うエネルギー消費やCO₂排出の課題にも正面から向き合い、再生可能エネルギーの活用や、CO2削減にも取り組んできたという。会見の冒頭、代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一氏は森林保全の重要性について述べ、さらに2つの取り組みを発表した。

宮川氏によると、この25年間で自然災害の規模は明らかに甚大化。気候変動による影響はますます深刻さを増しており、温暖化対策はもはや先送りできない喫緊の課題。ソフトバンクは電気通信事業者であり、AIを推進するインフラ企業として、今後もエネルギーを活用しながら事業活動を続けていくために再生可能エネルギーの開発や、CO2削減プロジェクトに責任を持って積極的に取り組んでいくという。
そこで、宮川氏が発表した取り組みの一つが、企業版ふるさと納税を活用した森林再生応援プロジェクト。現在、日本の森林は、樹齢51年以上の老齢樹木が全体の約8割を占めており、樹木の高齢化が進行。樹木は50年を過ぎると急激にCO₂の吸収力が落ちるため、実際、直近10年間で樹木による吸収量は6,100万トンから4,500万トンへと約26%も減少しているという。
この問題に対し、全国の自治体と、これを支える企業を応援すべく、ソフトバンクは企業版ふるさと納税での寄付により、今後15年間で全国に180万本の植樹支援を目指すそうで、面積換算では約600ヘクタールの森林再生を予定しているという。
次に発表したのは、消費者と共に森林保全を推進するCO₂削減貢献プログラム「NatureBank」。ユーザーがエコサービスを利用することでソフトバンクがCO₂削減量を算出し、それと同等の本数の植樹を支援する仕組みを整えているという。
植樹促進の仕組みや具体的な参加方法についてはソフトバンク CSR本部 本部長の池田昌人氏からも説明が行われた。日頃から利用しているサービスをいつも通り使うことや、「NatureBank」公式サイトの閲覧数、LINE公式アカウントのスタンプのダウンロード数などに応じて、同等のCO2吸収量を算出、本数に換算して植樹をするという。また、多くの人にこの取り組みを覚えてもらうため、毎月第1木曜日を「NatureBankの日」として設定したと発表し、「引き続き日本全体の再生と明るい未来を実現するため、推進していく」とコメントした。
さらに、LINEヤフー株式会社 代表取締役社長 CEO 出澤剛氏は、「Yahoo!乗換案内」「Yahoo!カーナビ」などのサービスを利用する際に、CO₂排出量の少ない環境負荷の低いルートを選択した場合、その行動に応じて植樹支援を進めて行くと説明。この活動を広く知ってもらうために、循環型経済・環境意識の醸成を目的として、「NatureBank」のオリジナルスタンプを提供し、スタンプのダウンロード数に応じて、植樹支援を実施すると述べた。

また、PayPay株式会社 代表取締役 社長執行役員 CEO 中山一郎氏は、キャッシュレス決済サービス「PayPay」を利用することで、現金に比べて CO₂排出量を約4分の1に抑えることが可能であると説明。PayPay銀行の通帳レスの取り組みや店舗運営の非対面接客のためのZoom活用、さらには配送におけるペーパーレス化や効率化などを推進することで、環境負荷のさらなる低減に貢献していくと述べた。

発表会場の隣には、ソフトバンクや各自治体の森林保全に関する取り組みをまとめたブースも出展。宮川社長らが自治体のブースを訪問し、自治体代表者と意見交換などを行った。


◆いつものサービスを使うだけで森が育つ「NatureBank」
「NatureBank」は、日本の森林や環境の保全を推進するための誰でも無料で参加できるプログラム。企業・自治体・ユーザーが一体となって環境課題の解決に取り組むことで、地域ごとの継続的な自然再生と、広域的なCO₂削減の両立を目指すもの。一人一人のエコ行動とテクノロジーを結びつける仕組みを通じて、持続的な森林保全への貢献を実現していく。

「NatureBank」の最大の特長は、ソフトバンク、LINEヤフー、PayPay、ZOZOなどのグループ企業が提供するサービスを活用し、特別な操作や登録を必要とせずに環境貢献ができること。全16のエコアクションが対象で、グループ全体の3億以上のユーザーに、買い物や移動、検索など日常的な行動を通じてCO₂削減に貢献できる仕組みが提供される。
「PayPay」でお得な「スーパーPayPayクーポン」を利用したり、「Yahoo!フリマ」で商品を再利用したり、「Yahoo!乗換案内」や「Yahoo!カーナビ」でエコなルートや交通手段を選んだり、「NatureBank」公式サイトや「NatureBank」公式LINEで情報を得てスタンプをダウンロードしたりと、こうした日常のサービス利用が、すべて「エコ行動」としてカウントされる。

ユーザーが行ったアクションに対して、スギの木が60年で吸収するCO₂量を基準としたCO₂削減量を推計し、排出削減量として可視化。その削減量に応じて森林への植樹を行い、日々の小さな選択が確実に森づくりにつながっていくことを実感できる仕組み。公式サイトでも、起動画面をタップするだけで植樹に貢献できる。