Perfumeも共演!驚愕のミュージックビデオで話題をさらうOK Go MV制作の舞台裏とフジロックの魅力をインタビュー

2025.7.23 19:20
OK Goの写真

11年ぶり2回目となる『フジロックフェスティバル’25』に出演する、アメリカの4人組バンドOK Go(オーケー・ゴー)。
写真:左から)アンディ・ロス(key/g)、ダン・コノップカ (d)、ダミアン・クーラッシュ (vo/g)ティム・ノードウィンド (b)

その音楽は、ニューウェイブを土台にしたポップでファンクなサウンドが魅力。だが、何よりも彼らを唯一無二の存在にしているのは、驚きに満ちたミュージック・ビデオの数々だ。ワンショット撮影にこだわり、無重力空間での不思議な映像など、そのアイデアは常に話題をさらってきた。日本のPerfumeもビデオに出演している。

フジロック出演を2日後に控えたOK Goは、日本テレビの情報番組『DayDay.』で生パフォーマンスを披露。バンドのフロントマンでボーカル&ギターのダミアン・クーラッシュ、ベースのティム・ノードウィンドに、最新ビデオ制作の舞台裏から、フジロックの魅力、日本のアーティストとの意外なつながりまでたっぷりと話を聞いた。

自然と音楽が一体になるフジロックという空間

――フジロックに出演されますが、楽しみにしていることは?
ダミアン:東京ほど暑くなくて、景色もきれいなところがいいですね。たくさんの人がいるんだけど、まとまっていて、音楽の世界に浸っている。平和で喜びにあふれた雰囲気があるのが、フジロックの魅力だと思っています。

64画面×スマホの映像も!毎回、限界を超える表現

2025年4月にリリースされたアルバム『And the Adjacent Possible』には、『A Stone Only Rolls Downhill』という作品も収録されている。このビデオでは、64台のスマートフォンを使って撮影された映像をモザイクのように組み合わせるという、まさに映像の可能性を拡張する試みに挑んだ。

ティム:僕たちの映像制作って、普通のやり方とは少し違うと思うんです。物語やメッセージを伝えるよりも、とにかく音楽を楽しんでもらうことが目的。だから「見ていて気持ちいいかどうか」が判断基準で、よくなければ使わないし、よかったら使う。それだけ。

子供のおもちゃと鏡から生まれた『LOVE』の映像

――今回のアルバムの中でも、特に『LOVE』のミュージックビデオは話題になりましたね。
ダミアン:ミュージックビデオを作る発想は、日常生活の中で発見することが多いです。『LOVE』のヒントは、子供のおもちゃがたまたま鏡に映っていたのを見た時にひらめきました。そこから、鏡で何ができるかを1週間くらい、とことん試しました。何度も何度もアイデアを試し、20通り、30通りと仕掛けを増やしていって、それを音楽にどう合わせていくか考えました。

ロボットと鏡を組み合わせた驚愕の世界 『LOVE』

最新曲『LOVE』の映像は、29体のロボットアームと63枚の鏡を駆使し、複雑な振り付けのダンスを重ねた万華鏡のようなビジュアルが印象的だ。

ダミアン:今回は「ロボットと鏡をどう組み合わせたら面白いか」を考えました。でも、ロボットについては自分たちは詳しくなかったので、それを扱えるクリエイターを探しました。
ティム:ロサンゼルスで映画やCMのディレクターとよく話すことがあるんですが、僕たちのやり方は彼らとはまったく違うから面白がられるんです。
ダミアン:映像も演出も、まず“やってみる”から始まる。普通の撮影では「効率」や「制限」が優先されるけど、僕たちは面白いアイデアや遊び心を最優先しているから、スタッフもすごく楽しんでやってくれます。

OK Goのメンバーは、監督として自ら作品を手がけることも多い。彼らの映像制作は、毎回、信頼できるクリエイターとのコラボレーションで生まれている。
ダミアン:一緒に何かを作ってみたいと思うクリエイターに出会うこともありますが、例えば『LOVE』では、ロボットに詳しい人と組むことで、アイデアがどんどん広がっていきました。

OK Go – Love (Official Video)

日本のアーティストとのつながり

ダミアン:実は、ものすごく興味を惹かれる日本のアーティストがいるんです。倉嶌隆広というアーティストでデザイナーなんですが、彼のアイデアが本当に好きで、動きのある作品が素晴らしい。ぜひ一緒に仕事したいと思っています。フジロックでも会う予定なんです。

最新アルバム『And the Adjacent Possible』(アナログ盤) 
開くと立体のアートが飛ぶ出す

ダミアン:今回のアルバムジャケットをデザインしたのは、ロンドンに住んでいる日本人アーティストYURI SUZUKIです。彼とはかれこれ20年以上の付き合いになります。アナログ盤は、開くと絵が飛び出す面白い仕掛けが施されています。

ダミアン:こうしたアーティストとは、大きなアートのイベントなどで自然と知り合っていくんです。今では多くのクリエイターが、僕たちの世界観に共感してくれて、みんな喜んで一緒にやってくれるようになりました。

ハードルはどんどん上がっていく。それでも──

――毎回、作品へ期待値が上がり、アイデアのハードルも上がっていますよね?
ダミアン
:意図してそうしているわけじゃないんです(笑) ビートルズが新しいことに挑戦していたように、自分がワクワクすることをやりたい。それをやっていたら、自然とハードルは上がっていく。でも、何かを「追い越す」ためにやってるわけじゃない。ただ、やりがいを感じて、生き生きと作れるものを作ってるだけなんです。

フジロックで体験する“素の音楽”と“自然の魔法”

――『LOVE』の歌詞はフジロックの雰囲気にも合っている気がします。
ダミアン
:この曲は、子供から大きなヒントをもらいました。愛情って、何度も再発見していくものだと思うんです。自分が知っているはずのことでも、毎回新しさを見つけられるし、無限の可能性がある。だからこそ、鏡がぴったりだと思いました。シンプルなものだけど、重ね方によって魔法のように無限の世界が映し出される。それって、フジロックの世界観とも重なります。自然と音楽が組み合わさると、そこに魔法が生まれるんです。

――フジロックでは、どんなライブになりそうですか?
ダミアン
:ミュージックビデオのように作り込んだ世界とは違って、もっと“素の音楽”と“自然の魔法”を感じてほしいですね。みなさんも周りの人と一緒に、それを体験してほしいです。

OK Goの写真

【出演情報】

OK Go
出演日:2025年7月25日(金)
会場:新潟・苗場スキー場
イベント:フジロックフェスティバル’25
HPはこちらから

文・写真:喜久知重比呂

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