Ado単独取材 “難読漢字に苦戦”!? 新曲『唱』は「言葉が音にぴったりハマっている」

2023.9.11 18:30

9月6日に新曲『唱』をリリースしたAdoに、entax取材班が単独インタビュー! 『唱』は「日本のお祭りを感じる、かっこよく楽しい楽曲」だが、難読漢字に苦戦し、歌い方も工夫を重ねたのだとか。毎回新しいことにチャレンジしている独自の歌唱法。そのアイデアの源はどこから来るのかについても語ってくれた。

(前・後編の前編)

■難読漢字に苦戦するも「言葉が音にぴったりハマって感動」

――9月6日リリースの新曲『唱(しょう)』は、かなりの早口で歌い上げるノリが良いパーティーナンバーですね。最初に楽曲を聴いた時の感想を教えてください。

Ado 初めて聴いた時は、「うわー、またすごくかっこいいナンバーをいただいて、こんなにうれしいことはない!」と思いました。でも聴けば聴くほど「これを自分が歌うのか……」という緊張感がじわじわと出てきました。

――作詞は、『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌『ウタカタララバイ』でも楽曲提供されたTOPHAMHAT-KYOさんです。今回の『唱』の歌詞を、Adoさんがどのように解釈されたか教えてください。

Ado 難しいワードや漢字がたくさん出てきて、歌詞をいただいた際に丁寧にカッコで読み仮名を振ってくださっていたのがありがたかったのと、ちょっと恥ずかしかったです(笑)。実際に歌詞を読むのと歌うのではまた発音が違って、歌用に崩している発音があったりもするので、読み仮名を見て「あ、この字はこう読むんだ。この漢字は初めて見る!」と思いながら読みました。日常生活では使わないようなワードも出てきますし。

タイトルが『踊』と同じく『唱』と一文字で、日本の文化を感じてすごく良いなと思いました。「蛇腹刃蛇尾(ジャバラバダビ)」「肺貫通低音狂(ハイカンツウテイオンキョウ)」といった言葉が音にぴったりハマっているところは感動的ですね。

細かく言えば、歌詞の意味やニュアンスと歌い方をリンクさせなければいけない部分もありました。例えば「繚乱桜花(りょうらんおうか) 御出座(おでま)しだ」というワードからは、日本人が何かを呼び寄せて行うお祭りを想像しましたし、楽しいイメージを持ちました。歌い方で面白さと新鮮さを表しつつ、全体的に盛り上げたい、楽しくしたい、という思いがありました。

■楽曲の良さだけに頼らず、自分の個性の色を足して“Adoらしく”したい

――作曲は、ヒット曲『踊(Odo)』を手掛けたGiga&TeddyLoidさんのコンビです。楽曲についてはどんな印象ですか?

Ado 『踊』に続いてご一緒できたのがうれしかったですし、『踊』とはまた違う華やかさ、エキゾチックさを感じてシビれました。Giga&TeddyLoidさんらしくもあり、新しくもあるのが魅力でした。

――かなり歌うのが難しい楽曲だと感じました。Adoさんが特に難しかった、工夫をした部分はどこでしょうか?

Ado けっこう全部難しいですが……「蛇腹刃蛇尾 騙る(かたる)二枚刃」のところはワードも歌い方も難しかったですね。地声が来たと思ったら裏声になり、その裏声も優しい裏声じゃなくてキーキーした裏声で、その後今度は野太い地声になって、最後はウィスパーになるという…(笑)。

――その歌い方はご自身で考えられたのですか?

Ado はい。今回も全体的に自分で考えて歌いました。楽曲も歌詞もグイグイくるものを見せてくださっているので、その楽曲の良さだけに頼らず、私自身の個性や私の色を足して「Adoの楽曲だ」と思われたい気持ちもあったので、いい感じに個性を出せたらと思いました。その結果難しくなってしまって「何これ!」って言いながら歌いました(笑)。

――新しく試した歌唱法などもあるのですか?

Ado そうですね。「野心家 嫉妬するようなジュース」の部分は、今までの私の歌唱法とは違うかなと思います。

Adoアーティスト写真

■街中の音楽など、様々なジャンルの音楽から刺激を受ける

――そういった新しい歌唱法のアイデアはどういう時にひらめくのですか?

Ado 気合いを入れて「新しい歌唱法を探すぞ!」という感じではないんです。新しい歌唱法を探すために他のアーティストさんの作品をインプットしているわけではなくて、日頃から色んな楽曲を何となく聴いている中で「あ、これ面白い」「この人の声素敵だな」「この作品のキャラクターはこんな歌い方するんだ」「こういう歌い方をするとこういう印象になるんだ」と感じたことが自分の中に自然と入っていてアウトプットしているような感じです。

ラップや今まであまり聴いてこなかったようなジャンルの楽曲を聴いてみたりする中で初めて出会うことも多いんです。なので、たくさんの楽曲に恵まれている時代に生きていることに感謝したいです。

――街中で聴こえてくる音楽から刺激を受けたりもするのでしょうか?

Ado そういう時もあります。カラオケの画面にたまたま流れてきた楽曲が気になって後から聴いたりもしますし、ジャンル問わずに耳に残ったものは積極的に聴くようにしていて、それが自分の糧(かて)になっているのかなと思います。

■日本の、現代の『スリラー』のような楽曲になってほしい

――『唱』は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン『ゾンビ・デ・ダンス』の新テーマソングにも決まっています。ご自身の楽曲で、ゾンビダンサーさん達やUSJのキャラ、お客さんが踊るシーンを想像していかがですか?

Ado 歌ってくださるのもうれしいですが、踊ってくださるのもすごくうれしいです。いまCMで『ゾンビ・デ・ダンス』のダンスを見て、実際にイベントが始まったらどんなふうになるんだろうって思っています。おこがましいかもしれないのですが……今回の『ゾンビ・デ・ダンス』を見てマイケル・ジャクソンの『スリラー』が思い浮かんだので、日本の、現代の『スリラー』のようなポジションになれたらいいなぁ…と思ってます。

(インタビュー後編に続く)

【Ado(あど)Profile

2002年10⽉24⽇⽣まれの歌い⼿。
2020年に『うっせぇわ』でメジャーデビューを果たして社会現象を巻き起こし、2022年1⽉に発売した1stアルバム『狂⾔』はロングヒット中。同年8⽉に公開した映画『ONE PIECE FILM RED』では主題歌/劇中歌を含む全7曲の歌唱を担当。CDアルバム『ウタの歌ONE PIECE FILM RED』もランキングを席巻し、12⽉からは初の全国ツアーを開催した。
2023年6⽉からは初の全国ホール&アリーナツアー「マーズ」を開催中。

【作品情報】

『唱』
2023.9.6 (水) Digital Release
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「ゾンビ・デ・ダンス」新テーマソング

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