映画『笑えない世界でも』 彩香・谷藤海咲らが語る作品への思い「言葉に頼らなくても伝えられることがある」

2025.10.18 22:45
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彩香、谷藤海咲の写真

2024年6⽉にドイツ「ハンブルク⽇本映画祭」にて招待上映されたほか、第10回賢島映画祭で〈準グランプリ(作品賞)〉と〈主演⼥優賞〉を受賞した映画『笑えない世界でも』が10月17日より池袋HUMAシネマズで劇場公開された。18日に行われた公開記念舞台挨拶には、彩香、谷藤海咲、野村啓介、岡本充史監督が登壇。オファーを受けた時や脚本を読んだ際の印象、配役の理由を語った。

テレビドラマの現場で長年にわたり演出を手がけてきた岡本充史が監督・脚本・撮影・編集のすべてを手がけた本作。いじめの被害者から加害者になってしまった”ぼっち”の川本優花(彩香)と、水川凛(谷藤海咲)の出会いと成長を描く。

|オファーを受けた時の思い

彩香は「この作品をやる前に岡本監督と短編映画を一緒にやらせていただいて、その時にすごく優しい世界を描く監督だなと思いました。私が役のことで悩んでいると、すぐ声をかけてくれる監督で、そういう優しさとか信頼感が生まれて、この作品の話をいただいた時にすぐに“やりたいです”と言いました」と語った。

谷藤も「岡本監督とは2017年の日本テレビのドラマでご一緒させていただいたので、付き合いが長いんです。岡本監督が初めて映画を撮られるということで、監督にとってすごく大事な作品で、自分に声をかけていただけたことがうれしかったです。内容を聞いて難しい役柄で、シンプルではない内容だけど、伝えたい思いがきっと岡本さんの中にあると感じたので、責任感を感じながらもすぐ“やりたいです”とお返事しました」と当時を振り返った。

野村は「僕は福田雄一監督がやっているブラボーカンパニーという劇団にいるんですが、岡本さんは毎回公演を見に来ていただいて、10年近くのお付き合いになります。僕がWEBドラマを作った時も岡本監督に監督していただいて、そういったご縁もありました。岡本さんの一生に1回しかない初長編作品に呼ばれた時は、光栄でしかなかったのですぐに返事をしました」と明かした。

|脚本を読んだ印象

彩香は「すごく辛いシーンがたくさんあると思うんですけど、凛と出会って明るい未来に行くという、私がとても好きな作品の種類でした。演じていて改めて、ここに立っていることも家族がいることも友達がいることも、当たり前じゃないことなんだなと気づかせてくれた映画だったので、この映画に出会えて、優花に出会えてとても幸せでした」と語った。

谷藤は「脚本を読めば読むほど凛の芯の強さ、心の強さを感じて、自分がやりたいと思う役になっていきました。気持ちを伝えたいという思いだけで凛を演じていた記憶があります。言葉に頼らなくても伝えられることはいっぱいあることをこの作品を通じて知りました」と話した。

野村は「僕は当て書きじゃないと思うんですよね」と冗談を交えながら「岡本さんとのお付き合いは長いですけど、ここまでのクズをやったことがない(笑)でも、大切な作品で僕にこの役を預けてくれたので、僕なりに役に対して愛情を持ちたいと思い、作品の中では描かれていないことをお話しさせてもらいました」と述べた。

|監督が語る配役の理由

岡本監督は「彩香さんに関しては他の作品でご一緒させていただいて、純粋にこの人のお芝居がすごく好きだなという思いで、この人だったら主演を任せられるという思いがありました」と説明。

谷藤については「お付き合いが長いこともありますが、やっぱり彼女の持っている熱、負けん気や、やる気というところが、絶対この凛という役に通じる部分があるなと思いました」と語った。

野村に関しては「やっぱり1人頼れる方がいてくださると現場としては助かるという思いでした。現場の空気が画に乗るので、一緒にやろうと思える部分、頼れる部分もあり、現場を支えていただけるという部分もあり。クズだろうといい人だろうとお任せしたら大丈夫だろうというところでお願いしました」と笑いを誘いながら明かした。

映画『笑えない世界でも』
池袋HUMAXシネマズにて絶賛公開中

【『笑えない世界でも』あらすじ】
いじめの被害者から一転、ある事故で加害者となり、家族から見放され鬱々とした気持ちで町工場で働いている“ぼっち”の川本優花(22)は、ある日、“ぼっち”になってしまった水川凛(21)と出会う。
理不尽でどうしようもなくて逃げ場がない日々が続く中、優花と凛の静かな会話とともに 二人の距離は近くなり、諦めから希望に向かって少しずつ動きだしていく―――。

【出演】
彩香 谷藤海咲
松岡亜依 藤崎朱香 林隼太朗
野村啓介
【スタッフ】
監督・脚本・撮影・編集:岡本充史 
音楽:横関公太
製作:加藤幸二郎 製作統括:長濱薫
エグゼクティブプロデューサー:佐藤悌 プロデューサー:渡邉浩仁
2025年/日本映画/86分/カラー/ビスタサイズ/5.1ch
配給:フリック

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