韓国新作ドラマ2作品が日本初お披露目 “AI”、“初恋”…いまを生きる心に寄り添うテーマに注目【TIFFCOM2025】

2025.11.11 13:00
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東京国際映画祭に併設されるマルチコンテンツマーケット「TIFFCOM2025」にて、LG U+の新作韓国ドラマ『ラブフォビア(LOVE PHOBIA)』と『未来の未来(Someday of Me)』の特別ショーケースが行われた。会場にはキャストや制作陣が登壇し、作品に込められたテーマや演出意図が語られた。

© TIFFCOM 2025

『ラブフォビア(LOVE PHOBIA)』は、感情に100%敏感な小説家・スンホと、感情認識0%のAIブラインドデートプラットフォーム「It’s You」を運営するCEO・ビアが、互いに向き合いながら“愛”を学んでいく物語である。タイトルの「LOVE PHOBIA」は“愛の恐怖症”を意味する。一方で「ラブ・フォー・ビア」“ビアのための愛”という言葉遊びも含み、愛に傷を抱えた人々が、ゆっくりと心の痛みを分かち合いながら癒やされていく過程そのものが、作品タイトルの答えとなっていく。ワン・ヘリョン監督は本作の着想についてこう語る。

「我々の生活の中にAIが深く入り込んでいるが、“人間の感情を変えられるのか”、“愛を伝えられるのか”という疑問からこのドラマを作った。愛というのは、人間だけが持つもので、人と人のつながりを通して癒されるのではないかというメッセージを伝えたかった。」冷たい未来都市を背景にしながらも、人の温度が確かに存在するロマンティック・コメディである。

© TIFFCOM 2025

『未来の未来(Someday of Me)』は、明るく活発なミレが、恋人の浮気を目撃したことをきっかけに、自分のプライドと心の回復をめぐる旅に出る青春成長ドラマである。親友や幼なじみとの関係性を通して、怒り・嫉妬・初恋・痛みなど誰もが経験した感情が繊細に描かれていく。イム・ゴンサム監督はテーマを「成長」と語る。

「初恋の記憶は誰にでもある。初めてというのは拙い。成熟していく過程にこそ、共感のポイントがある。」

主演のナナは、ミレというキャラクターについて「自分の力で困難を乗り越えようとする、健康的な人物」と表現。キム・ドンヒョンは「登場人物の多くが心優しくあたたかい。作品全体から、そのやさしさが伝わるはず」と話した。

© TIFFCOM 2025

今回のTIFFCOMでは、『ラブフォビア(LOVE PHOBIA)』『未来の未来(Someday of Me)』が日本で初めて披露される場となった。主演俳優や制作陣が語った言葉と映像からは、作品が持つ温度と息づかいが鮮明に伝わり、会場は期待感と熱気に包まれていた。
韓国ドラマが描いてきた“愛”のテーマを、現代的な問いとともに更新する2つの新作。
今後の続報にも注目したい。

© TIFFCOM 2025

<作品概要>
■『ラブフォビア(LOVE PHOBIA)』
ジャンル:ロマンス/全8話(各60分)
監督:ワン・ヘリョン
出演:ヨンウ、キム・ヒョンジン、

効率性が人間関係よりも優先される近未来を舞台に、愛の意味を探求するロマンティック・コメディドラマ。AIデーティングアプリの代表・ビアと、感情表現に長けたロマンス小説家ソンホが協業をきっかけに出会い、互いの価値観の衝突や心に残る傷と向き合っていく。

■『未来の未来(Someday of Me)』
ジャンル:ロマンス/全6話(各30分)
監督:イム・ゴンサム  プロデューサー:キム・ソンニョン
出演:ナナ(WOOAH)、キム・ドンヒョン(AB6IX)、コ・ギュピル、チョ・イゴン、チャ・ギョンウン

初恋の幻想から解放され、真の自分を見つけていく若い女性の成長を描いた青春物語である。恋人と親友の裏切りを目撃した主人公・公ミレが、傷ついた心とプライドを取り戻すために動き出すことから物語は始まる。復讐、自己成長、友情、家族、ロマンスが交錯しながら、ミレは恋愛の痛みだけでなく、自分自身への理解と愛を深めていく。“誰かを愛すること”よりも前に“自分を愛すること”へと戻っていく過程が、瑞々しい感情表現とともに描かれる。現実の恋や悩みを抱える多くの視聴者に寄り添う、共感性の高い作品。

写真:© TIFFCOM 2025
取材・文:和田弘江

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