声優・小松未可子&佐藤拓也 新作『キャッツ❤︎アイ』の役作りは“令和の年齢感”を大事にしつつ「80年代のギャグを後世に…!(笑)」
|「割と“若い”イメージで」時代に合わせた役作り

──アフレコ時、特に印象に残ったディレクションを教えてください。
小松 1番最初に言われたのが、「とにかくラブコメであることをお忘れなきように!」「ラブコメのシーンは思いっきりラブコメしてください!」でした(笑) やっぱり、この作品はシリアスなシチュエーションがベースにあったりはするんですけど、「遊べるところは遊びたい」「面白くできるところは面白くしたい」と。いわゆるメインキャラではない、本当にちょっとしたガヤみたいなところであっても“遊びの部分”にこだわっていたのが印象的でしたね。
佐藤 たった一つのセリフに対してもディスカッションしてくださり、どういう方向で表現したらいいんだろうねと丁寧に時間をかけて録ってくださいました。僕らもその中で、自分の持ち物として思っていたものを作品に消化できますので、非常にいい時間で収録させていただいたと感じます。俊夫の“息”一つとっても「ここはこういう感情だと思うので、もっとこういう風な〜」と。アプローチを色々試させていただくと、それを重ねていく中で発掘できることもありますからね。

──瞳は“怪盗”と“俊夫の恋人”という2つの顔を持ちますが、その二面性はどう演じ分けたのでしょう?
小松 実は、俊夫に対しては自分の中のイメージのもと演じていたのですが、「もうしょうがないなぁ」っていう場面のところでも(ディレクション側から見ると)思ったより冷たくあしらっているような感覚を覚えたようで、「もっと優しくしてあげてください!」って…(笑)
小松 すごくよく言われたので、もうとにかく俊夫といる時は柔らかめを意識していましたね。高校生の時からお付き合いをしていて、かつプラトニックな恋愛ということもあるので、そこの未熟さと、ある意味の母性と同世代の優しさ、柔らかさみたいなものは特に気をつけて演じていたと思います。
──“前作”アニメで声優を務めた戸田恵子さん(瞳 役)、安原義人さん(俊夫 役)から影響を受けた点はありますか?
小松 私の中では戸田さんのイメージが本当に強かったので、リスペクトを込めて、どこかその雰囲気を残せたらいいなという思いは念頭に置いていました。ですが今回、改めて令和版の『キャッツ❤︎アイ』ということで「また新たな瞳を作れたらいいな」「自分が演じている意味があればいいな」という思いもあり、結構“現場で作っていった”形です。
小松 オーディションの時も、戸田さんをリスペクトして役を作っていったんですが、「1回、忘れていただいて」というご指示をいただきました。(昭和の名作を令和にリメイクするという)この作品で、この時代で、このアニメーションだからこその瞳の喋り方、雰囲気、そういったものがどこかにじみ出ていたらいいなと思います。
佐藤 僕自身も安原さんの俊夫をずっと見てきましたし、何より“安原義人”という役者さんが大好きなんです! ただ、安原さんの“モノマネ”をするのであれば、もう安原さんにやっていただくのが一番だと思いますし、オーディションをしてキャストを一新して…ということであれば、『キャッツ❤︎アイ』のイメージを令和のいま作る新たなものにしたいんだなという制作チームの思いを強く感じましたよね。
佐藤 安原さんが演じられていた俊夫の「やる時はやる、男っぽさ」とか「どこかちょっと抜けたお茶目な感じ・愛される部分」とか、そういったものを僕なりにいただきつつやれたらいいなと思っていました。

──“昭和”と“令和”をうまく融合させて、新たな作品に仕上げているわけですね。
小松 キャラの口調も、やっぱり当時の──原作の持っている語尾だったり言葉遣いだったり、たぶん令和でいきなり生まれた『キャッツ❤︎アイ』だったら出てこないような話し方、言葉の使い方があると思うので、そういうところはすごく意識して演じています。
小松 一方で、「割と若いイメージで」というディレクションも最初にいただきました。確かに瞳の年齢感(20代前半)を考えると、“40年前”と比べて今の年齢感ってアニメーションに関わらずどんどん若くなっていってると思うんですよね。見た目や話し方、そういったイメージは時代と共に変わっていっているなと。なので、残せる雰囲気は残しながらも、年齢感はちょっと若めに──瞳の可憐さ、大人の女性だけどどこか残る少女感みたいなものは残しながら…というところが、(演じる上で)差し引き難しい部分だったかなと思いますね。
佐藤 『キャッツ❤︎アイ』って、当時の僕からすると大人の恋愛だったと思うんですよね。でも演じる僕自身が、その俊夫たちの年齢を大きく過ぎてしまったいま思うと…何というか“発展途上の若者たちの話”“これから先がある若者たちの話”なんだなというのも分かる。収録にあたってもより若々しくというか、「精神的な幼さみたいなものはピックアップしてみてください」と言っていただきました。
佐藤 ただ、イメージを新しくしていきましょうと言われながらも「80年代のギャグ、やっていいですよ」って言われて(笑) これも後世に語り継がれなければならない、と! 今の時代に「にゃにお(何を)ー!」って言うと、逆に新鮮ですよね。それが許してもらえるんだったら、じゃあ思いっきりやっちゃおうみたいな! 苦心しながらも楽しくやらせていただいています。
>>若い世代にこそ刺さる? 令和版本作の魅力を語るインタビュー記事はこちらから

《小松未可子》
1988年11月11日生まれ。三重県出身。特技はマリンバ演奏。ヒラタオフィス所属。
アニメ『HEROMAN』のジョーイ役(2010年)で声優デビュー。これまで『CITY THE ANIMATION』南雲美鳥、『呪術廻戦』禪院真希、『EDENS ZERO』レベッカ・ブルーガーデン、『風都探偵』鳴海亜樹子、『異世界おじさん』藤宮、『亜人』下村泉など話題作で主要キャストを担当。アーティストとしても活躍し、2016年よりトイズファクトリー所属。
《佐藤拓也》
1984年5月19日生まれ。宮城県出身。賢プロダクション所属。
アニメ『カードファイト!! ヴァンガード』櫂トシキ役(2011年)で注目を浴び、これまでに『アイドリッシュセブン』十龍之介、『キャプテン翼』日向小次郎(2018年版)、『ジョジョの奇妙な冒険 第2部』シーザー・ツェペリ、『テイルズ オブ アライズ』アルフェン、『機界戦隊ゼンカイジャー』ブルーン/ゼンカイブルーンなど話題作で主要キャストを担当。趣味は歌/陸上競技。
アニメ『キャッツ❤︎アイ』
Disney+「STAR(スター)」にて2025年9月26日(金)より独占配信中
∟前編(第1話~6話):9月26日(金)~10月31日(金)
∟後編(第7話~12話):12月26日(金)~2026年1月30日(金)
↓以下、ハイパーリンク
【公式サイト】
【公式X(@CATS_EYE_Anime)】