LGBTQ+の居場所づくりを支援 ナイスモバイルがプライドハウス東京に電子黒板を寄贈

東京都新宿区にある「プライドハウス東京レガシー」で、電子黒板1台がナイスモバイル株式会社により寄贈された。特定非営利活動法人プライドハウス東京が運営する「プライドハウス東京レガシー」は、LGBTQ+やアライのコミュニティが安心してつながり、互いに活力を得ながら、より良い暮らしを目指す場として設立された場所だ。
(注釈)
LGBTQ+:レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)、クィア/クエスチョニング(Q)を含む性的マイノリティの総称で、さらに多様な性のあり方を含む。
アライ:LGBTQ+の人々を支援し、差別のない社会づくりに積極的に関わる理解者・協力者のこと。

孤独を減らすための「ICTの力」
今回の寄贈は、LGBTQ+の人々が抱きやすい孤独感に着目した取り組みだ。 調査(niji VOICE2024~LGBTQの仕事と暮らしに関するアンケート調査~)によると、出生時に割り当てられた性別と自認する性別が一致している人を指す「シスジェンダー」の異性愛者では51.7%が孤独を感じていると回答したのに対し、シスジェンダーのL(レズビアン)・G(ゲイ)・B(バイセクシュアル)では66.9%、トランスジェンダーでは77.0%と、より高い割合を示している。背景には「気軽に交流できる場の少なさ」があるとされ、ナイスモバイルはICTを通じた新しい居場所づくりがその解決の一助になると考えている。

贈呈式と活用方法
贈呈式では、プライドハウス東京の五十嵐ゆり代表理事と、ナイスモバイルの高学軍社長がそれぞれ挨拶を行い、目録の贈呈や機器の機能説明が行われた。 今回寄贈された電子黒板は、ディスプレイとして使用できるほか、スポンサー企業とのミーティングやイベントでの情報発信にも活用可能だ。また付箋機能を用いれば、来場者が匿名で意見を共有したり、悩みを相談したりすることもできる。安心してつながれる場を支えるツールとしての役割が期待されている。

五十嵐代表理事は「安心・安全な居場所づくりに向けて、多様な人々が思いを共有できる環境を大きく後押ししてくれる」と期待を語った。 また、高社長は「コミュニケーションは孤独を和らげる力を持つ。誰もが安心して声を届けられる居場所づくりの一歩」と強調。さらに、同社広報課の谷本功貫氏(LGBTQ+当事者)は「ICT機器の導入によって『ひとりじゃない』と感じられる場を提供したい」と語った。

ナイスモバイルの取り組みは、単なるICT機器の提供にとどまらず、LGBTQ+を含む多様な人々が「自分らしく声を届けられる」環境づくりを後押しするものだ。社会のあらゆる場で孤独を感じにくい世界を実現していくことが期待される。