若い世代ほど歯がシミている?夏に飲みたくなる炭酸飲料・柑橘系ジュースなども要注意!
2025.8.5 12:45
Haleonジャパン株式会社は、昨今のオーラルヘルスケアへの意識の高まりや、歯のホワイトニングへの注目度が高まっていること(日本歯科医師会 「歯科医療に関する一般生活者意識調査2022」による)を背景に、歯がシミることに関する実態やそのケアに対する認識・行動を明らかにするため、「歯がシミる症状に関する実態調査」を実施。知覚過敏症状のケアをスルーしている「#知覚過敏スルー界隈」の存在が浮き彫りになったという。
愛知学院大学歯学部 保存修復学講座の前迫真由美助教授によると、知覚過敏症状が起きるメカニズムは、①歯のエナメル質がすり減るなどの原因により、象牙質が露出 ②象牙質を通じて歯の神経(歯髄)に刺激が届く ③歯に瞬間的な“キーンとした痛み”が生じる (知覚過敏の特徴は継続的な痛みでなく一時的に歯がシミる)。
知覚過敏の主な原因は、「加齢や歯周病などで歯ぐきが下がる」「ストレスによる歯ぎしり・食いしばりの増加」「過度のブラッシングによって歯の表面(エナメル質)が傷つく」「“酸”の過剰摂取によって歯の表面(エナメル質)がダメージを受ける(酸はスポーツ飲料や炭酸系飲料、ワイン、ドレッシング、フルーツなど、日常の食事に含まれる)」などが挙げられるという。

酸性度の高い炭酸飲料、スポーツドリンクや柑橘系ジュースなどは、歯の表面のエナメル質を徐々に溶かし象牙質を露出させるため、虫歯や知覚過敏のリスクが高まるそうで、これらの飲み物には砂糖を多く含むものもあり、だらだらと飲み続ける“ながら飲み”にも注意が必要とのこと。唾液には口腔内の環境を中和する働きがあるが、 “ながら飲み”をすると唾液の働きが追い付かず、口腔内が常に酸や砂糖にさらされることになるため、虫歯や知覚過敏が起こりやすくなるそうだ。

今回「歯がシミる症状に関する実態調査」の結果、若い世代ほど歯がシミる症状を経験している人の割合が多く、20〜30代の約60%が歯がシミる経験をしていることが判明。シミる症状を経験している人の中には、知覚過敏により歯がシミている人が多く含まれることが想定されるが、20〜30代でシミる症状を経験している人のうち、約80%が適切なケアをしていないそう。このことから、知覚過敏症状のケアをスルーしている「#知覚過敏スルー界隈」の存在が浮き彫りに。

「知覚過敏は一時的なものであるから重要ではない」と思って適切なケアをしないと、痛みを気にして心から食事を楽しめないなど日常の楽しみが制限されるだけでなく、気づかぬうちに歯周病(歯肉炎・歯周炎の総称)や虫歯を引き起こすリスクを高めてしまう。知覚過敏症状を放置すると症状が悪化し、歯の内部にある神経まで影響を及ぼすことも。持続的な痛みや神経の炎症、感染などが起きてしまうことがあり、このような状態では、神経を保存することが難しくなり、最終的に根管治療(神経を抜く処置)が必要になることがあるという。
■調査結果詳細
1. 20〜30代がシミる割合が最も大きく、約60%が歯がシミることがあると回答
歯がシミる経験について、20〜30代の61%が「2~3か月に1回以上シミることがある」ことがわかり、若い世代ほどその割合が大きい結果に。また、20〜30代の49%は「1か月に1回以上」、33%は「1週間に1回以上」シミていることが判明した。
2. 20〜30代で歯がシミる人のうち約80%が症状を放置。「#知覚過敏スルー界隈」の存在が判明
20〜30代でシミることがある人で知覚過敏用の歯磨き粉を使用しているのは21%にとどまった。歯科医院を受診し、歯がシミる症状が知覚過敏である場合、症状をスルーする「#知覚過敏スルー界隈」の一員にならないために、適切なケアをすることが必要。
3. シミる症状は「一時的なもの」と認識。外見やエチケットに繋がる「口臭ケア」や「歯の白さ」の方が気になり、知覚過敏ケアへの意識が低い
知覚過敏症状についてどのように考えているか聞いたところ、「シミる症状は一時的なもので、特にケアをしなくても自然治癒する」と回答した人が20%という結果に。また、20〜30代で歯磨き粉に対するニーズは、1位「口臭/口のにおい(47%)」、2位「歯の黄ばみ/着色汚れ(46%)」。特に、若い世代では外見やエチケットに関わることを気にしている傾向にあり、知覚過敏ケアへの意識が低いことが明らかになったほか、歯がシミる症状をケアしていない人は、歯科医院での定期健診受診率が低いこともわかっている。

4. 実生活において、歯がシミることで53%が食事中に弊害。虫歯・歯周病のリスクの高まりも
20〜30代で歯がシミることがある人に気を付けていることを聞いたところ、「シミる歯を避けて飲み物・食べ物を摂取する(26%)」、「シミる原因になる食べ物は摂らないようにしている(24%)」、「氷が入った飲み物を飲まない(20%)」という結果に。いずれかを選択した人は53%と、半数以上の人が食事シーンで影響を受けていることがわかった。このように、歯がシミることがある人は、生活する上で何かしら気を付けている・避けている行動があり、ライフスタイルにも影響していることがうかがえる。
また、食事以外にも、歯磨きの際に「シミる歯はやさしく磨くようにしている(27%)」人がいることも判明。シミる歯をかばってしまうことで歯磨きが十分にできないなど、歯の磨き方に影響を与える可能性がある。このような状態が続くと、将来的に虫歯や歯周病のリスクを高める可能性も。シミる症状が知覚過敏によるものである場合、適切なケアを行うことが大切だ。多くの人が経験している“歯がシミる症状”だが、硝酸カリウム入りの歯磨き粉を使用することで自覚症状の改善(*1)がみられているという。
*1:Nagata T, Ueda M, Imai H, et al, Japan Soc Periodontol1992; 34(2): 465-471 N=74

※調査概要
●調査方法:WEB調査(Haleonジャパン調べ)
●調査実施日:2024年12月~2025年1月
●エリア:全国
●有効回答数:4,000サンプル
●調査対象:20歳~74歳の男女(6ヶ月以内に歯磨き粉購入者かつ銘柄選択者)
※本文中のグラフの構成比は、小数点以下を四捨五入。必ずしも合計が100%にならないものもあり