「生涯忘れることはできない」震災、サリン事件、オウム逮捕…カメラマンが捉えた1995年、BSフジで特別番組
2025.5.12 18:00
激動の1995年。歴史的事件の現場で”時代の目撃者”となったカメラマンたちがレンズ越しに見た真実を語る特別番組「カメラマンが捉えた1995」がBSフジで放送される。
阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、Windows 95の発売、野茂英雄のメジャーリーグ挑戦など、現代日本の大きな転換点となった1995年。これらの歴史的瞬間を最前線で記録したカメラマンたちが、当時撮影した貴重な映像とともに証言する。
地下鉄サリン事件の現場に駆けつけた安部裕カメラマンは「命を落としていたかもしれない」と当時を振り返る。救急隊員がサリンを吸って倒れる様子を目撃した彼が、スクープと安全のはざまで感じた葛藤とその経験が報道への姿勢を変えた理由を明かす。

阪神・淡路大震災では、報道ヘリから神戸の被害状況を撮影した前川勇二カメラマンが「生涯忘れることはできない」と30年経っても消えない記憶について語り、特に長田区から立ち上る黒煙の光景がカメラマンとして心に刻まれた理由を明らかにする。

オウム真理教の麻原彰晃逮捕の瞬間を撮影した秋本泰男カメラマンは、30年ぶりに旧上九一色村を訪問。「当時は富士山の美しさすら感じなかった」と語り、霧に包まれたサティアンで逮捕の瞬間を待ち構えた緊迫の状況を振り返る。

また、野茂英雄のメジャーリーグ挑戦を追った松本克巳カメラマンは「批判の中で黙々と努力する姿に感動した」と証言。前例のない挑戦に対する批判の中、懸命に努力する野茂の姿を記録し、勝利の瞬間に交わしたハイタッチに込められた思いを明かす。
さらに、震災遺族の長谷川さん一家を25年間撮り続けた吉川浩也カメラマンは「ちゃんと伝え続けること、やめないこと」の大切さを語る。震災で家族を失った悲しみと、それでも前に進む強さを映像に残し続けることで見えてきた報道の本質を伝える。
番組企画・総合演出を務めるフジテレビの報道カメラマン・石黒雄太は「テレビ報道の最前線で撮影するカメラマンの映像と証言を基にした番組制作を長年考えてきました。当時10歳だった私も、これらのニュースは鮮明に記憶に残っています。地下鉄サリン事件や阪神淡路大震災のような未曾有のニュースに遭遇した時に、一体私に何ができるのか。本職がカメラマンである私自身、先輩カメラマンを取材しながら改めて考えさせられる機会になりました」とコメントしている。
「1億総カメラマン時代」の今だからこそ問いかける、映像記録の意味と責任。カメラマンの証言から辿る教訓と真実とは。

BSフジ特別番組『カメラマンが捉えた1995』は2025年5月18日(日)18:00~19:55放送。
(FOD、TVerで配信予定)