スタジオジブリ『猫の恩返し』明るく綺麗な背景美術は…“シャレた駄菓子”のイメージ?

2024.5.3 07:30

日本テレビ系金曜ロードショーと、entaxがコラボレーション。金曜ロードショーのここでしか聞けない“とっておき情報”を紹介する。

5月3日は、スタジオジブリの『猫の恩返し』が登場。
本作は、同じくスタジオジブリ制作の『耳をすませば』の原作者・柊あおいのコミック『バロン-猫の男爵』(徳間書店刊)が原作のアニメーション作品で、『耳をすませば』の主人公・月島雫が描いた物語という発想の作品となっている。

目の前にある現実をほんのちょっとだけリセットしたい…軽い気持ちで言った言葉をきっかけに、猫になりそうになった女子高生の冒険を描くファンタジー。

本作での注目すべきポイントの一つが、原作の世界を大切に明るく綺麗(きれい)に描いた背景の美しさだ。
美術担当の田中直哉氏いわく、『千と千尋の神隠し』が重々しい感じや派手さのあるトンカツ定食なら、『猫の恩返し』の美術は洒落(シャレ)た駄菓子のイメージとのこと。最初に原作を読んだ時のライトな感じの生活感から、重厚に作り込む必要はないと思ったのだそう。

『猫の国』に関しては、原作の中で、一種閉ざされた世界として描かれているのを映画ではどう見せるのか?が問題になった。結局、原作者の柊氏による“光があふれているような感じに”というイメージを根底にしつつも大胆に脚色、明るくサラッとした世界として描き切った。その結果、天空から城に向かって七色の光りが降り注ぐ、気だるくぽかぽかした場所で、どこか蜃気楼(しんきろう)のような世界になったと田中氏は語っている。

路地裏でも夜でも陰鬱な感じにはせず、どんなシーンでも明るくサラッとした感じにしたというこの作品。ただ唯一バロンが初めて登場するシーンだけは、意図的に夕日を効果的に使い、影をつけてコントラストを強くつけているという。「そこが物語の大きな変わり目ですし、印象的にしたかったので(笑)」と田中氏。それまでのジブリ作品とはちょっと違う、独特の背景の世界観を楽しめる作品だ。

【ストーリー】
ごくごく普通の女子高生・ハルは、ある日の帰り道、トラックにひかれそうになっていた美しい雄猫を救出した。するとその猫・ルーンが突然立ち上がり!?丁寧にお礼を言って去っていった。猫が話すという思いがけない展開にハルは驚くが、母によるとどうやら幼い頃にも猫とお話をしたと言い張っていたことがあったらしい…。

その夜、ハルの元に現れたのは猫の国から来た猫王。猫王は自分の息子を助けてくれたハルに「恩返し」がしたいのだと言う。猫王の宣言通り、翌朝から「猫の恩返し」がスタートするが、ハルには少々迷惑なものばかり。しかしそんなことは気にもかけない猫王は、ハルをルーンの妃に迎えると勝手に決めてしまう…!!ハルが困惑していると、どこからか「猫の事務所を探して」という謎の声が聞こえてくる。声に導かれた先で出会ったブタネコ・ムタの案内で「猫の事務所」を訪れると、主人のバロンと相棒のトトがハルを待ち受けていた。ハルの話を聞いたバロンは何とかしようとハルと約束するが、その直後、ハルは猫の大群に猫の国に連れ去られてしまい…!?

『猫の恩返し』(2002)
監督:森田宏幸
企画:宮﨑駿
声の出演:
池脇千鶴、袴田吉彦、前田亜季、山田孝之、佐藤仁美、佐戸井けん太、濱田マリ
渡辺哲、斉藤洋介、岡江久美子、丹波哲郎 ほか

写真提供:(C)日テレ

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