「竹内涼真さんへの信頼感は半端ない」『きみセカ』鈴木亜希乃プロデューサーに単独取材

2024.1.31 12:45

地上波のTVドラマ、そして配信を経てSeason4まで製作されたシリーズ『君と世界が終わる日に』。1月26日についに響の物語の完結編となる劇場版が公開された。entax取材班はTVドラマ立ち上げから6年近くこの作品に関わってきた、鈴木亜希乃プロデューサーに単独インタビューを実施。シーズンを重ねて信頼関係を築き上げてきたという、主演の竹内涼真について詳しく聞いた。

【作品紹介】
日本テレビ×Huluによる共同製作の連続ドラマ『君と世界が終わる日に』。ゾンビ化したゴーレムと戦う極限のサバイバルアクションと、愛する者同士の絆(きずな)を描いたシリーズはSeason4まで続き、今回初の映画化。『劇場版 君と世界が終わる日にFINAL』が1月26日から公開された。

(前後編の前編)

■『ウォーキング・デッド』を見て「日本でもゾンビ作品をつくりたい!」

――『君と世界が終わる日に』は、2021年のTVドラマに始まり長いシーズンを経て、今回劇場版にもなりました。鈴木さんは最初の企画立ち上げから関わっていらっしゃったのでしょうか。

鈴木 そうです。Huluの方々と一緒に企画を立ち上げて、その企画が通ったのが2018年。そこからどういうストーリーにするか脚本家さんと相談してキャスティングして……と進めて、2020年の秋から撮影がスタートでした。

『君と世界が終わる日に』シリーズを手がけた鈴木亜希乃プロデューサー

――原作や原案はあったのですか?

鈴木 原作はないオリジナルです。この企画を出す2年ほど前にHuluに1年間出向していたことがあり、その時海外ドラマの『ウォーキング・デッド』(2010~2022年)にめちゃくちゃハマって観ていたんです。そこでHuluの方とも「ゾンビものって世界共通でおもしろいよね」という話はしていました。

日本テレビに戻り、地上波だけじゃなくて配信へとつなげるドラマをつくろうという話になったときに、じゃあ配信も見越してつくるならゾンビものがいいんじゃないかと。日本でゾンビものというのも珍しかった、というか大変だから誰もやったことがなかったんだと後で気がつきましたが(笑)。さらに地上波から配信へ、というスキームも今までなかったので、挑戦してみる価値はあるんじゃないかと。

『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』より間宮響を演じる竹内涼真

■爽やかな竹内涼真さんが作品の中で極限状態に陥ったらどうなるか見たかった

――竹内涼真さんは、『きみセカ』シリーズに出演されるまでは爽やかなイケメン俳優のイメージが強かった気がするのですが、ボロボロになっても戦い続ける主人公・間宮響を竹内さんにオファーしようと思われたのはなぜですか?

鈴木 見た目のキラキラした感じとは裏腹に、心の中は熱くて芯に強いものを持った方だという印象があったんです。そもそも間宮響も本来は心優しき青年で、彼が終末世界に放り込まれたらどうなるんだろう?というのを描く物語。なので、あの爽やかな竹内さんが作品の中で極限状態に陥ったらどうなるかというのを見てみたいという期待値がありました。

■登場人物についてスタッフと一緒になって考えてくれる俳優

――この3年間、竹内涼真さん、そして響がシーズンを通して成長していく様子を視聴者は見てきたと思います。

鈴木 本当にそうですね。こちらの期待以上の変化をもって響の成長を成し遂げてくださったと思います。ご本人も「主人公・響の成長と自分の成長が一緒になっているような気がする」とおっしゃっていました。Season2からSeason3、Season3からSeason4の間がそれぞれ1年ほど空いたのですが、その間に他の作品に出演されて戻って来られた時、あ、竹内さんまた懐が深くなってるな、という変化を感じることもありました。

竹内さんは、制作スタッフと一緒になって考えてくださる方なんです。登場人物のビジュアルや内面の変化について、スタッフと同じくらいか、もしかしたらそれ以上に真剣に考えてくれます。

通常のドラマの撮影は、良くも悪くも3か月半くらいで終わっちゃうんですよね。だから、こうして何年も同じスタッフとキャストで戻ってくる場所があって、お互い他の現場の経験を経てぶつかり合えるというのはすごくありがたかったです。『きみセカ』という一つの作品を通して、監督やスタッフもどんどんクオリティが上がっていったのを感じます。

『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』メイキング
(左から)板垣李光人、黒羽麻璃央、橘優輝、竹内涼真

■シーズンを重ねて増していった“座長感”

――先日放送されたzero culture特別版『その素顔が知りたい。俳優・竹内涼真』を見て、竹内さんの骨太な “座長感”に圧倒されました。

鈴木 そういう意味では、Season1の頃からすでに“座長感”はある方でした。もしかしてパブリックイメージとは違ったのかもしれないですけど。でも、『きみセカ』のシーズンを重ねて、より“座長感”が増していったのは確かだと思います。作り手と一緒に考えてくださる方だからこそ、どうやったら自分の思いやアイデアが伝わるかというのも真剣に考えている。この数年で会話やコミュニケーション能力も格段に上がっています。おかげで互いに理解する速度がどんどん速くなっていきました。

“場の空気感”をいかに早くつくるか、新しく加わったキャストの方にどれだけスムーズに参加してもらうか、というのもご自身の中で考えて、どんどん場づくりが上手くなっていったのを見てきました。例えば本読み。TVドラマの頃はコロナの時期で、キャストが集まって台本を読む、ということができなかったんです。でも、シーズンが進んでからや、今回の劇場版で竹内さんに言われたのが「(地下街組での)本読みはしたい」ということでした。それは、どうやったら新キャストの方に早くなじんでもらえるか、コミュニケーションが取りやすくなるか、ご自身で考えた上での提案だと思います。

――劇場版は特に9割が新メンバーですよね。

鈴木 そうなんですよ。過去のシーズンに出ていた方は須賀健太さんくらいという現場で(笑)。でも、竹内さんが座長でいてくれたおかげで、劇場版の撮影はすごくスムーズでした。他の俳優さんに制作の意図がうまく伝えられないときに、演者として「それはこういうことですよね?」と竹内さんが伝えてくださって「そういうことです!」となるようなことも何回かありました。なので、もはや制作スタッフの一人として監督も私もすごく頼っていましたし、事前に一言竹内さんに相談することが増えました。

以前であれば役者さんにそこまで頼るのはどうかな、と思っていたのですが、3年半ご一緒してきて、そんなことは思わなくなりました。竹内さんだったら何でも受け止めてくれる、と感じるくらいの包容力があります。

『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』より間宮響(竹内涼真)と柴崎大和(高橋文哉)

■初めて『きみセカ』を見る人でも楽しめる作品です

――劇場版公開を前に、今の心境はいかがですか? 映画の注目ポイントを教えてください。

鈴木 今までの『きみセカ』を知らない方も楽しめる作品になっているので、まずは観に来ていただきたいです。もちろん、過去の作品を観た上で来て下さるのもありがたいことですが、何も知らない状態で観ても楽しめるように作ったという自信があります。ゾンビもので怖いと思う方もいらっしゃるかもしれないですが、『きみセカ』はそれだけじゃなくて愛の物語。

以前竹内さんは、「告白したい相手と一緒に観て欲しい」とコメントされていました。この映画を観た後なら「お前のこと好きだ」って言える気がするんじゃないかと。愛の告白じゃなくても、言いたいけど言えないことがある相手と観れば背中を押してもらえる作品です。

(後編では撮影の裏話など詳しく聞いた)

【鈴木亜希乃(すずき・あきの)Profile】
日テレAX-ON所属のドラマ制作部プロデューサー。プロデューサーとしての主な作品はNHK BSプレミアムドラマ『お父さんは二度死ぬ』(2013年)のほか、日本テレビ系ドラマ『デスノート』(2015年)『そして、誰もいなくなった』(2016年)『トドメの接吻』(2018年)『トップナイフ 天才脳外科医の条件』(2020年)『ムチャブリ!わたしが社長になるなんて』(2022年)などがある。

【Information】
『劇場版 君と世界が終わる日にFINAL』
1月26日(金)より全国東宝系にて大ヒット公開中
監督:菅原伸太郎
脚本:丑尾健太郎
出演:竹内涼真 高橋文哉 堀田真由 板垣李光人 須賀健太 黒羽麻璃央 吉田鋼太郎

ⓒ2024「君と世界が終わる日に」製作委員会

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