森七菜「しめしめ」菅田将暉家からの思わぬ高評価に驚きつつ喜ぶ「まさか…」

2023.5.14 12:00

俳優の菅田将暉が13日、都内で行われた映画『銀河鉄道の父』(公開中、成島出監督)の公開記念御礼舞台あいさつに、共演の役所広司、森七菜とともに出席。森について語った。

メインキャストの森七菜(左)、役所広司(中)、菅田将暉(右)

原作は、作家の門井慶喜による同名傑作小説。門井は、『銀河鉄道の夜』などで知られる宮沢賢治が「ダメ息子だった!」という大胆な視点を軸に、父・政次郎についての資料を集めて宮沢家の究極の家族愛を描き、直木賞を受賞。映画版では主演の役所が父・政次郎を、菅田が賢治を、森が賢治の妹・トシを演じた。

政次郎は跡取り息子として期待しながら我が道を行く賢治に振り回されるが、賢治が紡ぎ出す物語の一番のファンになっていく役どころ。こだわった部分を聞かれると、役所は「21歳から70何歳までやります。この21歳の時の僕っていうのは、必見ですね」と断言して笑わせ、「一生懸命、メイクさんが若返らせる努力をしてくださって。頑張りました。支度中にだんだんだんだんシワが減っていく自分を楽しんでいました」と撮影を振り返った。

宮沢賢治役の菅田将暉

菅田も「宮沢賢治なので書き物がたくさん出てくるんですけど、劇中で映っているヤツは、ほとんど自分で書きましたね。めちゃくちゃ模写しました」と告白。「もし、この映画がDVDになって皆さんに買っていただいたあかつきには、そのDVDで賢治の文字のところで一時停止して見て、宮沢賢治記念館に行った時にも文字をぜひ見てほしいですね」とお願いし、「けっこう(本人に)寄せつつも、自分なりの文字で全部やっているので、そこはこだわりました。真似もしましたし、ペンの練習ですね。書き方とかもそうですし、ペンがまた今のペンとも違うというのはありましたね。あと、独特なちょっと丸みを帯びた字が印象的なので」と役作りの一端を明かした。

賢治の妹・トシ役の森七菜

賢治の理解者で聡明(そうめい)な妹・トシを熱演している森は雨模様の中、来場してくれた観客に「今日は“雨ニモマケズ”来てくださり、ありがとうございます」と宮沢賢治の有名な詩を用いてあいさつ。「今、雨が降っているかは分かりませんが、せっかくいっぱい(写真を取材マスコミに)撮っていただいているので、うまいこと言っちゃおうかなと思って…」と話すなど、おちゃめな一面をのぞかせた。

壇上には、観客の感想がプリントされた特大パネルが設置されていた。出演者の耳にも作品の感想が続々と届いているようで、菅田は「友達とか、普段あまり映画の感想とかを言わないようなヤツらに“面白かった”“泣いちゃったよ”みたいなことを言われるとうれしいですし、あとウチの家族はもう森七菜のファンになっていましたね。“森さんが…”“森さんが…”っていう感想しか聞いていないですね」と報告。

思わぬ高評価に、森は「しめしめです。まさか菅田さんの家族が…」と喜び、「私も周りからの反響がすごくて、“泣いちゃった”“面白そうと思って見に行ったら、あんなに泣くとは思っていなかった”“言ってよ~、ハンカチを持って行くのに…”みたいに言ってもらえてうれしかったです。久しぶりにあんなに褒めてもらったなって思います」と笑顔で語った。

手を振る登壇者(左から森七菜、役所広司、菅田将暉、成島出監督)

6月にカナダで開催される『トロント日本映画祭』のコンペティション部門で本作がオープニング上映されること、メガホンを取った成島監督が『特別監督賞』に選出されたこともこの日、発表された。『特別監督賞』は本作を始め、監督のこれまでの功績が評価されての受賞で、成島監督は「この賞はいろいろな実績でもらえる賞らしいです。役所さんと4本(の作品で)ご一緒させてもらって、その“足し算”もあってもらえた賞だと思います」と盟友・役所に感謝。

役所も「ものすごくうれしいですね。監督がまだ助監督をやっているころからの友人で、仲間なので」と自分のことのように喜び、「今までも素晴らしい賞をたくさん受賞されていますけど、これからもいろんな賞をゲットしてください」と成島監督にエールを送った。

観客にあいさつをする役所広司

役所は最後に「本日はありがとうございます。東京は雨が降っています。“雨ニモマケズ”お越しいただいて…」と、森のあいさつを“拝借”して自ら爆笑。森がすかさず「それ、私の…」とツッコミを入れるなど、宮沢家のチームワークの良さをうかがわせるひと幕も。

その後、役所は気を取り直して「公開2週目ですけど、本当に長く皆さんに愛される映画になって、“あそこの劇場でまたやっている”とか、そういうふうになるといいなぁと思います。皆さんの口コミで広がっていくんだと思います。ぜひ末永くこの映画を愛してください」と呼びかけ、さらなるヒットに期待を寄せた。


■銀河鉄道の父
公開日:全国公開中
配給 :キノフィルムズ

画像提供:©2022「銀河鉄道の父」製作委員会

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