木村拓哉 「台本には描かれていないコミュニケーションを探し当てて!」舞台挨拶で印象に残ったシーンを語る

2023.1.30 14:30

主演の木村拓哉をはじめ、豪華キャスト陣の共演が大きな話題となっている映画『レジェンド&バタフライ』。東映70周年記念作品として、日本映画史上最高峰のキャスト・スタッフが集結。総製作費20億円の壮大なスケールで、誰もが知る日本史上の“レジェンド”織田信長と、謎に包まれたその正室・濃姫(別名“帰蝶”)の知られざる物語を描いている。

公開初日である1月27日には舞台挨拶が開催され、木村拓哉、綾瀬はるか、宮沢氷魚、市川染五郎、伊藤英明、中谷美紀、大友啓史監督といった俳優&監督陣が登壇した。

主演・織田信長を演じた木村拓哉

主演・織田信長を演じた木村拓哉は「今日をもってこの作品を、皆さんひとりひとりの懐に入れて愛して頂ければと思います」と挨拶。

その信長の妻・濃姫を演じた綾瀬はるかは「無事この日を迎えることができて、嬉しさと少し寂しさとが相まっていますが、やっと皆様に観て頂ける日を迎えられたことを、とても嬉しく思います」と語り、濃姫の侍従・福富平太郎貞家を演じた伊藤英明は「初日を迎えるのを心待ちにしておりました。胸が高鳴って言葉に表せないくらい嬉しいです。そして感謝しています。今日は幸せな気持ちがいっぱいです」と、挨拶した。

信長の妻・濃姫を演じた綾瀬はるか

同じく濃姫を支える筆頭侍女・各務野を演じた中谷美紀は「木村拓哉さん演じる殿と綾瀬はるかさん演じる姫にお仕えすることができて、とても幸せでした。本日の感想をお待ちしておりますので、是非『天下布武キャンペーン』にご参加くださいませ」と、作品の感想投稿キャンペーンを紹介しながらコメント。

信長の家臣・明智光秀を演じた宮沢氷魚は「僕たちがこの作品を撮影している時期は、コロナの感染も拡大していた時期だったので、本日無事に全国で公開ができたこと、とてもうれしく思っております」と挨拶。信長の家臣・森蘭丸を演じた市川染五郎は「キャストの皆さんスタッフの皆さん、この作品に関わってくださったすべての方の熱い魂の結晶がようやく多くのかたに届くというのが、とてもうれしく、ワクワクしております」とコメントした。

そして本作で監督をつとめた大友啓史は「早く観てほしいと思っていたので、今日この日を迎えられて感無量です。自分たちの技術と精魂を込めて、丁寧に心を込めて作った作品です。是非作品を愛してください」と喜び交じりに語った。

大友啓史監督

2021年に始まった撮影から、2022年春の制作発表会見、ぎふ信長まつり、そして今年開催されたジャパンプレミアに全国キャンペーンと、多くの宣伝活動を行ってきた木村。初日を迎えるまでの長い旅路を歩んできたが、信長という役と共に重ねたこの時間を振り返った感想を聞かれると「信長という役をやらせていただき、作品を通じ、多くの方とコミュニケーションをさせて頂きました。その中で、自分自身を応援してくれる気持ちも嬉しかったのですが、それ以上に織田信長という方が今日に至るまで愛されているということをつくづく感じました。その都度、日本各地の皆さんの暖かい気持ちを受けることができたので感謝しています。ぎふ信長まつりでは、100万人近い応募を頂けたことも、この作品に対してひとつ胸を張れる要素となりました。是非、ご応募いただいた方たちには、この作品で感謝を伝えたいなと思います」と、その当時を振り返りながら、感慨深げにコメントを残した。

本作で印象に残っているシーンを聞かれると、木村は「言い伝えてこられているものは史実ですが、それが真実かどうかは誰もわからない。昔いた人が、どんな思いで、どんな人を愛して、どれだけ苦しい思いをして人を殺めていたか。史実で伝わっている出来事の間の空間を現場では埋めていたような気でいます。婚礼の儀を交わすシーンでは、(台本には描かれていないが)濃姫が自分の盃に注がれたおとそを何のためらいもなく、飲んだんですね。そこに毒が盛られていたら命はないはずなんですけど、なんの躊躇(ちゅうちょ)もなく口に運んだ濃姫を目の当たりにした瞬間に、この姫は信長のすべてを受け入れてくれると強く思い、自分自身にもスイッチが入りました。そのように台本には描かれていないコミュニケーションが多く散りばめられているので、皆さんに探し当てて頂きたいなと思います」とコメント。

綾瀬は「沢山あるんですけれども、思い出に残っているのは、信長様を戦の前に鼓舞していくシーンです。凄い緊張感のあるとてもとても長いシーンだったのですが、緊張感が詰まっていたので、そのシーンは思い出深いです」と、当時を振り返った。

濃姫の侍従・福富平太郎貞家を演じた伊藤英明

伊藤は「婚礼の儀での貞家の役は、岐阜のプライドと誇りをかけて、姫を連れて尾張に入城するという役でした。綾瀬さん演じる濃姫はたくましく可憐(かれん)で、木村さん演じる信長様は家を守るために命を懸ける。なにかお二人の今まで積み重ねてきたキャリアや人生観が背景に見えるようでした。」と2人について話し、中谷は「古沢さんが台本を書かれて大友監督が撮られるという事は、信長と濃姫の物語を杓子定規(しゃくししょうぎ)にお行儀よくするわけがないと思っていました。皆さん婚礼の儀の話を挙げられていましたが、わたしはその後の、新婚初夜でロマンスの欠片もなく、乱闘騒ぎになっているシーンがとても好きで。若き信長と若き濃姫のプライドの張り合いが素晴らしかったなと思います」と感想を伝えた。

信長の家臣・明智光秀を演じた宮沢氷魚

宮沢は「明智光秀が信長様に仇敵(きゅうてき)・浅井、朝倉のしゃれこうべを盃としておさめるシーンがあるんです。それまではお祭り騒ぎの会場だったのですが、あのしゃれこうべが登場した瞬間に一気に皆がシーンと明智の狂気を恐れてしまい、信長に対してのゆがんだ愛情があらわになった感覚があったので、あのシーンがとても好きでした」と自身の役柄も交え振り返り、染五郎は「本能寺のシーンは、殿と蘭丸の信頼関係がより一層近くなる反面、その関係性が終わってしまう切なさを演じながらも感じていてとても印象に残っています」と語り、それぞれの思い出深いシーンを撮影時のエピソードを交えながら振り返った。

信長の家臣・森蘭丸役の市川染五郎

さらに、信長と濃姫は「まだ見ぬ世界」を求めて激動の時代を生きたことにちなみ、「これから見たい、行ってみたいまだ見ぬ世界」について聞かれると、木村は「今日皆さんに映画を体感していただいた後、作品を観ていただいた方たちの間でどんな感情が芽生えて、どんな話が盛り上がったのか、そういったことを聞くために1か月後に自分も皆さんと同じ映画館の客席に座っていたいなと思います」と、今後劇場に足を運びお客さんと感情を共有したい希望を語った。

綾瀬は、「歴史に興味はあるのですが、戦国時代は危なさそうなので、絶対に安全なカプセルとかに入りながら恐竜の時代をみてみたいです」と話すと、すかさず木村からは「それ、あの映画の話だよな」とツッコミが入った。

伊藤は「戦国時代に行ってみたいです。実際の安土城で信長公に会って、『レジェンド&バタフライ』のポスターを渡したいです。なぜなら信長公は未来から来たと言っても“そうか”と言って気にしなさそうなので。安土城で映画を上映してみてもらいたいですね」と話すと、木村は、「安土城だと映画を投影できそうな場所があまりないから、いいんじゃないかなと思うのは岐阜城。割と大きい城の白塀があるからプロジェクターで…」と、戦国時代の信長たちに本作を見せる想像に華を咲かせ、会場を沸かせた。

濃姫を支える筆頭侍女・各務野を演じた中谷美紀

中谷は「ウワサによると殿が伊藤英明さんとご一緒に岐阜でうなぎを召し上がったと。そのうなぎを是非頂きたいです。まだ見ぬ景色です」と語り、宮沢は「アイルランドに行ってみたいです。母方の祖父母がアイルランドの血が入っていて、行ったことのない僕のルーツでもあるアイルランドに行ってみたいと思います」と現実的な「まだ見ぬ世界」を伝えた。

染五郎は「僕も現実的ですけど、ニューヨークですね。エンターテインメントでの聖地でもありますし。祖父がブロードウェイでミュージカルをやったことがあるので、そういう意味でも同じ空気を感じたいなと思います。」と、監督は、「1960年代以前の東映京都撮影所に行ってみたいです。あの時代は勢いがあるし面白いですね。のぞきに行きたいですね」と、コメントした。

木村拓哉と綾瀬はるか

最後に、綾瀬は「皆さんが細部まで全力で丁寧に作りこんでいるので、この作品が皆さんの心に届いたらなと思います。」と、木村は「今日をもってこの作品で描かれた出来事を歴史の“史実”ではなくて、皆さんと共有できる“真実”に変えていっていただければと思います。」と熱い言葉を残し、熱狂の中イベントは終了した。

『レジェンド&バタフライ』全国公開中
脚本:古沢良太
監督:大友啓史
出演:木村拓哉、綾瀬はるか
 宮沢氷魚、市川染五郎、音尾琢真、斎藤 工、北大路欣也、伊藤英明、中谷美紀
配給:東映

【STORY】
尾張の織田信長は、格好ばかりで「大うつけ」と呼ばれていた。この男の元に嫁いできたのは、「マムシの娘」と呼ばれる男勝りの美濃の濃姫だった。権威を振りかざし尊大な態度で濃姫を迎える信長と、臆さぬ物言いで信長に対抗する濃姫。敵対する隣国同士の政略結婚という最悪の出会いを果たした二人は、性格も真逆で、お互いを出し抜いて寝首をかこうと一触即発状態、まるで水と油のような関係だった。 そんなある時、強敵・今川義元の大軍が攻めて来る。圧倒的戦力差を前に絶望しかけた信長であったが、彼を奮い立たせたのは、濃姫の言葉であった。二人はともに戦術を練り、激論の末に奇跡的勝利を収める。真っ向から対立していた二人はこの日から次第に強い絆(きずな)で結ばれ、やがて誰も成し遂げたことのない天下統一へと向かっていくのであった──

公式 HP:http://legend-butterfly.com/
公式 Twitter:@lb_toei70th

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