日本のクラフトビール創成期を支えたレジェンド登場 泡があるかないかで同じビールでも全く別の味に!孝太郎「うまい、これ!」と満面の笑み

ヒロミと小泉孝太郎の2人がMCを務める『オー!マイゴッド!私だけの神様、教えます』が8月23日に放送。クラフトビールを日本で最初に売り出したお店に潜入した。
道行く人に、その人にとっての神様のような人を聞き、実際に会いに行くこの番組。東京・両国で声をかけた男性にとっての神は、自分の勤める店の先代のオーナー・青木辰男さんだと教えてくれた。クラフトビールの創成期を支えた人物で、店には壁面に100本ものビールタップがずらりと並んでいるという。さっそく『麦酒倶楽部ポパイ』(東京都墨田区両国)に案内をしてもらうことに。

今、コンビニでもクラフトビールが数多く取り扱われており、日本のクラフトビール市場は10年間で4.6倍に伸びている。ポパイでは、山口県で醸造された“ヴァイツェン”から、ベルギー産の赤ワインのような香りが特徴の“カンティヨン サンブルー”など、日本と世界各地から集めたクラフトビールを常時70種類以上楽しむことができるという。そんなクラフトビールの聖地を作った青木辰男さんとはどんな人物なのか。後日改めてお店を訪ねてみた。すると、クラフトビールの聖地を作った神・青木さんの姿が!

ポパイは1985年、洋風居酒屋として創業。当時は一般的な大手メーカーのビールのみを販売していたそう。ジョッキにしてなんと400杯ものビールを日々さばいていた青木さんに転機が訪れたのは1994年。「地ビールが解禁になりますよ。(日本で)ビール作って売れるようになりますよ。突然地ビールの話がボンと来たわけです」と青木さん。1994年の酒税法改正によって、それまで大手メーカーしか作れなかったビールが小規模な醸造所でも作れるようになった。その草分け的な存在だったのが1995年に国産クラフトビール第1号として、新潟県の日本酒メーカー『上原酒造』が発売した『エチゴビール』。知り合いの営業マンから勧められ、新潟にある上原酒造でしか買えなかったエチゴビールを日本で最初に樽(たる)でおろし、東京にあるポパイで生ビールとして店頭販売をした。

しかし、クラフトビールを売る上で大きな問題があった。現地ではおいしいと評判のクラフトビールが東京で飲むとなぜかマズくなってしまう。青木さんはその原因を突き詰め、問題はビールを注ぐサーバーにあると考えた。当時、世の中に出回っていたサーバーは、普段居酒屋などで目にする“瞬冷式サーバー”。樽が常温に置いてあり、サーバーに接続するためのホースも常温のため、長い管を通って行く間に飲み頃の温度まで冷える仕組みなのが瞬冷式サーバー。このやり方では、仕入れた樽は常温にさらされてしまい、再発酵が進み香りや風味が変化してしまうそうで、繊細な香りが命のクラフトビールには、それが致命的だった。「このサーバーで注ぐ限り、クラフトビールの本当のおいしさは出せない」。そう思った青木さんが生み出したのが、クラフトビール専用の“青木式サーバー”だ。

巨大な冷蔵庫の中で樽を冷やし、そこからビールを直接注ぐことで温度変化を防ぐことができる。実際、壁の裏側は夏は8℃に設定されており、ビール樽は常に冷蔵庫に入っている状態をキープできる。さらには目で見える位置に炭酸ガスを調整するガス圧メーターをつけているため、ガス圧が一目で確認できるようになっている。クラフトビールの味を大きく左右するのが炭酸ガスの量。一般的な瞬冷式サーバーは、細かくガス圧を調整できないが、青木式サーバーはビールの種類ごとに合ったガス圧に調整ができるのだ。

スタジオのヒロミと孝太郎が、ガス圧低めで泡ナシがおすすめの“両国エール”で、泡アリと泡ナシの飲み比べをすることに。「お疲れ様でした」と乾杯して、まずは泡アリから飲むヒロミと孝太郎。泡アリは柑橘(かんきつ)系の香りを感じ、黒ビールに近いキャラメルのような甘味と苦みのある味。一方おすすめの泡ナシを飲んでみると「全然違う!」と驚くヒロミ。苦みもなくなり甘さがしっかりと感じられ、同じビールとは思えないほど味が違うという。「こっちの方がおいしいですね」とグラスが進む孝太郎。

単純に言うと、色の薄めのビールは泡を立てて注ぎ、濃いめのビールはなるべく泡を立てないで注ぐのがポパイ流のおいしい飲み方だという。「うまい、これ!」と満面の笑みを見せる孝太郎だった。
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