“北海道のお土産”ではなく“アート作品”としての地位の新境地を開いた木彫り熊の神!その大胆な作りにヒロミも興味津々!

ヒロミと小泉孝太郎の2人がMCを務める『オー!マイゴッド!私だけの神様、教えます』が8月23日に放送。木彫り熊の神に会いに北海道・旭川を訪れた。
道行く人に、その人にとっての神様のような人を聞き、実際に会いに行くこの番組。東京・原宿で声をかけた建築関係の仕事をしている男性・髙祖一成さんの神は、木彫り熊職人の佐藤憲治さん。ちょうど佐藤さんの個展を見て来た帰りだという髙祖さん。「樹種によって、硬いからここはカッてなってるのかな、柔らかい樹種だから柔らかく見えるのかな、とか、そういうところが好き。ニッチですよね」と溢れ出る神への愛を語る髙祖さん。

誰もが1度は見たことがあるであろう、北海道生まれの縁起物『木彫り熊』だが、佐藤さんの木彫り熊は、全く形相が違う。しかも佐藤さんの作品はお土産屋さんでも手に入らないレアな1品。取材はほぼ断っているそうで、テレビ番組への出演はゼロ。しかしなぜか今回は出演を承諾してもらえたため、佐藤さんに会いに北海道・旭川を訪れた。旭川空港で、佐藤さんを神と崇める髙祖さんと合流。胸を高鳴らせ神の元へ向かった。

全盛期には北海道だけでも、2000人以上いたとされる木彫り熊に関わる人は、現在約50人ほどにまで減少。そんな中で、一風変わった神の木彫り熊は即ソールドアウト。東京で展示会が開催されるほどの人気となっている木彫り熊の神・佐藤さんの元を訪れた。今回取材を受けてくれた理由を聞くと、「髙祖さんって言った?えらい褒められたもんで。神様だなんて、その人に対しての礼儀」と言う佐藤さん。髙祖さんの思いが取材を実現させてくれたのだった。

佐藤さんが作るのは『憲ちゃん熊』の愛称で知られている面彫りの熊。木彫り熊には『面彫り』と『毛彫り』という2種類の彫り方がある。多くの人に馴染みがあるのは毛彫りで、毛並みまで再現し、リアルな熊を追求した彫り方。一方で面彫りは、カクカクした面だけで表現する彫り方。そんな面彫り手法の中でも、佐藤さんの作品は目すら彫らない、かなり抽象的なモダンアートのようなデザイン。このようなデザインになった理由は孫の一言!20年ほど前、孫の菜々子ちゃんに「本物の熊コワイ!」「カワイイのがいい!」と言われてからこのスタイルとなったのだという。

さらに佐藤さんは、木の種類にまでこだわりが。一般的には、柔らかく加工しやすいシナノキが使われニスが塗られるため、もともとの木がもつ色合いは活かされない。しかし、神は完成品にニスなどは塗らず、木そのものをデザインとすることにこだわっている。そして、佐藤さんが神と言われる最大の理由はその作り方にある。まずは斧でおおよそ完成形の大きさにカット。ここからチェーンソーを使い、大まかな熊の形を形成していく。「こんな大きいチェーンソーで細かい作業」と驚くスタッフに、自分なりに感じたままやってる。年数が経ってくると染み付いてる。それが技術につながってる」と話す佐藤さん。次の段階から手作業になり、刃先やグリップが違う20本以上の木彫りノミを使いわけ、彫り進めていき、作業開始1時間でついに完成。

そもそも木彫り熊がお土産として人気を博したのは1960年代の北海道観光ブーム。当時、旅行は特別なことで、「北海道へ行ってきた」という証として木彫り熊を購入する人が多かったのだとか。そして見覚えのある鮭(さけ)をくわえたスタイルの熊が誕生するのだが、実は「これもう、兄貴が考えた形」と佐藤さん。諸説あるが、佐藤さんの兄・紀昭さんが鮭をくわえる構図を思いつき、この形が生まれたのだという。

孫の一言をきっかけに、独自のスタイルが生まれた佐藤さん。2022年、雑誌『Casa BRUTUS(カーサ・ブルータス)』に『新たな抽象熊を生み出す現代作家』として掲載されたことがきっかけとなり、“北海道のお土産”ではなく“アート作品”としての地位を確立。全国で個展の開催を求められる人気作家となった。佐藤さんにスタッフが「熊って好きなんですか?」とたずねると、「熊?いや、好きじゃない」と笑いながら答えるのだった。

スタジオでVTRを興味深く見ていたヒロミに、スタッフから神・佐藤さんが作った木彫り熊をプレゼント。「うわ、かわいいこれ!?どうやって作ってんだろ。この木の目が毛にも見えるし、何気なくやってるんじゃないと思うんだよね。やっぱりもう生き物だもんね」と大興奮!購入してきたスタッフにも「よくやった、スタッフよくやった!」と大喜びするのだった。
【TVer】最新話を無料配信中!
【Hulu】最新~過去話配信中!