謎解きクリエイターはどんなことを考えている? 東京メトロの謎解きイベントも手がけるクリエイター集団「NazoLock」が明かす“内”と“外”【独自インタビュー】

2026.6.12 17:30

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| “外側”を知っていると、おもしろい「謎解き」が作れる?

NazoLockの山本祥彰、川上諒人の写真

──おふたりの“謎解き(制作)の原点”が気になります。いつ、どんな体験だったのでしょうか?

山本:小学校4年生くらいのとき、親に暗号みたいなものを出していたことがあって、それがクリエイターのスタートだと言えるかもしれないですね。例えばひらがなの「や」が九つ書いてあって、答えが「野球(や・きゅう)」である…みたいなレベルのものでしたけど(笑) もともと、ワクワクするからという理由で“解くこと”が好きだったと思います。それで、自分もそういうワクワクするものを作ってみたいと思って、見よう見まねでやってみたんですよね。

川上:僕は中学生の頃、クラスの“レクの時間”に脱出ゲームみたいなものを担当したときがあって、図書室にいろいろ貼ったり隠したり──それが最初にちゃんと作ったというか、もちろんちゃんとはしてないんですけど(笑) それが原点なのかなと思います。

──自分から「担当したい」と手を挙げたんですか?

川上:自分でもやりたかったんですが、当時は先生が優しい人で“打席”を与えてくれた形でした(笑) あとは、テレビの影響もあったと思います。子どもの頃は『IQサプリ』(脳内エステ IQサプリ/フジテレビ系)のような、ひらめき系の問題がたくさん出る番組が流行っていましたし、中学生の頃には『リアル脱出ゲームTV』(TBS系)も見ていました。そういったものが自分の中では結構大きな存在で、影響された気がします。

NazoLockの川上諒人の写真

──「NazoLock」の活動も、子どもたちに影響を与えているかもしれませんね。これから謎解きを作ってみたいという方々へ向けてアドバイスなどはありますか?

山本:僕が謎解きを作るときは、結構“謎解きの外”から持ってきた知識が活きることも多いと感じます。美術館などで何か体験をしたときに「これっておもしろかったし、謎解きにできないかな?」と考えるみたいに、謎解き以外のものを謎解き側に持ってくる作業を結構しています。“外側”をたくさん知っている人は、絶対におもしろい「謎解き」を作れると思うんです。もし何をすればいいか迷ったら、謎解き以外のいろんなことを体験してみるのが良いのかなと思います。

──美術館で言うと、具体的にはどんなことに注目したのですか?

山本:例えば、ゴッホの《ひまわり》の展示で“ひまわりの香りがした”とか、そういう体験をあるテーマに結びつけて「謎解き」にできないか、と。他にも“ハサミの構造”とか、“科学館にあった、容器の外側を握ったら水に沈むおもちゃ”とか。いろんなところにアイデアの種があって、それをいかに見つけて結びつけられるかというのが、「謎解き」作りには言えるんじゃないかなと思っています。

NazoLockの山本祥彰の写真

川上:僕も、別のジャンルのものは参考にしていますね。「謎解き」には、“謎を解くことじゃない楽しさ”もほしいので、日常の中のパッと見の楽しい出来事なんかを取り入れたいなといつも思っています。

山本:最近のもので言えば、“ふくらPが解けるまで出られない”という動画*を出したんですけど、それは「六角形のラックってオシャレだな」とずっと思っていたのがきっかけになりました。六角形1個と、その周りに6個置いたら魔法陣みたいになって、数学的なおもしろいパズルが作れそうだなとなんとなく思って──そんな感じで、日々の「なんかいいかも」が実際に形になることが多いですね。

*『ばら撒かれた漢字と謎のラック。脱出せよ。』2026/4/30 公開(QuizKnock公式YouTubeチャンネル)

──ありがとうございます。では、最後に「NazoLock」の今後のビジョンについてお聞かせください。

川上:もっと「謎解き」という世界に人が増えるといいなと思っています。去年は『ナゾトキマーケット』(2025/11/8〜9 @東京ドームシティ)という即売会があったり、『ゲームマーケット*』にも近年謎解きの出展が多かったりと盛り上がっているので、もっと業界全体が盛り上がるように、人を呼べるように頑張りたいです!

*ゲームマーケットは日本最大規模のアナログゲームイベント。電源を使用しないアナログゲームの振興と、ユーザーの交流を目的とする。

山本:業界自体もどんどん広がってきていて、自治体とコラボした「謎解き」が全国各地でやられていたりしています。僕自身も、「謎解き」に触れたことない人にまで届けたいという気持ちがベースとしてありますし、もっとたくさんの人に、「謎解き」を通して考えることの楽しさを知ってもらいたいですね!

NazoLockの山本祥彰、川上諒人の写真

【山本祥彰 Profile】
1996年生まれ。日本漢字能力検定1級。謎解き制作チーム「NazoLock」のリーダーで、知的エンタメ集団「QuizKnock」のメンバー。早稲田大学先進理工学部卒業。早稲田大学高等学院在学中に、第34回「全国高等学校クイズ選手権」にてベスト4入りを果たす。2017年「QuizKnock」に加入し、YouTubeチャンネルへの動画出演に加え、謎解きやクイズの制作・監修を担当。2024年に「NazoLock」を立ち上げた。

【川上諒人 Profile】
2000年生まれ。東京大学理学部卒業。2022年に知的エンタメ集団・QuizKnockに加入し、現在は主にQuizKnock発の謎解き制作チーム・NazoLockでディレクターを務める。2022年の「謎解き能力検定」で満点を獲得。趣味のオセロでは初段を取得している。気象予報士の資格を持つ。

《「NazoLock」公式X(@NazoLock_baton)》
《東京メトロ謎解きガイドブック特設サイト》

取材・文・写真:entax編集部

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