「“できない”を“できる”に変える力がある」パラリンピック6大会出場!元日本パラリンピック委員会委員長でありスポーツ庁長官を務める・河合純一氏が語るパラスポーツの可能性とは

2026.3.4 17:30

この記事をシェア

  • Twitter
  • Facebook
  • Line
河合純一氏らの写真

2025年12月14日(日)に群馬県・草津で開催された『湯けむりフォーラム2025』。パラスポーツ分科会が開催され、スポーツ庁長官を務める河合純一氏が登壇した。

◆河合純一

パラアスリートとしてパラリンピック6大会に出場し、金メダル5個を含む計21個のメダルを獲得。引退後は、日本パラリンピック委員会委員長などを務め、2025年10月に新たにスポーツ庁長官に就任した。

この日、SUBARU陸上競技部ランナーの唐澤剣也氏、SUBARU陸上競技部ガイドランナーの堀越翔人氏、日本車椅子ソフトボール協会会長の髙山樹里氏とともに登壇した。MCを務めたのはフリーアナウンサーの久下真以子氏。開催されたパラスポーツ分科会では、「パラスポーツを通じて描く地域の未来」をテーマに、パラスポーツの現状や未来について登壇者が話していく。

◆”IMPOSSIBLE”から”I’m POSSIBLE”へ

最初の話題は「パラスポーツが持つ『力』・『役割』・『可能性』とは何か?」。
久下アナウンサーから、パラスポーツの現在の現状や意義について聞かれると、河合氏は「障害のあるなしを超えて、ルールや道具を工夫しながら楽しめるユニバーサルなスポーツとしてとらえていると思う。」と話した。

続けて「日本パラリンピック委員会(JPC)にいたときに進めていたのは、パラスポーツを通して、社会の様々な不平等、不公正をどうすれば理解してもらえるかというパラリンピック教育教材を、国際パラリンピック委員会(IPC)とともに作ってきた。(教材の)タイトルは『I’m POSSIBLE』。英語の“Impossible”(不可能)にちょっとした工夫、アポストロフィを加えることで、”I’m possible”に変えることができる。まさに道具やルールといった工夫をすることで「できない」を「できる」に変える力があることを、学校に伝えるような教材を作成してきた。」とコメント。

続けて「スポーツには「する・見る・支える」に加え「集まる・つながる」の5つをスポーツの価値として位置付けて、どの場面においても障害の有無、年齢、性別を超えて、スポーツの魅力を発信するには、今まで目を向けられてこなかった部分には発見や気づきがあると思う。まずは、(パラスポーツに)触れて、実際にやってみて、試合に行ってみるような経験をしてほしい。」と前向きなコメントをした。

河合純一氏らの写真

◆「“ダイバーシティ”は『ダンスパーティに誘うこと』、“インクルージョン”は『一緒にダンスを踊ること』」

また、共生社会の実現に向けた課題、パラスポーツが貢献できることについて河合氏は「国によって『共生社会』の文脈は変わるが、日本における『共生社会』は、障害者政策に寄っていると思う」と話す。また、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)について「ダイバーシティは『多様性』、エクイティは『公平性』、インクルージョンは『包摂性』と訳されるが、(実際に)ダイバーシティとは『ダンスパーティに誘うこと』、インクルージョンは『一緒にダンスを踊ること』だ。」として次のように話した。

河合純一氏らの写真

「同じようで全然違う。――例えば法定雇用率に合わせて障害のある方を雇用する、職場の中で一緒にいる。でも、職場にいるけど会議の時にわからない、話についていけない、資料を準備できていない・・・。このような状況でエクイティにあたる『合理的配慮』がなければ、インクルージョン、『一緒にダンスを踊ること』はできない。ダンスパーティに行ったけど、段差があって車椅子の人がダンスフロアに上がれなければ一緒に踊ることはできない。けれどスロープを付ければ一緒に踊ることができる。環境を整え、人々の心の中のバリアをなくす取り組みがあることで共生社会が作られていく。」と、共生社会への実現に向けてのプロセスを話した。

1 2

クオカードプレゼントキャンペーン2024