「愛おしくて仕方がない」映画初監督の中村雅俊が込めた“特別な50年後” 映画『五十年目の俺たちの旅』【entax独自インタビュー】

2026.1.7 12:30
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中村雅俊の写真

1975年10月に放送が始まり、当時の若者たちを熱狂させた青春ドラマの金字塔『俺たちの旅』。その後も『十年目の再会』『二十年目の選択』『三十年目の運命』と、登場人物たちの人生の節目を描き続けてきた本作が、放送開始50周年を迎えた今、20年ぶりに新たな物語として帰ってくる。初の映画化となる『五十年目の俺たちの旅』では、中村雅俊演じるカースケ(津村浩介)たち3人の物語が初めて銀幕に描かれる。主演にして初の映画監督を務める中村が挑んだ本作は、2026年1月9日(金)に全国公開。entaxでは、中村に独自インタビューを行った。

映画『五十年目の俺たちの旅』KV

◆待望の映画化、決め手は「みんな『俺たちの旅』が大好き」

「今回、映画化のお話をもらった時は“きたか!”って感じでした。これまで、10年後20年後30年後をスペシャルドラマで作ってきて、今回は“特別な50年後”。『俺たちの旅』が復活するとなると、“『俺たちの旅』やりたい!”って言いだす人が、俺も含めいっぱいいると思うんですよね」

「脚本家の鎌田敏夫さんからも、一緒にお酒を飲んでいると“『俺たちの旅』をまたやりたい”って言葉が出てくるんです。鎌田さんはほかにもたくさんヒット作があるのに、なぜか『俺たちの旅』が大好きで。映画化は大変な道のりでしたが、みんな『俺たちの旅』が大好きだからですね」

◆監督として“譲れなかった”シーン

「譲れなかったシーンは…あまり言いたくないですけど…(笑)一番感謝しないといけないことがあって。撮影現場では、俺が“やりたい”って言ったことを、プロデューサー含め、皆さん快諾してくれたんですよね。皆さんが反対することなく、ほとんど全員が俺の言った通りのことをやってくれた。それは本当に感謝しています」

「でも最初の本作りの時、鎌田さんが考えたものに俺が“いや、こっちのほうが…”みたいに、より良いものを求めるが故に、鎌田さんと何回も話し合いをしました。でもそれ以外は基本スムーズに作れたと思います。“実はこういうことがあった”というのは公開後、後々言いたいですけど(笑)」

中村雅俊と秋野太作の写真
カースケ(津村浩介/演:中村雅俊)、グズ六(熊沢伸六/演:秋野太作)

◆映画初監督を経験して…

「監督って本当に大変で。全てにおいて一つの答えを出していきながら、前に進んでいかないといけない。だから、答えを出す責任がすごく強くて。例えば、【1+1は本当は2】だけど、監督的に【1+1は3】みたいな答えを出して、それを【3が正解だ】っていうところまで持っていかないといけない。そういう戦いはあったので、ちょっと孤独を感じることもありました。自分が“やろう”って言ったことが正しいかどうか、実はわからないんです。それでも奮い立たせて、とにかく一年間、四六時中映画のことを考えてましたね。貴重な体験をさせてもらいました」

◆公開前の初めての心境「愛おしくて…」

「“お客さん来てくれるのかな?”って思ってるんですけど、この気持ちが本当に初めての経験。不安に似たものがよぎっています。俺は、制作する上で作品を100回以上は見ているので、目を閉じると“このカットの後はこれで”みたいに浮かんでくるんです。“自分の作品”っていう意識が強いので、とにかく気持ちは尋常じゃないです。俺は子どもを産んだことはないですけど、産んだ気持ちになったような、それくらい『五十年目の俺たちの旅』が愛おしくて仕方がない。公開したらもっとそんな気持ちになるのかなって思いますね」

◆「ワンボックスカーに乗れるだけ乗って…」

「ロケ地にも何回も足を運びました。監督ってこういうものだと思ってたんですけど、カメラマンや照明技師、助監督、プロデューサーとか、ワンボックスカーに乗れるだけ乗って行きました。山奥ばっかりなんですよ!(笑)早くて都内から2時間くらいのところにあって、熊出没注意!って書いてあって“ぉお大丈夫か!”とか言いながら…ロケハンはとにかく遠いところばっかり行きましたね。伊豆にある、夕日が日本一素敵と言われているところは3時間かかったりして」

◆監督として向き合えたシーン

「俺くらいの年齢になると“残りの人生、何をしようか”って考える中で、本作では田中健ちゃんが、かつて愛した人の息子がいる島を訪ねるシーンがあるんです。その島のシーンは、俺出てないんですよ。だからすごく楽で(笑)自分が芝居をしない、監督業だけでいたので、すごく集中できたシーンでした。今後、また機会があったら、俳優として出演せず“監督だけってのもいいな”と思った瞬間でもありましたね」

──島から船を見送る“お辞儀のシーン”も印象的
「あのお辞儀は過去作でも使っていた手法なんです。井の頭公園駅に、水戸に住んでいるグズ六(熊沢伸六/演:秋野太作)のすごく厳しいお母さんが来て、駅のホームでお母さんを見送るシーンがあるんです。そこで、カースケ、グズ六、オメダ(中谷隆夫/演:田中健)の3人が軍隊みたいに並んで、電車が見えなくなるまでずっとお辞儀をするんですけど、今回はそれをやろうと思って。昔から見ている方は、“もしかしたらそういうことかな”と気付いてくれると嬉しいですね」

中村雅俊と田中健の写真
カースケ(津村浩介/演:中村雅俊)、オメダ(中谷隆夫/演:田中健)
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