35年越しのラブレター…文字の読み書きができない夫が妻に宛てた手紙に、スタジオ感涙
月日は流れ結婚して30年。保さんは定年を迎え、仕事も落ち着いた。このころから保さんには、一つの目標ができたという。それは、皎子さんにラブレターを渡すこと。最愛の妻に、自筆の手紙を渡すため一念発起。夜間中学に通い始めた。
スタートはひらがなの学習から。おまけに通い始めたのは64歳。覚えたこともすぐに忘れてしまう。学んでは忘れる、を繰り返す日々であったというが、6年をかけ、必死に読み書きを学んだ。そうして迎えた結婚35年目のクリスマス。保さんは『君に』と題した手紙を皎子さんに渡すことができた。
結婚してから35年越しのラブレター。積もり積もった思いを、便箋7枚に綴(つづ)った。保さんは「2か月か3か月はかかったね。ラブレター書くのに」と、懐かしそうに話す。皎子さんの反応を、「“よう書けたな うれしいよ”って言われた。ちょっと泣いてたような気がしたからうれしかったな」と思い出してほほ笑んだ。それからは毎年、クリスマスには保さんが直筆の手紙を送ることが恒例になったという。
2通目、3通目と手紙は増える。しかし4通目を渡そうとした年のクリスマス直前、12月22日、皎子さんは心臓発作で帰らぬ人となった。保さんは当時について「4通目は棺桶(かんおけ)に渡しました。“これから何年先まで生きるかわからんけどね、10通くらい書けたらええな”とか最後に書いたような気がする。その時一番辛かったね。ホンマに落ち込んだ」と語った。
最愛の妻を失った保さん。悲しみの底に沈んだというが、亡くなった皎子さんのため、新たな目標を立てたという。「(夜間中)学校を卒業して卒業証書見せたら、嫁はん喜んでくれるような気がして、卒業したいなと思いました」といい、勉強にいっそう打ち込むようになった。そして2020年3月、保さんは84歳にして夜間中学を卒業。今では読み書きどころか、スマホのチャットも使いこなしているという。
愛する妻のために努力を続けた保さんの姿に、出演者たちは感動。藤井貴彦アナウンサーからは「書けなかった文字が書けるようになって何をしたいかって考えた時に、奥様へのラブレターを書こうって考えるアイデアがこんなに素敵なことはないですよね」、ヒコロヒーからは「つたない文字、手紙が良いよね」などのコメントが飛び交った。
この実話は一冊の本にもなり、今年3月には映画化もされた。現在、保さんは全国で講演活動を行い、勉強することの楽しさを伝えている。
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