声優・上田麗奈は透明感、石川由依はうさんくささが魅力? ファイルーズあいがベタ惚れした“耳に残る”芝居と声【アニメ『私を喰べたい、ひとでなし』】
 
            TVアニメ『私を喰べたい、ひとでなし』(毎週木曜23:30よりTOKYO MXにて放送中)で、物語の鍵を握る一人・社美胡(やしろ みこ)の声を務める人気声優・ファイルーズあい(『チェンソーマン』パワー役など)にインタビュー! 本作で主要キャストとなる上田麗奈、石川由依との仲良しアフレコエピソードのほか、ファイルーズが「感服した」と話す2人の卓越した演技力について語ってもらった(アニメ第4話までのネタバレを含みます)。
※“不調の時期”の救いに…?本作への想いを明かす独自インタビュー記事も公開中
本作『私を喰べたい、ひとでなし』は、『電撃マオウ』(KADOKAWA)にて2020年10月号から連載中の苗川采による同名漫画を原作とした、異色の“ガール・ミーツ・ガール”作品。略称は『わたたべ』。物語の舞台となるのは、伊予市を中心とした愛媛県。海が一番近い無人駅「下灘駅」など日本を代表する絶景の数々が存在し、劇中でも繊細で美しい風景や心理描写が数多く登場する。
10月2日(木)より毎週木曜TOKYO MXにて放送中のアニメは、“人”と“ひとでないもの”の願いの形が変化していく様、そしてそれでも生きていく少女たちの様子を描いていく。ある過去の悲惨な出来事をきっかけに命を投げ出したいと願うようになった女子高生・八百歳比名子を上田麗奈が、そんな比名子に対して「君を喰べにきました」と近づく人魚の少女・近江汐莉を石川由依がそれぞれ担当。ファイルーズあいが演じる美胡は、親友である比名子と、彼女を翻弄する汐莉の間で感情を揺さぶられていくことに──。

|3人1組はアフレコ現場でも? ファイルーズ「女子校みたいでした」

──美胡の正体が暴かれる第4話まででもかなりシリアスな場面が印象的な作品ですが、本作のアフレコ現場はどんな雰囲気でしたか?
ファイ 収録中はシリアスなムードで録っていましたが、それまでは和気あいあいとしていましたね。時期的に、私が注文していたふるさと納税のお菓子が届いたりしていたので、それを毎週お裾分けして、「おいしいね」ってみんなで食べながら収録していました(笑)
──比名子と汐莉、それぞれを演じる上田さんや石川さんとはどんな話を?
ファイ 上田さんは、これまでもちょっとした共演はあったんですが、ガッツリ共演・掛け合いというのはほぼ初めてだったので、すごく楽しみでした。お話していたら同い年ということも分かり、より距離も縮まって「麗奈ちゃん」と呼べるようにもなって! この作品をきっかけに、本当に比名子と美胡みたいな友達関係になれてうれしかったですね。
ファイ 由依さんとは前に1年間、別の作品で共演していたこともあって、本当に頼りになるお姉さんです。お芝居の面でも本当に尊敬していて大好きな方なので、毎週この素晴らしい刺激を頂けるということがとてもありがたかったです!

──3人で過ごす時間も多かったんでしょうか?
ファイ アフレコをしていた時期は、やっぱり比名子・汐莉・美胡の“3人1組”がずっと頭の中にあったので、お店で3個セットのハンドクリームを見つけたりすると、「あっ、これ買おう!」となり、『わたたべ』の現場に持っていったりしましたね。「これ、比名子と汐莉と美胡っぽくないですか?」なんて言って、私が買ってきたハンドクリームをお配りし、3人でおそろいみたいなのもしたりして!
ファイ その時のクリームは確か、ちょっと抹茶っぽい感じの香りのもので、それがなんだかちょっと汐莉っぽいなとか、ご本人の由依さんっぽいな、みたいな話をしていましたね。本当に女子校みたいな感じで楽しかったです!

|上田麗奈は“透明感”、石川由依は“うさんくささ”が魅力?
──上田さん、石川さんの「ここのお芝居すごかった!」という点を伺えればと思います。まず、上田さんはいかがでしたか?
ファイ 本当にもう…透明感(笑) だけどその美しさの中にある“等身大の闇”みたいな部分の表現がすごく繊細で、心をつかまれました…! 私も比名子は、初めて見た時から「あっ、上田麗奈さんがやりそうだな」と頭に浮かんでしまうぐらい、すごくぴったりだと思っていたんです。ただ、リアルに同じアフレコブースで聞いた時に、声のボリューム的な部分で言うと、すっごく小さいんですよ。でも、ずっと耳の中に残り続ける存在感があって、そこが本当に素晴らしい魅力だなと思いました。
ファイ 特に、第1話で比名子が「いきたくない」って言うシーンがあるんですけど、原作だと平仮名の「いきたくない」なんですね。それが「生きていたくない」と「学校に行きたくない」のダブルミーニングになっているんです。それを音にするのはすごく難しいと思うんですけど、アニメを見た人が麗奈ちゃんの話したセリフを聞いた時に「学校に行きたくないってことだよね? え、でも…」って、違和感が少し残る──心の中に刺さるというか、すっごく素晴らしい表現だなと思って感服いたしました!

──汐莉役の石川さんはどうでしょう?
ファイ 汐莉ならではの、あの“うさんくさい演技”がもう本当に最高です! 耳触りはいいんですよ? すごくいい、ずっと聞いていたい! なのに「本当は思ってないでしょ、そんなこと」みたいな──わざと相手を不快にさせるような言い方、人の神経を逆なでするような、まさに妖怪らしい、人間をおちょくったようなしゃべり方っていうのがたまらなかったですよね!
──以前の“1年間の共演”の時とはまた違う印象でしょうか。
ファイ そうですね。そちらは子ども向け番組というのもあって本当に“いい子”だったんですけど(笑) 逆に汐莉は、“そこ”が魅力的なんですよね。汐莉の本当の目的や、比名子との本来の関係性を知らない人だと、「ちょっとこの人、怪しすぎるよ!」「何をする気なの?」っていぶかしむと思うんですけど、本来の汐莉を知っていると「それも虚勢なのかな」「自分を保つために一生懸命なんだな、この人魚も」って思えて、より愛しさが湧いてくる。そんな二面性のあるキャラクターになっていて、そのお芝居が素晴らしいと思いました。絶大な信頼を置いております!

──そんなお2人と共に演技をされたとなれば、ファイルーズさんご自身にも影響があったのでは?
ファイ 美胡って、やろうと思えばどこまでも派手にお芝居できちゃう子なんですよね。でも、それをあえてやらない方が絶対この作品にとっていいなと思えたのは、上田さんが引き出してくれた部分でもありますし、音量のバランスとかを考えても「あっ、やっぱり美胡はこのぐらい抑えた方が魅力的だな」と感じました。比名子のお芝居は、“誇張した表現”のアニメと、“生っぽい表現”の外画の中間という印象で、それが本当にこの作品の良さだなと思ったんです。
ファイ 汐莉さんも本当にあおるのがお上手なので、私も「ムキーッ」となる美胡の気持ちに寄り添えました。自然とそうなれるのは、本当に由依さんの素晴らしいお芝居あってこそだなと思いますね。

※“不調の時期”の救いに…?本作への想いを明かす独自インタビュー記事も公開中
《ファイルーズあい》
7月6日生まれ。東京都 出身。趣味/特技は、絵を描くこと・ホラー映画鑑賞・ファッション・読書・デスボイス。マウスプロモーション所属。2019年にアニメ『ダンベル何キロ持てる?』の主人公・紗倉ひびき役で声優デビュー。同年、第14回声優アワード新人女優賞を受賞。その後も『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』空条徐倫、『トロピカル~ジュ!プリキュア』夏海まなつ/キュアサマー、『チェンソーマン』パワー、『怪獣8号』四ノ宮キコル、『ドラゴンボール DAIMA』パンジ、『七つの大罪 黙示録の四騎士』ガウェインなど、数多くの人気作で主要キャラクターを担当。
【公式サイト】
アニメ『私を喰べたい、ひとでなし』(全13話)
毎週木曜23時30分よりTOKYO MXにて放送中
毎週木曜22時30分よりAT-X/BS日テレ/愛媛朝日テレビほかにて順次放送中
〈CAST〉
八百歳比名子:上田麗奈
近江汐莉:石川由依
社 美胡:ファイルーズあい
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